カソリの桜紀行 賀曽利隆がVストローム250で桜の名所を巡る

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

前回:賀曽利隆が東北1万2,817キロで得た旅情報『ツーリングマップル東北2019年版』

桜を求めて夜明けに出発

4月7日(日)、夜明けとともに、神奈川県伊勢原市の我が家を出発。さー、桜を追っての「桜紀行」の開始だ。

▲伊勢原と秦野の市境の善波峠が出発点。峠を越えて秦野盆地に入っていく

国道246号を西へ。伊勢原と秦野の市境の善波峠を越える。旧道のトンネルを抜け出たところで相棒のVストローム250を止めたが、峠には黄色い山吹の花が咲いていた。峠の見晴らしポイントからは秦野盆地を一望。富士山がきれいに見える。箱根の山々も見える。

▲善波峠からの眺め。富士山がきれいに見えている

善波峠から山つづきの弘法山へ。ここは桜の名所。駐車場にVストローム250を止めると、桜並木の山道を出発歩いて山頂へ。そこには弘法大師像をまつる釈迦堂がある。満開の桜越しに茫々と広がる関東平野を眺めた。

▲桜の名所、弘法山の山頂からの眺め。関東平野が茫々と広がっている

弘法山の山頂で折り返し、そのまま稜線上の道を歩いて権現山へ。その間の桜並木は見事だ。権現山も桜の名所で、大勢の花見客が押しかけるが、この時間だとほとんど人はいない。桜の名所は早朝にかぎる。山頂の展望台からは秦野の町を見下ろす。その向こうには富士山が大きく見えている。

▲弘法山から歩いて権現山へ。ここも桜の名所。展望台からは秦野盆地を見下ろし、富士山が大きく見える

走りながら楽しめる最長クラスの桜並木

弘法山と権現山の桜を楽しんだあとは、Vストローム250を走らせ、東名の秦野中井ICに向かう。東名の下をくぐり抜ける手前で右折し、県道62号に入っていく。

この道が桜並木の「はだの桜みち」。交通量の多いこの道も、日曜日の早朝だと通る車は少ないので、走りながら存分に桜を楽しめる。絶景の桜並木。国道246号との交差点までが県道62号だが、交差点を直進すると、「はだの桜みち」はさらに丹沢山麓までつづく。
全長6.2キロの「はだの桜みち」は神奈川県内では最長の桜並木で、全部で540本のソメイヨシノが植えられているという。町中の桜並木としては日本でも最長クラスだ。

▲東名の秦野中井ICの近くから県道62号の「はだの桜みち」に入っていく

▲「はだの桜みち」の桜並木は国道246との交差点を過ぎてもまだまだつづく。正面には丹沢の山々がはっきりと見えている

丹沢の登山口の大倉へ。ここにある「秦野戸川公園」の2本の桜は見事。夜はライトアップされる。公園内では7万本ものチューリップが咲き始め、「チューリップフェア」が始まっていた。

▲丹沢の登山口、大倉の「秦野戸川公園」
▲「秦野戸川公園」の桜。夜はライトアップされる

▲「秦野戸川公園」のチューリップも見事。7万本のチューリップが咲き、チューリップフェアが始まっていた

大倉の「秦野戸川公園」を出発し、丹沢から流れ出る水無川に沿って下っていく。左岸はオカメザクラの桜並木ですでに花の季節は終わっていたが、右岸のソメイヨシノの桜並木は満開だ。その下をVストローム250で走り抜けていく。河畔の「秦野市カルチャーパーク」は桜の名所になっている。

▲秦野盆地を流れる水無川沿いの桜並木。川沿いに遊歩道も延びている

水無川沿いの道を往復して丹沢山麓の道に戻ると、白泉寺のしだれ桜を見る。大きく枝を垂らしたしだれ桜には独特の美しさがある。

▲丹沢山麓の白泉寺のしだれ桜

ヤビツ峠越えの県道70号に出ると、峠下の蓑毛に向かっていく。秦野の古道(坂本道)の桜、大山の鳥居の桜を見て蓑毛へ。ここでは淡墨桜と大日堂の桜を見た。

▲秦野盆地の古道(坂本道)沿いの桜

▲ヤビツ峠下、蓑毛の淡墨桜
▲ヤビツ峠下、蓑毛の大日堂の桜

蓑毛からヤビツ峠へ。その途中にある菜の花台の展望台からは桜の花越しに丹沢の山並みを見る。富士山も大きく見える。
菜の花台からヤビツ峠まで登ると、桜の花はまだ咲いていなかった。

▲ヤビツ峠の峠道から見る菜の花台の桜と富士山
▲ヤビツ峠に到達。峠の桜はまだ咲いていなかった

日本の春を感じる

ヤビツ峠で折り返し、国道246号に出ると西へ。「桜の町・秦野」から松田町に入る。桜紀行の後半戦だ。
秦野市と松田町の境の交差点を右折し、県道710号で寄へ。寄神社を参拝し、寄神社の大杉を見たあと、20分ほど歩いて土佐原のしだれ桜へ。桜の花と菜の花のコラボレーションは「日本の春」を強く感じさせた。

