賀曽利隆の「ツーリングマップル・ツーリング」(第4回目)ツーリングマップル関東甲信越 P47 秩父編

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

前回:ツーリングマップル関東甲信越 P38 青梅編

『ツーリングマップル』(昭文社)を使っての「ツーリングマップル・ツーリング」は、開いたページにトコトンこだわり、そのページ内を走りつくすというもの。第4回目の今回は『ツーリングマップル関東甲信越』のP47(秩父)を1泊2日で走った。

12月25日8時、神奈川県伊勢原市の自宅を出発。相棒のVストローム250を走らせ、新東名の厚木南ICから圏央道に入った。

▲新東名の厚木南ICを出発

前回同様、厚木PAで朝食。ここでは日本各地のB級グルメが食べられる。今回は「横手焼きそば」。焼きそばの上にのった目玉焼きが印象的。「横手焼きそば」を食べながら横手(秋田)の町に想いを馳せた。横手城の天守閣から見下ろす横手の町並みが目に浮かんだ。

▲圏央道の厚木PAの「横手焼きそば」

「横手焼きそば」を食べ終わったところで、『ツーリングマップル関東甲信越』のP47(秩父)を開いてプランニング。この一時はまさに至福の時間。今回はP47(秩父)の左側のページをまわることにする。このページの中心は秩父盆地の秩父の町で、小鹿野や荒川沿いの長瀞、皆野が入る。荒川沿いに走る国道140号と正丸峠を越える国道299号が秩父の町で交差している。

▲『ツーリングマップル』でプランニング

入間ICで圏央道を降りると、国道299号で飯能へ。西武池袋線の飯能駅前でVストローム250を止めた。「戻ってきたぜ飯能よ!」

▲飯能駅前に到着

飯能駅前を出発すると、国道299号で高麗峠を越え、旧道で吾野の町に入っていく。吾野は秩父街道の宿場町。ここからが今回のP47(秩父)の範囲になる。

▲秩父街道の吾野宿

正丸峠も旧道で登り、峠の茶屋「奥村茶屋」で小休止。「おしるこ」を食べて体をあたためて峠を下った。正丸峠下の国道299号沿いの食事処「正丸」で昼食。ここでは秩父名物の「わらじカツ丼」を食べた。

▲正丸峠の「奥村茶屋」

▲食事処「正丸」の「わらじカツ丼定食」

秩父に近づくと、武甲山(1,295m)が大きく見えてくる。国道299号を離れ、丸山鉱泉に近い寺坂棚田まで行き、そこから武甲山を眺めた。石灰岩の砕石で痛々しい姿だが、目の前に聳え立つ武甲山はやはり「秩父のシンボル」だ。堂々とした山の姿が目に残る。

▲寺坂棚田から見る武甲山

国道299号で荒川流域の秩父盆地に入っていく。国道140号と国道299号の上野交差点を直進し、秩父鉄道の踏切を渡ったところが秩父神社だ。ここが秩父の中心といっていい。「秩父の夜祭り」で知られる秩父神社を参拝する。

▲「秩父の十字路」。国道140号と国道299号が交差する

▲秩父の中心、秩父神社

「秋蚕(あきご)しもうて 麦まきおえて あとは秩父夜祭 待つばかり」

と、「秩父音頭」にも歌われているように、この地方の人たちが心待ちにしていた秩父夜祭(12月3日)も終わり、秩父神社は正月の準備であわただしかった。

秩父は昔からの絹織物の産地。絹でおおいに栄えた。その経済力があったからこそ、豪華絢爛な山車が市内をめぐる華やかな夜祭りをつづけてこられたのだろう。

「秩父の十字路」の上野交差点に戻ると、今度は右折し、国道140号で荒川上流に向かっていく。国道140号は「秩父往還」ともいわれ、雁坂峠を越えて甲府に通じている。全長6,625メートルの雁坂トンネルが開通してからは「彩甲斐街道」の愛称がつけられている。

秩父の町並みを抜け出たところで国道140号を左折し、県道73号を行く。すぐに立ちふさがるような浦山ダムが見えてくる。急坂を登り、浦山ダムの秩父さくら湖に出る。さらに県道73号を走り、P38(青梅)のエリアになるが、絶景峠の有間峠まで行った。

▲浦山ダムの秩父さくら湖

▲絶景峠の有間峠。奥武蔵の山々を一望する

国道140号に戻ると、さらに荒川の上流へ。ここもP46(大滝)のエリアになるが、秩父鉄道の終点、三峰口駅まで行った。ここには「鉄道車両公園」がある。SLが転車台をグルリと回り、懐かしの車両が展示されている。駅前の大衆食堂「福島屋」に入って「三峰そば」を食べたが、かつてはどこでも見られた大衆食堂の看板を掲げる店も、今ではすっかり少なくなった。

