開催がいよいよ迫っている、最新バイクが集うミラノショー2025(EICMA)だが、一足早く「イタリア最大の旧車イベント」アウトモト・デポカが10月24日~27日にかけて開催された。

そこにはチェコ発のバイクメーカー「JAWA」の新モデルも出展。レトロさと現代センスによる独自の世界観を持つブランドを紹介したい。

1929年設立の歴史ある「東側」メーカー

JAWA(ヤワ)はチェコ共和国のバイクメーカーで、1929年に当時のチェコスロバキアで設立されて以来、100年近い歴史を持つブランドだ。このメーカーの特徴的なポイントは、戦後の冷戦時代を通じて共産主義国家=東側陣営の中で活躍したこと。日本を含めたアメリカ、イギリス、イタリアなどが先端技術を競い合っていた世界からは隔絶され、1989年の冷戦崩壊までは、ソビエト連邦や東ドイツといった国々でしか流通していなかったのだ。

そんなJAWAだが、現代ではヨーロッパ諸国やインドへ乗り込むべく、新型のクルーザーやネイキッドバイクを開発中。しかしその傍ら、350ccの並列2気筒空冷2サイクル2ポートエンジンを搭載する、まるで70年代そのままなマシンもラインナップを続けているから驚きだ。さすがに排ガス規制のある国々で販売することはできず、ロシアや南米といった国々へ向けて輸出されているという。

「JAWA 350 OHC」は外見70年代のまま4サイクル化!

この2サイクルモデルのシャーシを用いて、排ガス規制に適合させたモデル「JAWA 350 OHC」が、この度モデルチェンジしたという。最新のEURO5規制をクリアする4サイクルOHCシングルエンジンは、排気量397.2ccで27.19PS/6500rpmを発揮。最大トルク31.0Nm/5000rpmと、パワーもソコソコ。車体重量はシンプルゆえに軽量な160kgだ。最高速度(近年見慣れない数値だが)は115km/hとなる。さらにJAWA初となるABSをフロントブレーキに備えた。また、ややオフロードライクな装備を持つ「JAWA 350 OHC SPORTS」もラインナップされている。

今回のモデルチェンジでは、更にLEDヘッドライト(!)を新たに採用。レトロなルックスのまま、ヘッドライトがプロジェクターレンズを備える最新スタイルに変更されモダナイズされた。これによってヨーロッパやインドでシェアを争うホンダやロイヤルエンフィールドと勝負していくのだろう。

洗練されたモダンさはなくとも、旧車ファンには心動かされずにはいられないJAWAのマシン。2024年現在は日本に正規導入されていないが、こんなバイクが日本を走る日を夢見てもいいだろうか!?

JAWA 350 OHC(2024)主要諸元

・全長×全幅×全高:-
・ホイールベース:1420mm
・シート高:760mm
・車重:160Kg
・エンジン:4ストローク空冷単気筒 OHC4バルブ 397.2cc
・最高出力:27.19PS/6500rpm
・最大トルク:31.0Nm/5000rpm
・燃料タンク容量:12.5L
・変速機:5段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=100/90-19、R=130/70-18
・価格:-

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