Vストローム250と巡る東北一周2020(5)

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【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

「東北一周」の第6日目。午前4時30分、能代郊外の船沢温泉を出発。相棒のVストローム250を走らせ、能代から国道7号→国道101号で男鹿半島に入っていく。

▲船沢温泉を出発

天下の奇祭「なまはげ」で知られる男鹿半島は東西28キロ、南北20キロ。「男鹿島」ともいわれるが、大昔は島だった。それが秋田県の二大河川の米代川と雄物川の運ぶ土砂によってつくられた砂丘で陸続きになった。北の米代川がつくり出した能代砂丘と南の雄物川のつくり出した天王砂丘だ。

男鹿半島最北端の入道崎に到着。ここは秋田県内でも有数の観光地。広い駐車場をとり囲むようにして何軒もの食堂や土産物屋が並んでいる。岬先端の園地には白黒2色の灯台。北緯40度線上の岬なので、そのモニュメントも建っている。

▲男鹿半島最北端の入道崎

▲男鹿半島のなまはげ

入道崎から男鹿半島の西海岸を南下。リアス式海岸の断崖上を走る。潮瀬崎では名物岩の「ゴジラ岩」を見る。日本海に向かって吠えているように見える。鵜ノ崎の鵜ノ崎海岸はちょっと不思議な海の風景だ。男鹿市の中心、男鹿の町に入ると、新しくなったJR男鹿線の終着、男鹿駅を見た。

▲男鹿半島の潮瀬崎。ゴジラ岩が見える

▲男鹿半島の鵜ノ崎海岸

男鹿からは国道101号→国道7号で秋田へ。出羽国の「国府めぐり」を開始する。

東北は旧国でいうと、太平洋側の陸奥と日本海側の出羽の2国に分かれるが、奥羽山脈がその境になっている。「奥羽」は陸奥と出羽の合成語。秋田市内の護国神社に隣接する秋田城跡が出羽の国府跡だ。築地塀に囲まれた国府跡には、国庁(今でいえば県庁)の一部が復元されている。ここには「秋田城跡歴史資料館」もある。
つづいて雄物川の河口近くにある総社神社に行った。総社は国府には欠かせない。

▲秋田の秋田城跡。ここは出羽の国府跡

▲秋田城跡の模型。築地塀に囲まれて政庁がある

▲秋田の大河、雄物川を渡る

秋田から国道7号で県境を越え、山形県に入ると、出羽の一宮の大物忌神社を参拝する。酒田郊外の城輪(きのわ)柵跡へ。ここも出羽の国府跡になる。秋田の国府が酒田に移った。このように国府は時代とともに移っている。国庁が復元された城輪柵跡というのは、日本海東北道の終点、酒田みなとICのすぐ近くにある。
今までに何度となく酒田みなとICを使ってきたが、まったく気がつかなかった。国府めぐりをすると、「新たな日本が見えてくる!」と、感動するカソリだった。

▲秋田・山形県境の三崎

▲出羽の一宮、大物忌神社を参拝

▲城輪柵跡。ここは出羽の国府跡

出羽の「国府めぐり」の最後は山形だ。鶴岡から国道112号で山形へ。馬見ヶ崎川の河畔に出羽国分寺跡がある。そこには薬師堂が建っている。これにて、出羽の「国府めぐり」は終了だ。

▲山形に到着

▲山形の薬師堂。ここは出羽の国分寺跡

山形から国道13号で米沢へ。米沢からは国道121号で大峠を越えて福島県に入った。国道121号沿いの喜多方ラーメンの店「大善」で「味噌チャーシューメン」を食べ、会津若松駅前の「東横イン」に泊った。

▲国道121号の大峠

▲喜多方の「大善」で喜多方ラーメンを食べる

▲今晩の宿、会津若松の「東横イン」に到着

「東北一周」の第7日目。午前4時30分、会津若松駅前の「東横イン」を出発。国道121号で南会津町の中心、田島へ。
5時45分、田島に到着。会津鉄道の会津田島駅前でVストローム250を止めた。田島からは「県境めぐり」をするのだ。こうして何か、テーマを決めてまわるのはおもしろいものだ。

▲会津若松の鶴ヶ城を見る

▲会津鉄道の会津田島駅前に到着

田島を出発。国道289号で駒止峠を越えて南郷へ。田島は晴れていたが、南郷は雨が降っている。峠を境にして天気が変わった。南郷からは国道401号→352号で檜枝岐を通り、只見川の源流にかかる金泉橋へ。ここが福島・新潟の県境。金泉橋で折り返す。

