正常進化形の新タイヤBT46に温故知新を思う

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

絶版車の走りを支えてきた従来型BT45

ブリヂストンから新しくBT46が登場しました。そこで、ここではまず、その従来型となるBT45に触れなくてはなりません。

公道用バイアスタイヤのBT45の登場は、20年以上前の1998年でした。ラジアルタイヤこそがロードスポーツタイヤとの認識が高まる中で、BT45は進化の波に乗り遅れたバイクのためのタイヤとのイメージもあったかと思います。

ところが、ここ数年、私はCB900F、GSX1100Sカタナ、GPZ900Rニンジャといった絶版車に乗る機会があったのですが、それらにはBT45が履かされており、驚いたことにハンドリングが30~40年前のオリジナルよりも良くなっていたのです。材質の進歩などで、バイアスも進化しているということです。

さらにウェットグリップが高水準化されたBT46

新しいBT46は、絶版車との相性の良さと好評のハンドリング性能をそのままに、ウェットグリップが今日的な水準に引き上げられました。

と書くと、BT45のウェットグリップはさぞかしお粗末なものだったと思われるかもしれませんが、今回、ニンジャ250に履いて比較試乗したところ、意外や十分に今日的だったのです。よくもまあ、これが20余年も前に実現されていたとは驚きです。

それはともかく、リヤにシリカコンパウンドが投入されたBT46は、さらに高水準化されています。リヤがしっかり路面に食い付き、明らかにトラクション性能が高いのです。コーナーでスロットルを開けやすく、高速コーナーでの挙動も安定しています。

さらに、フロントもパターン変更(回転方向を逆にしただけですが)を受け、ブレーキング時のフロントのしっかり感と安心感が格段に高まっています。

久々に楽しめたグリップ限界の分かりやすさ

はっきり言って、昨今のストリートラジアルのウェット性能は、私が現役レーシングライダーだった35年程前のレーシングレインよりも高くなっています。

しかし、です。公道で安全になっていることは事実でも、ウェット走行を楽しめるか否かは別問題です。昔のように限界を、溝が多くて柔らかいトレッドの動きから把握することは難しく、どこか心許ないのです。

そう考えたとき、このBT46は大変に好印象です。絶対グリップはさほど高くないかもしれませんが、溝が多めのトレッドは、情報を豊かに伝えてくれます。ですから、私のように昔を知るライダーにも楽しめたのです。

私は、かねてからバイクはもっと身近な存在であるべきだと言っていますが、その意味で、このBT46は大変に身近な特性を持っているとしていいと思いました。

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和歌山利宏

和歌山利宏 モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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