ジクサーでの「分割日本一周」(北海道一周編2)

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

前回:ジクサーでの「分割日本一周」(北海道一周編1)

▲函館港に上陸

4月11日6時20分、津軽海峡フェリーの「ブルーマーメイド」は函館港に到着。北海道に上陸だ。函館港から函館駅へ。相棒のジクサーを止め、函館朝市を歩く。「どんぶり屋」で「サーモン丼」を食べた。店のおばちゃんは「これはサービスよ」といって、ホタテとジャガイモのバター揚げを出してくれた。北海道に上陸すると、「サケ」を食べたくなる。サケは北海道遺産になっている。

▲函館の朝市を歩く

▲「どんぶり屋」の「サーモン丼」

函館駅前から反時計回りでの「北海道一周」を開始。抜けるような青空の下、ジクサーを走らせる。まずは津軽海峡の立待岬へ。津軽海峡越しに、正面に下北半島、右手には津軽半島を見る。つづいて異国情緒満点の元町をぐるりとまわり、ロシア正教のハリストス正教会を見た。

▲函館のシンボルの函館山

▲立待岬からの眺め。函館山が断崖となって海に落ちる

▲函館のロシア正教ハリストス正教会

函館を出発。海沿いの国道278号を行く。見所満載のルートだ。

汐首岬は「北海道~本州間」の最短地点。下北半島の大間崎までは17.5キロでしかない。汐首岬には未成線(戸井線)のアーチ橋が残っている。函館と戸井町(現函館市)の戸井駅を結ぶ計画だった。

▲汐首岬に残る未成線のアーチ橋

国道278号を行くと、やがて恵山(618m)が見えてくる。火山の恵山は噴煙を上げつづけている。その先端が恵山岬。椴法華(とどほっけ)では昆布を干していた。国道278号は「昆布ロード」。あちこちで昆布干しを見る

▲うっすらと噴煙を上げる恵山

▲椴法華の昆布干し

▲椴法華漁港

恵山が海に落ち込んだところが恵山岬。岬突端の台地上には高さ19メートルの白い灯台が立っている。恵山岬の海岸には水無海浜温泉の混浴露天風呂がある。水着着用可の無料湯。誰もいない露天風呂の湯につかり、太平洋の大海原を眺めるのだった。

▲恵山岬の灯台と電波塔

▲水無海浜温泉の混浴露天風呂

国道278号沿いの道の駅「縄文ロマン南かやべ」には、「函館市縄文文化交流センター」がある。ここには「中空土偶」が展示されているが、貴重な縄文遺跡の出土品で、「中空土偶」は北海道で唯一の国宝になっている。

▲「函館市縄文文化交流センター」の「中空土偶」

鹿部温泉では間歇泉を見る。100度の源泉が12~13分間隔で、15メートルの高さまで吹き上がる。道の駅「しかべ間歇泉公園」には温泉蒸し釜があるが、ここでは買った食材を天然の蒸し釜で調理し、熱々の食事が食べられる。
「温泉めぐり日本一周」(2006年~2007年)で入った鹿部温泉の日帰り湯「亀乃湯」は残念ながら廃業湯。思い出の温泉がこうして消えていくのは寂しいものだ

▲鹿部温泉の間歇泉

▲鹿部温泉の温泉蒸し釜

▲鹿部温泉の名物は「たらこ」

森で国道5号に合流。その頃から天気が崩れ、冷たい雨が降り出した。八雲を過ぎると雪になった。北海道の春はまだ冬同然。ヘルメットのシールドにこびりついた雪を払いのけながら走った。

長万部に到着したのはまだ15時だったが、「もうダメだ」とそれ以上、走るのを断念し、長万部温泉へ。以前、泊まったことのある「丸金温泉」に飛び込みで行くと、優しい女将さんは「いいですよ。どうぞどうぞ」といって泊めてくれた。「丸金旅館」の大浴場と露天風呂の湯につかり、生き返ったカソリ。
湯上りのビールがうまかった。女将さんはしっかりとした夕食も用意してくれた。刺身の盛り合わせ、ホタテのグラタン、豚の角煮、ローストビーフ、それと海鮮鍋だ。揚げたての天ぷらも出た。
「丸金旅館の女将さん、ありがとう!」

▲長万部温泉の「丸金旅館」

▲長万部温泉「丸金旅館」の湯につかる!