▲寄(松田町)の土佐原のしだれ桜

国道246号に戻ると、さらに西へとVストローム250を走らせ、松田町から山北町に入る。国道246号沿いの「ファミリーマート」の先の桜は見事に咲き誇っていた。

▲国道246号を西へ。松田の桜

山北からは大野山(723m)へ。都夫良野峠への道との分岐を直進し、「大野山かどやファーム」を過ぎ、山頂直下の駐車場までバイクで行ける。大野山山頂からの眺めは絶景で、真下に三保ダムを見下ろす。富士山の絶好の展望台にもなっている。ここの桜は咲き始めたばかりだった。

▲国道246号の山北の桜

▲大野山(山北町)の山頂からの眺め。桜はまだ咲いていなかった

大野山を下ると、先ほどの分岐を右折し、都夫良野峠への道を登っていく。都夫良野峠は東名の都夫良野トンネルの真上。峠には都夫良野地蔵がまつられている。お堂の境内には石仏群。峠の桜はまだ5分咲き。峠をわずかに下ったところは絶景ポイントで、東名高速の酒匂川をまたぐ大橋脚の向こうに富士山が見えている。峠上の「山北つぶらの公園」の展望台からも富士山がよく見える。

都夫良野峠から国道246号に下ると、清水橋の信号を右折し、県道76号を北へ。三保ダムの桜、「信玄の隠し湯」で知られる中川温泉の桜を見ていく。その奥の「西丹沢ビジターセンター」の周辺の桜は咲き始めたばかりだった。さらに奥へ。犬越路林道(通行禁止)との分岐を過ぎ、通行止地点まで行った。この道は丹沢主脈の白石峠を越える。

▲三保ダムの桜。ダム湖畔には桜の名所が多い

▲中川温泉の桜。温泉地にも桜の名所は多い
▲西丹沢の行止り地点。このあたりの桜はまだ咲いていなかった

県道76号を引き返す。国道246号に出ると、さらに西へ。神奈川と静岡の県境まで行った。県境の2本の桜は満開だった。ここを折返し地点にして、国道246号を戻る。善波峠のトンネルを抜け、伊勢原に戻ってきた。

▲国道246号の神奈川・静岡県境。県境の桜は満開だった

伊勢原の桜

最後は伊勢原の桜めぐり。善波峠下の三島神社の桜、高部屋小学校の桜、伊勢原運動公園の桜、龍泉寺の桜、比々多神社の桜と、見てまわった。

▲伊勢原に戻ってきた。善波峠下の三島神社の桜
▲高部屋小学校の桜。桜の名木が多い
▲大山を望む伊勢原運動公園の桜
▲大山山麓の龍泉寺の桜

▲相模の三宮、比々多神社の桜

東北の桜はこれから見ごろ

こうしてカソリ、Vストローム250を走らせながら桜を見てまわったのですが、桜前線はさらに北へ。これからは東北の桜が見ごろです。

大河原(宮城)の「一目千本桜」は4月中旬が満開、北上(岩手)の「展勝地」の桜は4月中下旬が満開、弘前城の桜は4月下旬が満開、北海道の松前城址の桜は5月上旬が満開予想です。まだまだ桜の季節がつづきます。どうぞみなさんもバイクを走らせて、「桜紀行」を存分に楽しんでください。

満開の桜を見ると「日本の春」を強く感じるだけでなく、生きる力というか、「さー、がんばろう!」という力が体内に湧き上がってくるかのようです。
桜効果にはすごいものがありますよ。

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賀曽利隆

賀曽利隆 冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、北アメリカ、南アメリカと、バイクで世界の6大陸を駆けめぐる。
1975年の結婚後も旅をつづけ、赤ん坊連れでの「シベリア横断→サハラ砂漠縦断」を成しとげる。
1980年、鈴木忠男さん、風間深志さんとバイクでキリマンジャロ挑戦。1982年には風間深志さんと「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦を果たす。
1987年~1988年には「サハラ砂漠往復縦断」を成しとげる。
「30年代編日本一周」以降、10年ごとの「年代編日本一周」を繰り返し、2018年12月31日には1年4ヵ月に及ぶ「70代編日本一周」を終えた。
「年代編日本一周」とは別に、「島めぐり日本一周」、「温泉めぐり日本一周」、「林道日本一周」の「テーマ編日本一周」もおこなっている。2006年~2007年の「温泉めぐり日本一周」では1年間で3,063湯の温泉(温泉地)に入り、ギネスの世界記録に認定されている。『ツーリングマップル』の「東北」担当で、東北の道という道を精力的に走りまわっている。モットーは「生涯旅人!」

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