▲国道289号の駒止峠

▲国道352号で新潟県境へ

▲国道352号の福島・新潟県境の金泉橋

国道352号で中山峠を越え、国道121号に合流すると、福島・栃木県境の山王峠へ。県境のトンネルを抜け出たところで折り返したが、山王峠は国道121号、国道352号、国道400号と3本の国道が重複している。

▲国道121号の福島・栃木県境の山王峠

山王峠から国道121号で田島へ。11時15分、田島に戻ってきた。「県境めぐり」の第1弾目、「田島→田島」は199キロだった。

会津鉄道の会津田島駅前を出発。国道121号→国道289号で甲子峠を越えて白河へ。12時、白河に到着。趣のあるJR白河駅前でVストローム250を止めた。ここから「県境めぐり」の第2弾目を開始。国道4号で福島・栃木県境の栃福橋まで行って折り返した。

▲国道289号の甲子峠

▲JR白河駅前を出発

▲国道4号の福島・栃木県境の栃福橋

つづいて奥州街道(国道294号)の福島・栃木県境の明神峠、東山道の福島・栃木県境の明神峠とまわり、白河ラーメンの店「八十八」で「白河ラーメン」を食べ、14時にJR白河駅前に戻ってきた。「県境めぐり」第2弾目の「白河→白河」は41キロだった。

▲国道294号の福島・栃木県境の明神峠

▲白河関跡

▲県道76号の福島・栃木県境の明神峠

▲白河の「八十八」で白河ラーメンを食べる

白河から矢祭へ。その間では陸奥の「一宮めぐり」をする。

白河から県道11号で石川へ。石川では石都々古和気(いしつつこわけ)神社を参拝。石川から国道118号で棚倉へ。棚倉では馬場都都古和気(ばばつつこわけ)神社と八槻都都古別(やつきつつこわけ)神社を参拝する。石川と棚倉のこれらの3社は陸奥の一宮になる。

▲白河から県道11号で石川へ

▲石川の石都々古和気神社

▲棚倉の馬場都都古和気神社

▲棚倉の八槻都都古別神社

棚倉から国道118号で塙を通り、矢祭の町に入っていく。矢祭から「県境めぐり」の第3弾目を開始する。まずは国道118号で久慈川沿いに走り、福島・茨城県境で折り返す。次に国道349号で福島・茨城県境の明神峠まで行って折り返した。この国道349号の明神峠のすぐ近くが東北最南端の地になる。「県境めぐり」の第3弾目、「矢祭→矢祭」は32キロだった。

▲矢祭の町に入っていく

▲国道118号の福島・茨城県境

▲国道349号の福島・茨城県境の明神峠

矢祭から国道349号→国道289号で太平洋岸の勿来(いわき市)へ。東北太平洋岸最南端の鵜ノ子岬でVストローム250を止めた。名残おしい東北との別れ。最後は国道6号で福島・茨城の県境を越えた。

▲東北太平洋岸最南端の鵜ノ子岬

▲国道6号で福島・茨城県境を越える

北茨城ICで常磐道に入ると、圏央道経由で新東名の伊勢原大山ICへ。我が家に近い伊勢原大山ICに到着したのは23時30分。これにて「東北一周2020」、終了。全行程3267キロの「東北一周」だった。

▲新東名の伊勢原大山ICに到着

賀曽利隆

賀曽利隆 冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、北アメリカ、南アメリカと、バイクで世界の6大陸を駆けめぐる。
1975年の結婚後も旅をつづけ、赤ん坊連れでの「シベリア横断→サハラ砂漠縦断」を成しとげる。
1980年、鈴木忠男さん、風間深志さんとバイクでキリマンジャロ挑戦。1982年には風間深志さんと「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦を果たす。
1987年~1988年には「サハラ砂漠往復縦断」を成しとげる。
「30年代編日本一周」以降、10年ごとの「年代編日本一周」を繰り返し、2018年12月31日には1年4ヵ月に及ぶ「70代編日本一周」を終えた。
「年代編日本一周」とは別に、「島めぐり日本一周」、「温泉めぐり日本一周」、「林道日本一周」の「テーマ編日本一周」もおこなっている。2006年~2007年の「温泉めぐり日本一周」では1年間で3,063湯の温泉(温泉地)に入り、ギネスの世界記録に認定されている。『ツーリングマップル』の「東北」担当で、東北の道という道を精力的に走りまわっている。モットーは「生涯旅人!」

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