▲長万部温泉「丸金旅館」の夕食

翌日は朝湯に入り、朝食を食べて出発。うれしい快晴。前日の雪は消えている。これが春の雪。

▲長万部駅前を出発

長万部では国道5号と国道37号に分岐するが、国道37号で室蘭へ。伊達市に入ったところには、「蝦夷三官寺」のひとつ、北海道遺産の有珠善光寺がある。北海道に国立の寺があったことを初めて知った。北海道遺産めぐりは、いままで知らなかった北海道を教えてくれる。

▲内浦湾(噴火湾)の海岸線を一望

▲有珠山を見る

▲有珠山に向かって突っ走れ!

室蘭からは国道36号で苫小牧へ。苫小牧からは国道135号で日高に入っていく。

▲「北黄金貝塚公園」の資料館の展示

▲ポロト湖畔の「ウポポイ」(国立アイヌ民族博物館)

▲苫小牧の「ぷらっとみなと市場」の「ホッキ丼」

むかわ町では穂別に寄り道。驚いたことに町中、恐竜だらけ。「むかわ町穂別博物館」には日本最大の恐竜「むかわ竜」が展示されている。ここも北海道遺産だ。

▲「恐竜の町」穂別

▲「むかわ町穂別博物館」の「むかわ竜」

穂別から国道135号に戻ると、道の駅「サラブレッドロード新冠」でジクサーを止めた。「さらばハイセイコー」の歌にもなった名馬「ハイセイコー」の像が建っている。歴代の新冠産名馬の「優駿の碑」がズラリと並んでいる。「北海道の馬文化」も北海道遺産。新冠は日本のサラブレッドの一大生産地になっている。

▲道の駅「サラブレッドロード新冠」の「ハイセイコー像」

新冠を後にすると、日高の海に落ちていく真っ赤な夕日を見ながら走り、日高昆布の町、三石に入っていく。三石のみついし昆布温泉「歳三」に泊まった。夕食には「サーモンの漬丼」を食べた。イクラがのっている。「サーモンの漬丼」を食べながら、あらためて「北海道はサケだ!」と思うのだった。

▲三石の海に落ちる夕日

▲みついし昆布温泉「歳三」に飛び込みで泊まる

▲みついし昆布温泉「歳三」の「サーモンの漬丼」

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賀曽利隆

賀曽利隆 冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、北アメリカ、南アメリカと、バイクで世界の6大陸を駆けめぐる。
1975年の結婚後も旅をつづけ、赤ん坊連れでの「シベリア横断→サハラ砂漠縦断」を成しとげる。
1980年、鈴木忠男さん、風間深志さんとバイクでキリマンジャロ挑戦。1982年には風間深志さんと「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦を果たす。
1987年~1988年には「サハラ砂漠往復縦断」を成しとげる。
「30年代編日本一周」以降、10年ごとの「年代編日本一周」を繰り返し、2018年12月31日には1年4ヵ月に及ぶ「70代編日本一周」を終えた。
「年代編日本一周」とは別に、「島めぐり日本一周」、「温泉めぐり日本一周」、「林道日本一周」の「テーマ編日本一周」もおこなっている。2006年~2007年の「温泉めぐり日本一周」では1年間で3,063湯の温泉(温泉地)に入り、ギネスの世界記録に認定されている。『ツーリングマップル』の「東北」担当で、東北の道という道を精力的に走りまわっている。モットーは「生涯旅人!」

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