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GSX-S1000の新型はさらにいいバイクに違いない

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

210507_wakayama_01_2021-680x454.jpg▲GSX-S1000 2021年モデル

新型はここ6年の技術の進歩が投入された正常進化形

私はGSX-S1000にすごく好印象を持っています。エンジンは2007年型GSX-R用で、スイングアームは先代GSX-Rから流用、フレームは専用設計ながらGSX-Rに準じているのですから、GSX-Rのネイキッド版として言って差し支えないでしょう。

210507_wakayama_03_2015-680x454.jpg▲GSX-S1000 2015年モデル

ところが、GSX-Sはスーパースポーツの単なるネイキッド版では終わっていません。スーパースポーツ、いやモトGPマシンが追求しているコントロール性がストリート向きに落とし込まれていて、マシンの状態と接地感が豊かに伝わってくるのです。

そして、GSX-S1000の登場から6年。電子制御技術を始めとする新技術を投入、さらにユーロ5規制対応としたのが、この新型です。
特に注目できるのが、電子制御スロットルの採用です。また、スロットルボディ径は、リリースによると変更とありますが、従来型が2007年型GSX-Rと同じφ44mmだったことを考えると、おそらくは小径化されているのでしょう。

これらにより、低回転域からスロットルレスポンスは緻密かつシルキーになっていて、発表されたトルクカーブを見ても、全域で凹凸なくリニアに立ち上がる特性となっています。きっと、全域で力強く、スロットルでのマシンコントロール性が上質になっているはずです。おまけに最高出力も高められています。

IMUを搭載しないのはスズキの自信の表れか

新型には、アップダウン両利きのクイックシフター、3段階切り換えのライドモード、5段階切り換えのトラクションコントロール、ABS、ローrpmアシスト、スリッパー&アシストクラッチなど、今では一般化した技術が採用され、安全性や扱いやすさ、快適性が高められています。

210507_wakayama_02_2021-680x446.jpg▲GSX-S1000 2021年モデル

ただ、リリースにはIMU(慣性計測ユニット)に関する記述はなく、内容に注目してもIMUは搭載されていないと判断して差し支えなさそうです。
諸制御のためにマシンの運動状態を検知するIMUはビッグスポーツにはかなり一般化、GSX-R1000やVストロームにも採用されています。

でも、IMUによるウィリーコントロールやコーナリングABS、バンク角対応のトラクションコントロールは、ストリートスポーツには必要ないということなのでしょう。何より、素性としてコントローラブルであれば問題ないのであって、むしろバイクの素性そのものを楽しめると思います。

新型は私の唯一の不満も解消されているはず

お気に入りのGSX-Sですが、私には一つ不満がありました。サーキットを200km/h超で走った状況に過ぎないのですが、フロントが軽く不安定になるきらいがあったのです。

210507_wakayama_04_2015-Sepan-680x454.jpg▲GSX-S1000 2015年モデル

これに関し、私はダウンフォースの発生が少なく、揚力によってフロントが軽くなるのが原因だと推測していました。その点、兄弟機種のGSX-S1000Fやカタナは外装類によるダウンフォースが発生していると思われ、そうした問題もないのでしょう。

そこで、この新型に注目すると、リリースに空力に関する記述はないものの、ラヂエターシュラウド部がモトGPマシンばりのウィングレット状になっており、またヘッドライト部の形状からもダウンフォース発生が見込めます。さらにメーターバイザー部の風防効果によって、ライダーが受ける風圧がフロントを軽くすることも抑えられそうです。

燃料タンク容量が2リットル増の19リットルとなりツーリング性能が向上、ハンドル幅の23mmワイド化によってアグレッシブな機動性が向上。空力特性の向上によってサーキット性能も向上し、ますますワイドレンジに楽しめるものとなっていると期待させるのです。

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和歌山利宏

和歌山利宏 モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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