電動バイクは今、内燃機関バイクにはない魅力を提唱し始めている

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

将来的にバイクもEV化を避けて通れないことは事実です。でも私は正直言って、内燃機関バイクが築き上げ人々に愛されてきた魅力を、電動バイクで具現化できるものか疑問を持っています。そのことについてはまたの機会に譲るとして、今年のEICMAで出展された電動バイクに注目すると、また新たな魅力を発信できるのではないかと思い始めています。

それは、スタイリングの美しさです。内燃機関バイクならではの機能美は期待できなくても、内燃機関バイクには真似のできない造形美が実現されているからです。

というわけで、EICMAで目に付いた電動バイクを紹介したいと思います。

ENERGICA EVA

イタリアのエネルジカには私自身、6年前に初期プロトに試乗、以来発展を続け、モトGPと併催されるモトEにマシンを供給、技術的に世界をリードしています。このエヴァはネイキッドタイプで、ベーシックスポーツといった現実的な造りですが、サイドのウィングなどデザインには最新のトレンドを取り入れています。

BMW Electric Roadster Concept

モーターは縦置きでシャフトドライブ、水平対向シリンダ部のウィング状とBMWらしさが表現されており、近未来的な造形を思わせます。

Vmoto Super SOCO

世界戦略を図る中国のVmotoによるスーパーSOCOは、航続距離に重きを置いた現実的な街乗りバイクです。写真では分からないのですが、LED式ヘッドライトや視認性が270度というテールライトは、電気的に最先端を思わせます。

BST(Blackstone TEK) HYPERTEC

南アフリカのブラックストーンテックと、デザイナーのピエール・テルブランチのコラボによるハイパーテックは、最も注目したい一台です。電動バイク独自の機能美さえ感じさせます。しかも、モーターをピボット上部に置き、バッテリーを中央部に集中させており、電動バイクにとって大きくなりがちなロール方向の慣性モーメントを低減させているのです。サウンドを発し、クラッチ付きで、バイクらしさにも留意されてます。

KYMCO RevoNEX

普通のバイクのようにデザインされ、それでいて美しいスタイリングです。一般的なエンジンのクランク軸辺りにモーターがあり、6速ミッション、クラッチ付きだといいますから、かなりこれまでのバイクに近い線を狙っているのかもしれません。

HONPE CTjet

イタリアはトリノのHONPEが、製作したCTjetは、まさにおしゃれな原付を思わせます。レトロな趣もあって、足代わりに使いたくなります。モーターはリヤハブ部に設置されます。

eROCKET eRockit

eRockitがバイクなのか、電動アシスト自転車なのかと尋ねたら、バイクだと返ってきました。厳密にはヒューマンハイブリッドということで、人力アシストで航続距離を伸ばせるということのようです。ドイツのeROCKET社の作品です。

和歌山利宏

和歌山利宏 モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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