大躍進したミドルパニガーレのPanigale V2

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

熟成進化を実感させられるVツインパニガーレ

そもそもパニガーレとはボローニャにあるドゥカ本社の所在地の地名で、ドゥカのスーパースポーツ、彼らが言うところのスーパーバイクのシリーズに名付けられた呼称です。2012年、ドゥカのトレードマークでもあったトラスフレームから惜別し、フレームレス構造とも言えるモノコックフレームを採用したパニガーレ1199が最初でした。

ところが、この車体構造は軽量化などで大きなメリットがあっても、走り味に関して賛否両論あったことも事実でした。何より、スーパーバイクでの苦戦がその難しさを物語っていたのかもしれません。

ところが、14年に登場したミドルクラスの899は、そんなネガティブな印象を一掃していました。煮詰めが進んだことに加え、パワーと車体がバランス形になったためというのが大方の見解でもありました。さらに16年型の拡大進化形959は、さらに完成度を高めていたものです。

そして、959の後継型となる新しいパニガーレV2は、エンジンの吸排気系や電子制御、車体ディメンジョン、スタイリングや空力特性などに改良の手が及び、素晴らしいバイクに仕上がっていました。やはり、新機軸の完成度を高めるには、それなりの年月が必要だと実感させられます。

DUCATI Panigale V2 和歌山利宏 試乗ムービー

Vツインの良さを再認識

Vツインは、そのトルク感が身上です。鼓動感を伴ったトルクでトラクションのみならず、マシンをコントロールしていくのが魅力なのです。そして、車体もスリムに収まるため、身体にジャストフィットし、クイックなハンドリングを得やすくなります。

かつてのトラスフレームは、マシンからのフィードバックを硬質に伝えてきて、それがドゥカ特有のスパルタンさを強調してきたのでしょうが、このモノコックフレームは情報を豊かに、どちらかというと軟質に伝えるとの印象もあり、今日的に進化していると言っていいでしょう。

そして、何より、最高出力155psは十分にエキサイティングにして、多くの人が無心に楽しめると思います。本来のライディングを楽しめるのです。

スーパーバイクに参戦するパニガーレはVフォアが主力の存在になっているだけに、Vツインの魅力に改めて気付かされた次第です。その意味で、最もドゥカらしく、昔からのVツインのドゥカを知る人を裏切らないマシンだと言って差し支えないでしょう。

和歌山利宏

和歌山利宏 モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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