Webikeモーターサイクルショー2021を見て広がる夢に思わず付け加えたくなったこと

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

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アフターマーケットパーツには素晴らしいものがある

ここのところWebikeで展開されているウェビックモーターサイクルショー(WMS)2021では、多くの新商品が紹介され、それらについて詳しい説明や解説がなされています。

ただ、実際に走りにどう反映されているのかまで言及はされているわけではありません。それらの中で、ティッセンクルップのカーボンホイールとアドバンテージのダイレクトドライブブレーキディスクについては、私自身が試乗を通し良さを感じていますので、ここでお伝えしたいと思います。

【ウェビックモーターサイクルショー2021】
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走りを画期的に変貌させるカーボンホイール

ドイツのティッセンクルップ(TKCC)のカーボンホイールは、すでに4年前、BMWのHP4レースに純正採用されています。

強度的に難があるとの不評を払拭すべく、1本のカーボン繊維をホイール形状に編み上げていくブレイディング製法によって造られ、さらにスポーク部とリム部では繊維の織り方を変え、リム部に柔軟性を持たせていることが大きな特徴です。

カーボンホイールは、軽量化は元より、このリム部の柔軟性が大きなメリットを生み出しています。アルミホイールにしても最近は3本スポークが成りを潜め、7本とか10本式が主流になっているのは、リム部の柔軟性を高めるためなのです。3本スポークだと120度に渡りリムを支えられず、その分、強度を高める必要があるというわけです。

カーボンファイバーは高強度で、柔軟性も持ち併せています。いや、繊維の方向によって剛性コントロールが可能と言ったほうが適当でしょうか。ともかく大きくしならせることができるうえに、壊れにくいのです。さらに振動減衰特性に優れ、しなっても、それがジワッと戻り、バネのように変形が続くこともありません。

さて、実際の走りですが、HP4レースはフレームもカーボン製のため、ホイールの効果だけを取り出して言及できません。でも、他モデル+他銘柄のカーボンホイールで試した経験からすると、その走りはもう別世界です。

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まず、路面の突起に対して吸収性が良く、乗り心地が格段に向上します。しかも、その吸収性は縦方向だけでなく、横方向に対しても発揮され、神経質な挙動を吸収し、それを収束させてしまうので、安定性が向上。ハンドリングが上質かつ安心感に満ちたものになります。

その車両が先天的に持っていた問題さえも、消し去ってしまうほどです。言ってみれば、タイヤは何倍もの仕事をしているかのようでもあります。

ハンドリングが軽快になることはもちろんですが、もしアルミやマグネシウムで重量がカーボン並みに軽くなったら、挙動が神経質になり、また接地感が損なわれるなどのネガも出るでしょうが、それが全くありません。破格の吸収性を発揮してくれるからです。

まだまだ高価ながら、多くの人に可能性を与えてくれていることは確かです。

ダイレクトドライブディスクはブレーキのコントロール性を向上

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アドバンテージのダイレクトドライブブレーキディスクはKTMのモト3ワークスマシンにも採用されていて、私は8年目に試乗しました。また、これまでも何度となく、そのディスクが装着されたアドバンテージのカスタムマシンに試乗、良さを知っているつもりです。

一般的なフローティングディスクでは、円筒形のピンを介してアウターとインナーローターが接合され、熱変形に伴う横歪を吸収し、ガチっとしたフィーリングを提供してくれます。ただ、アウターとインナーが点で接触することになり、回転方向に対してガタが出やすいという宿命があります。

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でも、このダイレクトドライブ式では、アウターから伸びるT型の突起がインナーと直接、面で接しているので、回転方向のガタが発生しなくなります。

そのため、フロントは初期の効きがスムーズなうえに、レバーを握り込むほどに効いてくれます。ブレーキトルクを点ではなく面で伝達するので、トルク伝達がスムーズに行われるのです。これからすると一般的なディスクでは、ブレーキング中のブレーキトルクに細かい唐突な変化があるかのようです。

また、リヤは少々ラフにペダルを踏んでも、簡単にロックしなくなった印象もあります。おかげで一般道路もストレスなく移動できます。こちらも私が違いをはっきり認識できるアイテムです。

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和歌山利宏

和歌山利宏 モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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