ヤマハは、中国における2輪製造合弁会社のパートナーが株式をCFMOTOに譲渡したことを9月15日に発表した。中国事業のさらなる強化を目指すとしている。

1000ccV4と言われるSR-C21の開発も進む!?

ヤマハは、1980年から中国へ2輪車の輸出を開始し、1983年には重慶の公司(会社の意味)と技術援助契約を結んでヤマハメイト(CY80)の生産を開始した。重慶YAMAHAブランドで発売されたCY80は年間40万台という人気車種になり、1992年に合弁公司「建設ヤマハ」に発展した。

今回の発表は、合弁パートナーが新たにCFMOTOに代わったという内容で、ヤマハは「当社は、中国を重要な生産・販売拠点の1つと位置付けており、今後CFMOTO社と合弁事業の方向性を協議し、さらなる競争力強化を目指します」とコメントしている。

従来の「建設ヤマハ」は従業員400名の小規模メーカーで、ラインナップは125~250ccの実用車やスクーターが中心。対してCFMOTOは、従業員4000名の新興パワースポーツメーカーで、100か国以上へ輸出も手がけるヤマハに近い立ち位置の企業。近年はMoto3にも参戦している。

ファンモデル中心のCFMOTOとヤマハが組むことで、急速に成熟が進む中国の2輪市場で相乗効果が見込めるだろう。2021年に公開されたCFMOTOのコンセプトモデル「SR-C21」は1000ccV4エンジンとウワサされており、これの開発にもヤマハの技術が投入される!?

4ミニモデルのパピオXO-1から1000ccV4エンジン搭載とウワサされる「SR-C21」まで、ファンバイクを全方位で揃えつつある中国CFMOTO。ヤマハの新しい合弁企業だ。

SR-C21 [CFMOTO] 2021年のミラノショーで発表されたコンセプトモデル。詳細は明らかにされていないが、V4エンジンを搭載するとウワサされる。

コンセプトモデルであるSR-C21は並列2気筒450ccの「450SR」がベースと思われるので、このモデルはあくまでもイメージと考えられる。

SR-C21のアッパーカウルには大型のウイングレットがついており、トップエンドのスーパースポーツを予感させる。マフラーはアップマウントの左右出しだ。

コクピットの装備もリッタークラスの内容になっているのが分かる。ストリートモードでレッドゾーンが10000rpmを表示しており、エンジンは450ccのままかも知れない。

CY80 [重慶YAMAHA] 輸入規制強化に伴う中国の政策により現地生産されるようになったメイトの中国版。建設ヤマハはこれの延長線で実用車本位のラインナップになっていた。

CFMOTOは並列4気筒の500SRを発表したばかり

CFMOTOは、9月2日に株洲(しゅしゅう)国際サーキットで「2023 CFMOTO DAY」を開催しており、2台のスーパースポーツを初公開している。中でも注目なのが並列4気筒エンジンを搭載した「500SR」で、ラムエアインテークも採用し最高速は230km/h以上とされる。

中国ではすでにカワサキのZX-4Rが発売されて高い人気を見せており、さらに排気量を上乗せした500SRの登場でミドルスーパースポーツの競争が過熱しそうな勢いだ。500SRの価格は3万5000元(約70万円)と予想されており、ZX-4Rの現地価格6万9800元(141万円)の半額となる。

ヤマハとCFMOTOの合弁会社は「株洲春风雅马哈摩托车有限公司(ZCYM)」という名称で2023年11月にスタートするが、CFMOTOデーがZCYMが位置する株洲で開催されたことは偶然ではないだろう。2社の合弁が中国や日本のファンバイク市場にどう影響するのか注目したい。

500SR [CFMOTO] 2006年型YZF-R6に通じるシルエットでフレームの形状も似ているがフレーム素材は不明。マスの集中したコンパクトなボディになっているのが分かる。

675SR [CFMOTO] 並列3気筒エンジンを搭載した675SRも発表。500SRよりもコンパクトなテールまわりのレーシーなフルカウルを纏う。ガルアーム状のスイングアームは剛性が高そう。

パピオXO-1(手前)/XO-2 [CFMOTO] 年内に124ccの原付2種仕様が34万9800円で国内発売されるパピオシリーズ。販売は「KURE 35 茂原ベース」他数店からスタートする。

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