「フォルツァ750」が欧州で発表!新時代のGTスクーターの素顔とは…

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

前段としてのインテグラ、そしてX-ADVへ

欧州で2021モデルとしてForza750(フォルツァ750)が正式発表された。

フォルツァと言えば、日本では250ccクラスを代表する人気のスポーツスクーターだが、その750cc版を名乗る新型モデルはX-ADVをベースに開発された“GTスクーター”として位置付けられているようだ。

▲INTEGRA

フォルツァ750を見たときに、ふと思い出したのが2012年に登場した「INTEGRA」(インテグラ)だ。
NC700シリーズに採用された水冷並列2気筒OHC4バルブ669ccエンジンに有段式オートマであるDCTを組み合わせたスクータールックの大型バイクで、モーターサイクルの爽快感や機動性、タンデムも含めたコミューターとしての利便性を高次元で両立する異色の存在として注目を集めた。
後にNC750シリーズ同様745ccに排気量を拡大するなどアップグレードされたが、残念ながら2015年に国内仕様は生産終了となっている。

▲X-ADV

そのインテグラをベースに「休日は日常を離れて冒険に出かけよう!」とアドベンチャースピリットを盛り込んで新たに登場したのが「X-ADV」だ。
アフリカツインとインテグラを足して2で割ったような独特のスタイルを得てDCTも専用セッティングとなり、足まわりにも倒立フォークや新設計アルミスイングアームを採用し、フロントブレーキをダブルディスクに強化。
灯火類もフルLED化されスマートキーシステムが採用されるなど、斬新なデザインとともに装備面も進化していた。

X-ADVをベースにさらに賢く走りも強化

さて、話を戻してフォルツァ750だが、欧州で公開されている画像をX-ADVと見比べると車体の構造はほぼ共通であることが分かる。特にサスペンションやスイングアーム、前後ブレーキやマフラー形状などもそっくり。
スペック的にもホイールベース(1580mm)やキャスター角(27度)、シート高(790mm)や前後タイヤサイズ(F:120/70-17 R:160/60-15)なども共通となっている。

エンジンも基本的にはX-ADVと共通レイアウトの水冷並列2気筒SOHC4バルブ745ccとなっているが、注目すべきは動力性能。公表値は最高出力43.1kW/6,750rpm、最大トルク69Nm/4,750rpmとなっていて、同じ欧州仕様X-ADVの40.3kW/6,250rpm、68Nm/4,750rpmを上回っている。
簡単に言うと、やや高回転型になり馬力換算で4ps程度上乗せの59ps程度にパワーアップしたことになる。数値ばかりで恐縮だが、ちなみに国内仕様の現行X-ADVもほぼ欧州仕様と同じスペックである。ということは、いずれフォルツァ750が国内投入された場合はX-ADVを超える力強い走りも期待できそうだ。

細かい部分では、フォルツァ750にはスロットル・バイ・ワイヤが採用され、デフォルトで3つのライディングモードとトラコンを装備。さらにスマートキーに5インチTFTディスプレイとスマホ連動の音声入力システム、フルLED灯火類にエマージェンシー・ストップランプを備えるなど電子デバイス系も最新に。
加えて、満タンで370kmを走破できる13.2L容量フューエルタンクや22Lのシート下ラゲッジスペース(X-ADVは21L)を確保するなど旅の性能も高められている。

公道における「オール・イン・ワン」バイクかも

要するにフォルツァ750はビジネス、レジャーを問わず幅広い使い方ができる便利で快適なコミューターであり、高速ツーリングもこなせるスポーツバイクとしての資質を併せ持った存在ということだろう。まさに公道におけるオール・イン・ワン・バイクである。その意味ではインテグラの正常進化モデルと言っていいかもしれない。
新しい日常へと世界が大きく変わりつつある今、ユーザーがどう反応するのか楽しみである。

ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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