驚異の全方位進化!METZELER「スポルテックM9RR」

2020-05-01_bm_metzetler01-680x453.jpg▲ テスト車はMT-09 今回のテストで使用したMT-09は、タイヤによる乗り味の変化がわかりやすい車両。ちなみに、メッツラーがM9RRの広告に使っているのはBMW S1000RR

【ビッグマシン・ゼロ:文-中村友彦 写真-山内潤也】

レーステックに迫るグリップ力と運動性能に加えて、ロードテックに通じるフレンドリーさと万能性を獲得。スポルテックシリーズの最新作は、全方位的な進化を実現しているのだ。

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グリップと運動性に加えて環境適応能力も大幅に向上

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近年のメッツラーのオンロードラジアルタイヤは、サーキットを念頭に置いてグリップ力を徹底追及したレーステック、一般公道に的を絞ったツーリング指向のロードテック、レースとロードの中間的な資質を備えるスポルテック、という3種で構成されている。今春から発売が始まるM9RRはスポルテックの最新作で、先代M7RRとの性能比較チャート、そして先代M7RRより溝面積が減ったトレッドパターンから推察すると、レーステック寄りのキャラクターになったと思えるものの、必ずしもそうではなかった。
誤解を恐れずに言うならM9RRは、レーステックに通じるグリップ力と運動性能を獲得しながら、ロードテックを思わせる親しみやすさと守備範囲を身に付けていたのだ。それを理解してから性能比較チャートを見直すと、その事実が表現されているのだが、スポルテックシリーズの最新作は、全方位的な進化を実現していたのである。

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従来型と同時比較テスト

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▲従来型のSPORTEC M7RR
2台のMT-09を準備して行った、M7RRとM9RRの比較試乗で、僕が最も感心したのはすべての挙動に付随する優しさ、接地感のわかりやすさだった。例えばブレーキング時やコーナーの進入&脱出時、M7RRから乗り手に伝わって来る情報は、0の次は1→2→3……という印象なのだが、M9RRは0の次に0.1→0.2→0.3……があるので、乗り手は緻密な情報を頼りにしながら、自信を持って、思い切ったアクションが出来る。もっとも、その情報があまりに緻密なため、人によってはM7RRのほうがハンドリングは軽快? と感じるかもしれないが、実際の車体の動きはM9RRのほうが軽快で忠実だと思う。

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▲先代M7RRとの性能比較チャート 全性能でM7RRを凌駕するM9RRだが、個人的にはSoftHandling Pleasureにも120を付けたいところ。Mileageは単に寿命を延ばしただけではなく、磨耗が進んだ際の性能維持という面でも進化を遂げているという。

それに続いてM9RRで感心したのは、抜群のグリップ力と剛性感を備えながらも、路面の凹凸を通過した際の車体姿勢の乱れが少なく、ウェット路面でも接地感があまり希薄にならないこと。このあたりは、あっちを立てればこっちを立たず的なところがあるはずなのに、M9RRはハードブレーキやフルバンク時に抜群の安定&安心感が得られる一方で、環境変化にすこぶる強い。M7RRにもそういう資質は感じられたけれど、M9RRはすべての要素に磨きをかけているのである。

なおグリップ力に関する補足をすると、M7RRは乗り手が積極的に引き出すことが前提の特性で、ライディング中の手応えの変化を数字で示すなら、通常時は5、積極的な荷重をかけた時は10という印象だった。対するM9RRは、通常時が8で、積極的な荷重時は12。つまりM9RRは、絶対的なグリップ力を高めながら、積極的な荷重がかけられない状況であっても、不安や難しさを感じないタイヤなのだ。

注目!最新電制と相性バツグン!

そしてもうひとつ、電子制御との相性のよさも、M9RRで感心した要素だ。試乗中にそれに気付いた僕が、まったく同じルートをM7RRとM9RRで走ってみたところ、M7RRのABSが、ライディングの楽しさを阻害するほど頻繁に介入するのに対して、M9RRのABSの介入はごくわずかで、介入の仕方も滑らか。また、トラコン作動時の挙動も、M9RRのほうが自然だった。おそらくこの感触なら、さらに高度な電子制御にも、M9RRは柔軟に対応するに違いない。

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▲近年のメッツラー/ピレリのタイヤは、ABSやトラコン、ウイリー制御、セミアクティブサスなど、最新電子制御との相性を重視して開発されている。各機能が真価を存分に発揮できるうえ、乗り手が違和感を持たない自然な作動感にも配慮。

M7RRのコンセプトが「Wetroads,dry roads,just ride it」だったのに対して、M9RRは「RIDE THE UNEXPECTED」。ライディングが楽しめる条件が、〝雨もドライも〟から、〝予期せぬ状況〟に変わったわけだ。確かにM9RRは、そのコンセプトが納得できる特性を備えていたのである。

トレッドパターンもさらに進化

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▲M9RR [POINT](1)スリック上のショルダー(2)中央帯もスリック状に(3)ミドルエリアの溝

M9RRはM7RRと比較するとスリックエリアが増え、溝面積が減った。とはいえ、ミドルエリアに配される、レーステックの技術を転用したクロウタイプの溝は、速度の上昇と共に排水性が高まるため、ウェット性能はむしろ向上している。なおクロウタイプの溝は、偏磨耗の抑制にも貢献。

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▲MR77

Fをデュアル化しRはフルシリカに

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F:シングル/R:デュアルコンパウンドのM7RRに対し、M9RRは前後ともデュアルとし、センターコンパウンドがショルダーの下層に潜り込むキャップ&ベース構造も採用。耐久性とウォームアップ&ウェット性能を高めるため、リヤ中央のコンパウンドはフルシリカに。

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METZELER : SPORTEC M9 RR 商品ページ

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