カワサキがアメリカでNinja1000SXの新型を発表した。当Webikeプラスが報じたように排気量が1099ccとなり、車名は「Ninja1100SX」に。初の追加グレードとなる「SE」の登場も大きなトピックで、フロントはブレンボ製ブレーキシステム、リヤはオーリンズ製ショックで足元を固めている。
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欧米で同時発表、Ninja1000SXが1100に進化した
カワサキUSが公式サイトやSNSで告知していたとおり、日本時間10月1日22時にニューモデルが発表され、新型「Ninja1100SX SE」の詳細が明らかに。同時間に欧州でも発表が行われた。
新型は排気量を増大したほか、ブレンボやオーリンズリヤショックを備えた「SE」グレードを新設定している。
Ninja1000SXは、2011年の初代以来、スーパースポーツ(SS)の走りをアップライトなライポジで味わえる「ラクッ速」の代表格として君臨。現行型は2020年にフルチェンジを受けた4世代目に進化しており、新型の1100は5世代目にあたる。
ストロークアップでトルクを増強、ギヤ比やシフターも見直した
まず直列4気筒エンジンは、従来型の1043ccから1099ccにアップ。従来のボア77×ストローク56 mmに対して、ストロークを3mm増大した。
結果、北米仕様の最高出力は134HP(136PS)/9000rpm、最大トルクは11.48kg-m/7600rpmに(欧州仕様はスペック未発表)。現行の日本仕様と比べてみると、141PS/10000rpm、11.3kg-m/ 8000rpmなので最高出力がダウンしているが、これは測定規格の違いによるもの。恐らく日本や欧州仕様ではアップしているハズだ。
トルクの増大に加え、5~6速のギヤ比をロング化。特に高速クルージング時にギヤチェンジの頻度が減ることになり、実にありがたい。さらにクイックシフターも進化。従来型のシフターは2500rpm以降で機能していたが、新型では1500rpmから作動し、よりシームレスな変更が可能になる。
新登場のSEグレードは上質な脚で戦闘力を強化
追加されたSEグレードは、豪華な足まわりが自慢。ヴェルシス1100やH2SXのSEグレードは電子制御サスを備えるのに対し、Ninja1100SX SEはZ900RS SEと同様に上級ブレーキとサスで武装しているのが特徴だ。
フロントにブレンボ製のM4.32キャリパー、マスターシリンダー、ディスクローターを採用。さらにスチールメッシュブレーキホースを標準で備える。さらにリモート式のプリロード調整機構を備えたオーリンズS46リヤショックを装備。STDは伸側減衰力とイニシャルの調整が可能だが、SEではフル調整式となり、もちろん作動性にも定評がある。
加えてグリップヒーターも標準装備。車重はSTDの518.2ポンド(233kg)から約1kg増となる。
STD、SEともリヤディスクは250→260mmに大径化。ブリヂストンのS23が標準タイヤとなる。さらに全グレードともハンドルマウントのUSB-Cソケットを新採用。カワサキ独自の Rideologyアプリの最新バージョンに接続可能となり、音声入力にも対応する。
STDとSEの価格差は25万円程度? 日本仕様はどうなる?
STDは、倒立フォークやラジアルマウントモノブロックキャリパー、ラジアルマスターなどSSさながらの足まわりを従来型から踏襲。6軸IMU(慣性センサー)やライディングモード、トラコン、クイックシフター、クルーズコントロールといった豊富な電脳デバイスも新型でも健在だ。
SEはこれに繊細なタッチとストッピングパワーを有するブレンボのブレーキシステム、作動性に優れたオーリンズリヤショックで走りを強化。さらにスポーティな走りが可能となる。
北米仕様の価格はSTD1万3699ドル(約196万6000円)、SE1万5399ドル(221万1000円)で、価格差は25万円程度。国内のZ900RSとSEの価格差は22万円なので妥当かもしれない。ちなみに日本仕様の現行Ninja1000SXは159万5000円~だ。新型の日本仕様に関しては未発表だが、導入は確実と見られる。正式発表が気になるところだ。
2025年型 Ninja1100SX/SE(北米仕様)主要諸元
・全長×全幅×全高:2100×805×1191
・ホイールベース:1440mm
・シート高:820mm
・車重:233/234kg
・エンジン:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 1099cc
・最高出力:136PS/9000rpm
・最大トルク:11.48kg-m/7600rpm
・燃料タンク容量:19L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70ZR17、R=190/50ZR17
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>最高出力がダウンしているが、これは測定規格の違いによるもの。恐らく日本や欧州仕様ではアップしているハズだ。
これはちょっと疑問。メーターを見ている感じでは許容回転数も落ちてる。
ピークトルクが低回転寄りにシフトしているのを見ても最高出力は落ちていると思う。
ただし、3代目隼なんかと同じで最高出力=普段使える馬力ではないし、最大トルクも上がっているから体感的な出力は変わらないと思う。
Z1100は ださないのか?