▲秩父鉄道の終点、三峰口駅

▲三峰口駅前の大衆食堂「福島屋」

三峰口駅の入口を過ぎたところで国道140号を右折し、県道37号を行く。道の駅「両神温泉薬師の湯」を過ぎたところにある国民宿舎「両神荘」に泊まった。ここはよかった。

▲国民宿舎「両神荘」に到着。ここが今晩の宿

▲両神温泉の湯にどっぷりつかる

両神温泉の大浴場の湯から上がると、レストランで生ビールで乾杯。この一杯がたまらない。そのあとで夕食。イワシつみれの塩鍋、ヒラメとコンニャクのお造り、タラのバターみそ焼き、小川巻とキューリの酢の物、冬ダイコンと豚の角煮、揚げ出し豆腐のキノコあんかけ。最後には「お切り込み」が出た。お切り込みは上州の郷土料理。甲州のほうとうと同じようなものでうどんの原型といっていい。峠をはさんでの秩父と上州の交流を感じるのだった。

▲湯上りの生ビールはたまらない!

▲国民宿舎「両神荘」の夕食

▲最後に「お切り込み」が出た!

翌日は朝湯に入り、朝食を食べ、8時30分に国民宿舎「両神荘」を出発。県道37号で小鹿野へ。

▲小鹿野の町を走る

小鹿野の町をひとまわりしたところで、さらに県道37号で椋神社へ。ここは手製のロケットを打ち上げる年一度の「龍勢祭り」で知られている。その先の道の駅「龍勢会館」では龍勢祭りの資料館を見学した。ここでは「古代米カレーライス」を食べた。古代米の赤米を使ったカレーライスだ。

▲道の駅「龍勢会館」の展示館

▲道の駅「龍勢会館」の「古代米カレーライス」

椋神社に戻ると、県道284号から城峯林道(舗装)に入り、城峯山(1,038m)の山頂まで行く。城峯山の山頂には城峯山キャンプ場があり、城峯神社がまつられている。 城峯山からは石間峠を越え、県道331号の登仙橋で神流川を渡り、群馬県に入った。国道462号に出ると、神流川の下久保ダムを見た。

▲城峯山の山頂近くの石間峠を越える

▲埼玉・群馬県境の登仙橋

▲神流川の下久保ダム

国道462号を左折し、県道71号で群馬・埼玉県境の土坂峠に向かっていく。そこでは女性ライダーの半蔵さんとのうれしい再会。土坂峠では新田寛さんに出会い、土坂峠を下った小鹿野ではhideさんに出会った。

▲土坂峠下での半蔵さんとの出会い

▲土坂峠での新田寛さんとの出会い

▲小鹿野町でのhideさんとの出会い

小鹿野からは国道299号で秩父へ。新田さんと一緒に走る。寺坂棚田から夕暮れの武甲山を見たあと、国道299号沿いの食事処「天狗坂」で夕食。ここでも「お切り込み」を食べた。お切り込みは上州の郷土料理だが、群馬県内ではお切り込みを食べられる店はきわめて少ない。そのお切り込みを2夜連続で秩父で食べたのだ。

▲秩父の食事処「天狗坂」で食べた「お切り込み」

秩父で新田さんと別れるとナイトランの開始。県道11号で定峰峠に登る。そこからは奥武蔵の稜線上の奥武蔵グリーンラインを行く。白石峠、大野峠、刈場坂峠、飯盛峠、傘杉峠と通って顔振峠へ。奥武蔵グリーンラインはスカイラインなので、登りつめたところではなく、下りきったところが峠になっている。

顔振峠から吾野に下り、国道299号で高麗峠を越え、飯能に戻ってきた。西武池袋線の飯能駅前でVストローム250を止めたが、「飯能→飯能」は219キロ。

▲西武池袋線の飯能駅前に戻ってきた!

飯能駅前から国道299号で圏央道の入間ICへ。そこから圏央道経由で伊勢原の自宅に帰るのだった。

賀曽利隆

賀曽利隆 冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、北アメリカ、南アメリカと、バイクで世界の6大陸を駆けめぐる。
1975年の結婚後も旅をつづけ、赤ん坊連れでの「シベリア横断→サハラ砂漠縦断」を成しとげる。
1980年、鈴木忠男さん、風間深志さんとバイクでキリマンジャロ挑戦。1982年には風間深志さんと「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦を果たす。
1987年~1988年には「サハラ砂漠往復縦断」を成しとげる。
「30年代編日本一周」以降、10年ごとの「年代編日本一周」を繰り返し、2018年12月31日には1年4ヵ月に及ぶ「70代編日本一周」を終えた。
「年代編日本一周」とは別に、「島めぐり日本一周」、「温泉めぐり日本一周」、「林道日本一周」の「テーマ編日本一周」もおこなっている。2006年~2007年の「温泉めぐり日本一周」では1年間で3,063湯の温泉(温泉地)に入り、ギネスの世界記録に認定されている。『ツーリングマップル』の「東北」担当で、東北の道という道を精力的に走りまわっている。モットーは「生涯旅人!」

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