最高出力45psオーバーか!? カワサキが直4「ZX-25R」公開!

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

「東京モーターショー2019」初日プレスデー(10/23)において、カワサキが4気筒250ccスーパースポーツ、「ZX-25R」を参考出品した。

カワサキが250ccクラスの4気筒スポーツモデルを開発しているという噂は業界内では実しやかに囁かれていたが、それが今回、今にも走りだしそうな完成度で公の前に姿を現したのだ。スーパーチャージド「Z H2」に注意を引き付けておいての突然のアンベールには、正直やられた感が滲む。

Ninja250とは似て非なるもの

さておき、参考出展という形の展示車両はKRTカラーで彩られ、一見すると現行モデルのNinja 250にとてもよく似ている。がしかし、近寄ってみると、大きな違いが次々に見えてきた。

フロントマスクはリップが突出し、デュアルヘッドライト上には10Rや6Rと同じラムエアダクトを設置。機能パーツを見ても足まわりがアップグレードされ、フロントにはSFF-BPタイプの倒立フォークに大径ディスク&4Pラジアルモノブロックキャリパー、リヤにはガルウイング状に湾曲したアルミスイングアームにホリゾンタルバックリンク式ショックを装備。タイヤも明らかにワイド化されている。鋼管トレリスフレームもより骨太で剛性が高そうな作りで、ピボットまわりからメインチューブにかけての部分が露出した、よりレーサーっぽいというか、ZX10Rに近いデザインになっている。

そして、ラジエター下から覗く4本のエキゾーストパイプが4気筒であることの証。一方でエンジン下にマウントされたコンパクトなサイレンサーが現代のマシンであることをアピールしている。

なお、展示されていたスペック表に記されていたのは、エンジン形式が水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ249ccであること。パワーモードやKTRC(トラコン)やKQS(クイックシフター)などの電子制御が採用されていることなどだ。

エンジンも車体も完全新設計

とここまでは、すでに分かっている話。実は会場で幸運にも川崎重工の開発者に話をうかがう機会を得たので、その情報を基に「ZX-25R」をさらに深堀してみたい。

カワサキで250ccの4気筒スーパースポーツというと1989年登場のZXR250が元祖だ。当時はメーカー自主規制なるものが存在する中で、ZXR250もその上限となる最高出力45psを易々と達成していた。ということで、バリオスにも継承された優れたユニットが新型ZX-25Rのベースになっていると思いきや、開発者の話ではエンジンもフレームもまったくの新開発。80年代からは技術も進化し、バイクを取り巻く環境も変化しているため現代の要件にあったマシンをゼロから作る必要があったという。

最高出力45ps超えも納得できる

最大の関心事はやはりスペックだろう。最近、Ninja250の新型が出たばかりで直4モデルを新たに開発するということは、現行モデルにはない突き抜けた魅力が必要になるはず。直4を選択した時点でそれはパワー以外考えられない。マルチシリンダーの長所は高回転域での圧倒的なパワーだ。先にも伝えたとおり、30年前に各メーカーとも45psを達成していたし、今はメーカー自主規制も存在しない。

そこでずばり開発者に突っ込んでみたが、環境面などに対応しながらも「可能な限り出す」と前向きな嬉しい答えをいただいた。「ピーク45psを超えるか」という問いに対してはニヤリと表情を緩めるだけだったが、自分の勝手な解釈としては十分可能性がありそうな手応えだった。そう考えると、最初に描写した展示車のオーバーすぎるほどの足まわりやタイヤサイズ、強靭なフレーム構造などのディテールにも納得がいくというものだ。

メインターゲットは日本!?

でも何故今4気筒を作ったのか。モータースポーツ人気が高まっているアジア地域がメインターゲットかというと実はそうでもなく、意外にも日本市場をメインに考えているとのこと。予想されるスペックからして価格もそれなりになるだろうし、直4の250ccスポーツが刺さるのはやはり本家本元、日本のライダーとカワサキも考えているようだ。小排気量ハイパフォーマンスモデルへの需要がほとんどない欧米も除外されるとなると商売的には……。その疑問に対する答えは「まずカワサキがやるしかないでしょ(笑)」とのこと。やはり“男カワサキ”、心意気が違う。

発売時期はもう少し先になりそう

開発状況としては、試験走行などは当然行っているが細かい詰めはこれからという段階だとか。気になる発売時期については明らかにされていないが、「タイミングを見て」とのこと。もう少し時間がかかりそうな感じだ。生産は仕向け地によって異なり、日本仕様はタイ生産がメインになるようだ。

2万rpmに迫る超高回転エンジンが奏でるジェットサウンドに魂を震わせた日々。80年代のバイク全盛期に一時代を築いた4ストマルチクォーターの夢再現なるか。まずはカワサキの英断に心から拍手を送りたい。

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ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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