世界一過酷なマゾ的オフロードレース「エルズベルグロデオ」を体験せよ!

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

出典:Red Bull

エルズベルグロデオとは……

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近年世界的な盛り上がりを見せるエンデューロレース。難易度や規模においてその頂点に君臨するのが「エルズベルグロデオ」である。正式名称「Erzbergrodeo Red Bull Hare Scramble」は巨大な採石場を舞台にしたハードエンデューロと呼ばれるジャンル。今年で25回目の開催となるが、レッドブルのスポンサードを受けて毎年規模を拡大し、最近では数万人規模の観客を集めるメジャーイベントへと成長している。

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アリ地獄のようなセクションが連続

まずは選考からして過酷だ。そもそも1,500名の参加枠には書類審査があり、世界各国から腕自慢のエンデューロライダーが殺到するが、ある程度以上の実績がないとスタートラインに並ぶことすらできない。そこから鉱山に特設されたダートコースを全開で突っ走る予選、通称「アイアンロード」でさらに絞られ500名が決勝に進めるが、そこからが本番。

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YouTube動画で一躍有名になったスタートシーンでは、ほぼ垂直(に見える)の瓦礫の壁に向かって50台ずつが一斉に突進していく。そしてほとんどが、登り切れずに落ちていく。まるで蟻地獄から這い上がろうと必死にもがき苦しむアリの行列を見ているようだが、それが皆インターナショナル級のエンデューロライダーという事実に畏れ入る。

軽自動車サイズの巨大ガレ場に震える

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途中には一歩ラインを外せば崖下に真っ逆さまのような高速セクションや、密林の中をハンドガードで枝を払いながら進むようなウッズもありなど難所が続く。そして、最大の見せ場は「カールズダイナ―」と呼ばれる広大なガレ場。映像を見ればそのスケール感が分かると思うが、バイクの前輪サイズほどの尖った岩が急斜面に敷き詰められている。

中には軽自動車サイズの巨大な岩の間を抜けていかなければならないルートもあったり、とてもバイクが走れるとは思えない場所を走破していく。否、逆に言えばバイクでしか入っていけない、他の乗り物ではけっして到達できない究極のシチュエーションとも言えるだろう。そのためには、エンデューロライダーとしての資質はもちろんのこと、トライアル的テクニックとプロアスリート並みの体力・持久力も求められるはずだ。

完走率2%の変態的難易度が惹きつける

出典:Red Bull

そして、数々のチェックポイントを通過して4時間後にゴールラインに辿り着けるのはたった20名程度、完走率はときとして2%以下という狭き門だ。その意味では、エベレスト登山やマン島TTレースに匹敵する難度と言えるかも。知らない人から見れば、マゾ的趣味の変態集団のように思われても不思議ではないが、その非日常的な困難さが多くのライダーを惹きつけてやまないのだ。それ故にエルズベルグは世界一過酷で過激なオフロードレースと呼ばれているわけだ。

【レース動画】Erzbergrodeo Red Bull Hare Scramble 2019

https://www.redbull.com/int-en/tv/video/AP-1YN8AUJYH2111/main-race

2019大会はハスクのジャービスが2連勝

出典:Red Bull

注目のエルズベルグロデオ2019年大会は5月30日~6月2日の日程で行われ、「ハスクバーナ・ファクトリー・レーシング」のグラハム・ジャービス(英)が盤石の走りで昨年に続き優勝を獲得した。

【関連ニュース】
世界一過酷なオフロードバイクレース「ERZBERG RODEO」でグラハム・ジャービスが優勝

近年は日本人トップライダーも僅かながらだが参戦するようになり、2010年に日本人として初参戦した田中太一選手が2012年には5位入賞と奮闘。また、2018年からチャレンジを開始した石戸谷蓮選手が昨年に続き今年もトライしたが、途中のセクションで残念ながらタイムアップ。次回に期待したいところだ。

ちなみに石戸谷選手は「Webikeニュース」でもコラムを連載しているので、さらにこの世界に突っ込みたい人は是非参考にしてみてほしい。

【石戸谷蓮 コラム一覧】
https://news.webike.net/author/ishidoya_ren/

ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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