究極のアメリカンVツインを目指す ARCHモーターサイクルの新作がデビュー

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

キアヌ・リーブスのバイク

ARCHモーターサイクルは映画スターのキアヌ・リーブスが立ち上げた、知る人ぞ知る超高級モーターサイクルブランドである。米国西海岸の著名なカスタムビルダー、ガード・ホリンジャー氏に依頼した自分用カスタムの出来栄えにいたく感動したキアヌが、新たなバイクを共同開発しようと話を持ち掛けたのがきっかけだとか。キアヌが実際にテストライドなども行っているとのことで、そういえば数年前の鈴鹿8耐でも自らデモランを行ったほどの熱の入れようだ。

ARCHモーターサイクルは2017年に製造を開始し、主に富裕層のエンスージャスト向けに受注生産という形ですでに販売を開始している。
今回その最新モデルの新型「KRGT-1」がローンチされた。

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アメリカンの限界を押し上げたい

エンジンはS&S製の排気量124ci(2032cc)のVツインを搭載し、今回150を超える新設計パーツを含む20か所以上の設計変更を行ったという。クライアントと一対一でオーダーメイドで作られるパフォーマンスクルーザーで、再設計されたボディワークやアップグレードされたサスペンション、人間工学的な強化とABSなどの安全機能を備えたブレーキシステムを採用している。ARCHモーターサイクルはアメリカ製Vツインバイクの可能性を追求しその限界を押し広げるために設計されたという。

言われてみれば、ハーレーやインディアンと比べるまでもなく、だれが見ても典型的な“アメリカン”の姿をしている。そのジャンルでの最高峰を目指すということだろう。そのために、K&Nエアフィルターとダウンドラフト吸気を備えたS&S/ARCHシグニチャーエンジンに、独自の2in1エキゾーストとヨシムラ製カーボンサイレンサーを組み合わせる。また、レースにヒントを得た高剛性の鍛造アルミスイングアームにARCHオーリンズ製リヤショックをセット。

フロントにはφ48mm ARCHオーリンズ製NIX倒立フォークを装備。これに合わせて専用設計の鍛造アルミ削り出しトリプルツリーと対向6ピストンのラジアルブレーキキャリパーが奢られ、軽量カーボンホイールとミシュラン・コマンダーⅡタイヤに、ボッシュ製ABSを標準装備するなど高次元の走りとセーフティを支える足まわりが与えられている。さらに新型では車体面も進化し、鍛造アルミ製フューエルタンクやテール、シートなどのデザインが変更されライダーの快適性とホールド性を向上。ダッシュパネルや前後のカーボンフェンダーなどもリデザインされている。

すべてのARCH Motorcycleは90日間をかけてクライアントとの緊密なコミュニケーションを取りながら特注のパッケージングとして仕上げられていく。世界に一台しかない自分だけのモーターサイクルを手に入れることができるわけだ。価格は示されていないが、従来モデルで800万円を超えていたのでその辺りか。KRGT-1は現在生産中で同社ホームページから予約注文が可能だ。

→ARCH Motorcycle

ぶっとんだ発想がアメリカ的でいい

単純比較はできないが、ハーレーの最高峰モデルCVOの優に1.5倍以上の価格である。おいそれと売れるものではなかろうが、高級パーツを惜しげもなく使ったハンドメイドの特注品ということであれば、それも納得できるところである。ハーレーから独立して独自のスポーツバイクブランドを立ち上げたかつてのビューエルや、Z型縦置き4気筒エンジンのオリジナルマシンでMotoGPに挑もうとしたモトシズなど、途方もない情熱とアイデアを持ったスケールの大きなビルダーが次々に現れるのがアメリカ的だしパワーを感じる。

「走りを極めたいのにクルーザー?」とか「EVやエコの時代になんで2000ccも?」とか「どうせキアヌのギャラ込みでしょ(笑)」等々突っ込みどころ満載ではあるが、それも織り込み済み。己の信念のままにそれをやってしまったことが凄いと思うのだ。

ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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