新型「MT-25/03」の狙いと走りとは!? 7つのポイントから解き明かしてみた

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

ヤマハのスモールクラスを代表するスポーツネイキッド、「MT-03 ABS」と「MT-25 ABS」がマイナーチェンジし3月末から発売される。新型となった2020年モデルは、次世代のMTシリーズを感じさせるスタイリングと所有感を満たす新装備を盛り込んで存在感を高めたという。どこがどう変わったのか。その意図を読みといた上で、走りの性能についても予測してみたい。

最大の注目は新型R25由来の倒立フォークだ

新たな特長として挙げられた以下7つのポイントについて、ひとつひとつ考察していこう。

1)先進性あふれる精悍なフロントフェイス

これに関しては他のMTシリーズとのイメージの共通化を図ったと思われる。従来の異形単灯からツリ目2灯に変わったヘッドライトは最たるものだ。しかもLED化されて最新感が漂う。特にこのクラスは若者ユーザーが多く、その世代の感性に響くデザインとも言える。

2)ビッグマシンイメージを彷彿させる燃料タンクカバー

これはビッグマシンがまさにキーワード。生産国のインドネシアを含むASEAN地域ではまだ、大きく見えて押し出しが効くバイクのほうが人気が高い。運動性能=軽量コンパクトが良い、という概念はすでに大型モデルが普及した先進国の価値観だ。

3)マスフォワードを印象づけるフロント周りの“塊”感

これも一貫してMTシリーズが追求してきたコンセプトをさらに強調したものと思われる。MT=マスター・オブ・トルクのビジュアル表現だ。前寄りの重心設定は実際にスポーティなハンドリングにも貢献する。

4)市街地での機敏な走りを支える倒立式フロントサスペンション

今回のモデルチェンジにおいて走りの性能に最も影響を与える部分がココ。2019にマイチェンした新型R25/R3で倒立フォークが初採用されたが、その理由を当時ヤマハの開発者に尋ねたところ、「コーナーアプローチにおける安定性と進入速度の向上」との回答をいただいた。つまり、よりハードなブレーキングができて、高い速度をキープしたままコーナーに飛び込んでいけるということだ。

その後、新型R25にサーキットでも試乗したが、実際のところ、その部分が際立っていた。きっとMT-25/03にも同様の進化が見られるだろう。

5)市街地で乗りやすいアップライトなハンドルポジション

新型R25/R3はハンドル位置を従来モデルより22mmほど下げて前傾度を強めて、よりスポーティなライポジになった。結果としてフロント荷重を自然にかけやすくなり初期旋回力も向上したわけだが、一方で楽はできなくなった。

その点、MTシリーズは街乗りやツーリングがメインな訳だから、思い切ってライポジも差別化しようということではないか。上体が起きたアップライトな姿勢のほうが当然街乗りも楽だし取りまわしもしやすい。高速走行などで低く構えたければ腕を畳んで伏せればいいだけだ。

6)充実したメーターとハンドル周りの電装系

新型R25/R3と同様のフル液晶タイプになって文句なくカッコいい。これに尽きる。

7)市街地からワインディングまで幅広く対応する新タイヤなど

今回からMT-03用として新たにラジアルタイヤがOE採用されたのだが、考えてみれば従来からR25のバイアスに対してR3はラジアルだった。MT-25の35psに対しMT-03は42ps。パワーにして7psの差があればそれも納得だろう。従来モデルより走りのパフォーマンスも向上していることを考えれば、バイクに合わせてタイヤも強化されれば言うことはない。

というわけで、馬力などのスペックは従来モデルからほぼ変わっていないが、新型では痒いところに手が届く絶妙な改良を加えてきたと思う。まさに正常進化と言えよう。

【関連ニュース】
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ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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