Vストローム250と巡る東北一周2020(2)

前回:Vストローム250と巡る東北一周2020(1)

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

「東北一周」の第3日目。午前4時30分、大船渡の「ルートイン」を出発。朝食抜きの出発なので、「あー、もったいないな」と思ってしまう。ぼくは日本各地の「ルートイン」に泊まっているが、朝食を食べずに出発することが多い。「ルートイン」の宿泊費には1000円相当の朝食代が含まれているので、朝食抜きの宿泊料金をぜひとも設定してもらいたいものだ。

▲大船渡の「ルートイン」を出発

▲大船渡の中心街。復興にはまだほど遠い光景

▲大船渡のJR盛駅

大船渡の中心街を走り抜け、JR大船渡線の終着駅、盛駅前でVストローム250を止める。東日本大震災以降、気仙沼までの大船渡線はBRT(バス高速輸送システム)になったので、線路は舗装路になり、赤いバスが走っている。JR盛駅の隣は三陸鉄道の盛駅。三陸鉄道はここに始まる。

こちらは三陸鉄道の盛駅

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盛駅前からはいったん国道45号に出て、県道9号を行く。大船渡湾岸の巨大防潮堤はほぼ完成している。綾里に着くと、綾里漁港を見たあと、三陸鉄道の綾里駅前へ。そこには次のように書かれた「てんでんこ」の碑が立っている。

「想起せよ、東日本大震災の惨事を。大地震があったら必ず津波が襲来すると思へ。一刻も早く高台に避難せよ。逃げたら絶対にもどるな。自分の命は自分で守れ。津波てんでんこの教えを忘れるな」

▲大船渡湾岸の完成した巨大防潮堤

▲三陸鉄道の綾里駅

綾里から県道9号の恋し浜トンネルを抜けると、綾里湾から越喜来湾と海が変わる。越喜来に着くと、三陸鉄道の三陸駅前でVストローム250を止めた。「越喜来」は難解地名だが、「おきらい」と読む。

▲三陸鉄道の三陸駅

越喜来からは国道45号で羅生峠、鍬台峠と峠を越える。そのうちの鍬台峠が大船渡市と釜石市の境になっている。国道45号は交通量が激減し、ガラガラ状態だ。岩手県内の三陸道は国道45号に並行して北へ、北へと延びている。全線が無料供用中なので、大半の車は三陸道に入る。そのせいで国道45号の交通量は激減した。
そんなガラガラの国道45号なので、我が道を行くという気分で、バイクと一体になっての羅生峠、鍬台峠の峠越えを楽しめる。

▲国道45号の羅生峠

▲交通量激減の国道45を行く

▲三陸道の釜石唐丹IC

7時、釜石に到着。釜石駅前から釜石の中心街を走り、釜石港へ。漁港は整備され、新しい魚市場が完成している。釜石道が完成してからというもの、釜石港の重要度は高まり、釜石港には大型船が停泊していた。

▲釜石駅前に到着

釜石から大槌へ。大槌の復興は進み、新しい町並みが姿を見せ始めている。震災遺構として残すのか、それとも残さないのかで散々もめた旧大槌町役場は解体され、旧町役場跡は草原になっていた。

▲旧大槌町役場跡

大槌の「ヤマザキ」で朝食を食べ、山田へ。山田では三陸鉄道の陸中山田駅近くに、うみねこ温泉「湯ラックス」ができていた。入浴時間は13時~21時だが、宿泊可なので、今度は泊まろう!

▲三陸鉄道陸中山田駅近のうみねこ温泉「湯らっくす」

山田から県道41号で重茂(おもえ)半島へ。曲がりくねった狭路を行く。山田町から宮古市に入ると少しは走りやすくなった。山田から26キロ、姉吉漁港に到着。ここが本州最東端トドヶ崎の入口だ。Vストローム250を駐車場に止め、山道を歩き始める。
昨年の台風19号の影響で何ヵ所かで崩落しているが、岬の突端までは問題なく歩けた。トドヶ崎では高さ34メートルの東北一のノッポ灯台、岩場の上に建つ「本州最東端の碑」を見た。沖合を白いフェリーが通り過ぎていく。

▲重茂半島の姉吉漁港。ここから本州最東端のトドヶ崎へ

▲トドヶ崎への山道の一部区間は昨年の台風19号で崩落

▲トドヶ崎の灯台に到達。ここには休憩用の東屋がある

▲トドヶ崎の「本州最東端の碑」

▲重茂半島一周の県道41号はずいぶんと走りやすくなった!

宮古に着くと、宮古漁港の道の駅「みやこ」で昼食。「カツオのたたき丼」を食べた。ショウガ醤油で食べるカツオは美味だった。宮古から国道45号を北上。田老では震災遺構の「たろう観光ホテル」を見る。

▲道の駅「みやこ」の「カツオのたたき丼」

▲田老の震災遺構「たろう観光ホテル」

田老を過ぎたところで、Vストローム250は13万キロを達成。2017年9月1日、「70代編日本一周」に出発して以来、2年10ヵ月で達成した13万キロ。目指すは20万キロだ。頑張れ、Vストローム250よ!

野田村では道の駅「のだ」で「野田塩ソフト」を食べた。ここではトライアンフのロードスターで「日本一周」中の木村俊佑さんに出会った。売店の「ホタテ飯」を一緒に食べながら、木村さんの「日本一周」の話を聞いた。野田から久慈へ。久慈に着くと久慈駅前でVストローム250を止めた。久慈駅は三陸鉄道の終点だ。

▲三陸鉄道の久慈駅

久慈から国道45号で青森県に入り、八戸に到着。八戸では「是川縄文館」を見学し、櫛引八幡宮を参拝した。是川縄文館には国宝の「合掌土偶」、櫛引八幡宮の宝物館には国宝の甲冑が展示されている。八戸駅近くの「とんとん」で夕食。ぶ厚いチャーシューが2枚のったラーメンを食べた。泊りは八戸駅前の「東横イン」。

▲八戸の「是川縄文館」

▲八戸の櫛引八幡宮を参拝

▲八戸の「とんとん」の「ラーメン」

▲八戸駅前に到着

「東北一周」の第4日目。この日も4時30分に出発。八戸から国道45号→国道338号で下北半島に入っていく。三沢漁港と淋代海岸に立ち寄り、六ケ所村の「ファミリーマート」で朝食を食べ、下北半島北東端の尻屋崎へ。八戸から123キロを走って、尻屋崎に到着したのは7時30分。前日の大船渡の「ルートイン」を朝食を食べないで出発したといったが、この日も、八戸の「東横イン」の朝食を食べないで出発。そのおかげで、ホテルで朝食を食べている時間には、はるか遠くの尻屋崎に着いているのだ。

▲尻屋崎の灯台

尻屋崎入口のゲートをくぐると、放牧馬の寒立馬のお出迎え。岬突端の灯台前でVストローム250の写真を撮ると、海岸線を走り、もう一方のゲートをくぐり抜け、尻屋漁港、尻屋の集落と見てまわり、尻屋崎を一周した。

尻屋崎からは県道6号→県道266号→国道279号で本州最北端の大間崎へ。岬の先端から津軽海峡を眺めた。目の前のクキド瀬戸を隔てて600メートルほど沖に浮かぶ弁天島には、白黒2色の大間埼灯台が見える。その向こうの水平線上には、北海道の山並みがクッキリと見えている。

▲本州最北端の大間崎に到達!

大間から国道338号で下北半島を南下。佐井村に入ると、佐井の「津軽海峡文化館アルサス」で八幡宮の祭りの華やかな山車を見る。福浦の集落では「ぬいどう食堂」で「ウニ丼」を食べるつもりにしていたが、残念ながら休業中。陸奥湾岸の脇野沢まで行ったところで、むつ湾フェリー乗り場の「ドーム」で「アワビ丼」を食べた。アワビのコリコリシコシコした食感がたまらない。

▲佐井の「津軽海峡文化館アルサス」の山車

▲脇野沢の「ドーム」の「アワビ丼」

脇野沢から下北半島南西端の北海岬へ。九艘泊漁港の先で断崖が海に落ちる北海岬。ここで道は尽きる。尻屋崎、大間崎、北海岬の下北半島の岬めぐりは心に残った。

▲下北半島南西端の北海岬。道ここに尽きる!

波静かな陸奥湾沿いの道を走りむつ市へ。むつ市の大湊は旧日本海軍の軍港。今は海上自衛隊の基地になっている。JR大湊駅はJR大湊線の終着駅。駅前ホテルの「フォルクローロ大湊」には今度、泊まってみたい。ぼくは駅前旅館とか駅前ホテルが好きなのだ。

むつ市の田名部からは県道4号で恐山へ。外輪山の峠を越え、カルデラ内の火口原湖、宇曽利山湖を見る。菩提寺を参拝し、恐山の地獄を歩いた。
そのあと境内の男湯の「薬師の湯」に入った。恐山には女湯、混浴湯の湯屋もある。恐山の入山料を払えば、温泉には無料で入れる。ヒバの湯屋、ヒバの洗い場、ヒバの湯船、上質な硫黄泉と、恐山温泉は東北を代表する名湯だ。

▲恐山の宇曽利山湖

▲恐山の「薬師の湯」

恐山から田名部に戻ると、国道279号で野辺地へ。野辺地港の常夜燈と復元された千石船を見たあと、「ファミリー食堂」で刺身と貝焼きの「ホタテ定食」を食べた。野辺地のホタテは最高のうまさ。野辺地に来ると、ホタテを食べたくなる。

▲野辺地の常夜燈

▲野辺地の千石船

▲野辺地の「ファミリー食堂」の「ホタテ定食」

野辺地からは国道4号で青森へ。20時30分、大船渡から773キロを走って青森駅前に到着。青森駅前の「東横イン」に泊った。

▲青森に到着!

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賀曽利隆

賀曽利隆 冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、北アメリカ、南アメリカと、バイクで世界の6大陸を駆けめぐる。
1975年の結婚後も旅をつづけ、赤ん坊連れでの「シベリア横断→サハラ砂漠縦断」を成しとげる。
1980年、鈴木忠男さん、風間深志さんとバイクでキリマンジャロ挑戦。1982年には風間深志さんと「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦を果たす。
1987年~1988年には「サハラ砂漠往復縦断」を成しとげる。
「30年代編日本一周」以降、10年ごとの「年代編日本一周」を繰り返し、2018年12月31日には1年4ヵ月に及ぶ「70代編日本一周」を終えた。
「年代編日本一周」とは別に、「島めぐり日本一周」、「温泉めぐり日本一周」、「林道日本一周」の「テーマ編日本一周」もおこなっている。2006年~2007年の「温泉めぐり日本一周」では1年間で3,063湯の温泉(温泉地)に入り、ギネスの世界記録に認定されている。『ツーリングマップル』の「東北」担当で、東北の道という道を精力的に走りまわっている。モットーは「生涯旅人!」

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