賀曽利隆の国道1号から10号を走り繋ぐ「12345678910ツーリング」第5回目 7編

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

前回:「12345678910ツーリング」第4回目 6編

最後に残った「7編」の開始!

日本の幹線国道、国道1号から国道10号までの「12345678910ツーリング」もいよいよ大詰めだ。

国道1号→国道2号→国道3号で「東京→鹿児島」を走り、国道10号→国道9号→国道8号、さらには国道17号で「鹿児島→東京」を走った。
それにひきつづいて国道4号→国道5号で「東京→札幌」を走り、青森に戻ると、国道45号経由で「仙台→東京」の国道6号を走った。最後に残ったのは国道7号。さー、「7編」の開始だ。

▲日本橋を出発。国道4号で青森へ!

10月16日午前0時、相棒のVストローム250とともに、東京・日本橋に立った。うれしいことにCRF250Rallyに乗る女性ライダーの「のりりんさん」とチャリダーの中林さんが見送りにきてくれた。
お2人に見送られて日本橋を出発。前回の「456編」と同じように、まずは国道4号で青森を目指した。

3時、日本橋から106キロの宇都宮着。5時30分、日本橋から187キロの白河着。睡魔を克服して東北に入った。
白河を過ぎたところで待望の夜明け。夜が明けると、体もスーッと楽になる。

8時、日本橋から270キロの福島着。

▲福島に到着。国道4号で阿武隈川を渡る

国道4号沿いの「ガスト」で朝食。食後の1杯のコーヒーで体がシャキッとする。福島を出ると奥州街道の桑折宿に入り、奥州街道と羽州街道の桑折追分でVストローム250を止めた。

▲ここは桑折追分。右が奥州街道、左が羽州街道

11時、日本橋から350キロの仙台着。ここでは国道4号沿いでhosizouさんに出会った。その先の古川(大崎市)では武内さん親子が待ち構えていた。
CB400Xに乗る武内さんと息子の拓海さんと一緒に、国道4号沿いの「とんかつ庄内」で昼食にする。ランチメニューの「厚切ロースかつ定食」はよかった。味のみならず、ボリュームも満点。これで元気が出た。

▲古川(大崎市)での武内さん親子との出会い

▲古川(大崎市)の「とんかつ庄内」の「厚切ロースかつ定食」

15時、日本橋から445キロの一関着。

▲宮城県から岩手県に入り、一関に到着

17時45分、日本橋から544キロの盛岡着。

19時、日本橋から630キロの岩手・青森県境着。青岩大橋を渡り、青森県に入った。日本橋から756キロの青森到着は22時。

▲日本最長国道の国道4号を走破して青森駅前に到着

青森駅前の「ルートイン」に泊まったが、まずは好物のポテチをパリパリ食べながらカンビールで国道4号に「乾杯!」。つづいてコンビニで仕入れたカップヌードルとおにぎりの夕食を食べるのだった。

国道7号の終点・青森から起点・新潟を目指す

10月17日午前5時、青森駅前を出発。まずは青森県庁前でVストローム250を止める。ここが東京からの国道4号の終点であり、新潟からの国道7号の終点にもなっている。
早朝の交通量のほとんどない県庁前から国道7号を行く。さー、目指せ、新潟。大釈迦峠を越えると、前方には広々とした津軽平野が広がり、津軽富士の岩木山がそびえ立っている。

▲早朝の国道7号を行く。津軽富士の岩木山が見えている

6時30分、青森から43キロの弘前に到着。

7時45分、青森から73キロの青森・秋田県境の矢立峠に到達。

▲国道7号の矢立峠に到達。青森・秋田県境の峠だ

峠上の道の駅「やたて峠」で朝食にする。朝食セット(900円)にすると、矢立温泉の温泉にも入れるのだ。
まずは赤湯の温泉に入る。大浴場の湯にどっぷりつかったあとは露天風呂の「天空の湯」に入った。樽湯もある。入浴客はぼく一人で、峠の絶景湯を独り占めにした。
そのあとレストランで目玉焼きやサラダ、サバの焼き魚、煮物などの朝食を食べた。矢立峠での何とも優雅な一時だった。

▲道の駅「やたて峠」の矢立温泉。露天風呂には樽湯もある

国道7号の矢立峠を越えて秋田県に入り、大館から能代へ。その間では道の駅「たかのす」でVストローム250を止めた。
ここでは日本一周中の木野さんに出会った。日本一周を終えたら故郷の熊本に戻り、家業の養蜂業を継ぐという。思わず、「木野さん、がんばって~!」と声援を送りたくなった。
木野さんと別れると、太鼓博物館の「大太鼓の館」を見学する。ホールの中央には世界一の大太鼓、直径3.8mの「綴子大太鼓」が展示されている。ここ羽州街道・綴子宿の綴子神社の祭礼に使われる大太鼓だ。
そのあと、レストランで昼食。秋田の郷土料理「比内地鶏きりたんぽ鍋」を食べた。味のしみた「きりたんぽ」はまさに秋田の味覚だ。

▲道の駅「たかのす」の「比内地鶏きりたんぽ鍋」。これぞ秋田の味覚!

14時50分、青森から209キロの秋田に到着。秋田からは日本海を右手に見ながら国道7号を南下。本荘(由利本荘市)を通り、「奥の細道」最北の地の象潟に到着。
ここでは蚶満寺に行く。この寺が芭蕉の時代の干満珠寺になる。境内には芭蕉像と絶世の美女、西施像が建っている。

▲象潟の蚶満寺に建つ芭蕉像。ここは「奥の細道」最北の地

しかし今では『おくのほそ道』にあるような風景は見られない。象潟が潟でなくなってしまったからだ。なんとも残念なことだが、文化元年(1804年)の象潟地震でこの一帯は隆起し、「江の縦横一里ばかり」とある潟が陸地になってしまった。
蚶満寺の境内には舟つなぎ石が残されているが、それが当時は潟の岸辺にある寺だったことを証明している。またここからはポコッ、ポコッと盛り上がった小丘をいくつも見るが、それが当時の九十九島。今では稲田の中に浮かんでいる。

秋田・山形県境の三崎では、日本海に落ちる夕日を見た。山形県に入ると、夕暮れの鳥海山を見た。鳥海山には雲ひとつかかっていなかった。

▲山形県側からみる夕暮れの鳥海山

17時30分、青森から310キロの酒田に到着。ここからは国道7号のナイトラン。
鼠ヶ関で新潟県に入り、葡萄峠を越えた。道の駅「朝日」ではWR250Rに乗るスパット神田さんとのうれしい出会い。一緒に新潟市内まで走った。

22時45分、青森から490キロの新潟に到着。新潟市の道路原標のある本町の交差点でVストローム250、WR250Rの2台のバイクを止めた。ここが国道7号の起点。

▲新潟市の道路原標のある本町交差点に到着。ここが国道7号のゴール!

スパット神田さんと別れると、すぐ近くの「東横イン」(古町)に泊まり、本町交差点の「吉野家」で夕食にする。まずは生ビールで国道7号に乾杯。そのあとうなぎ2枚の「うな丼」を食べた。

国道7号を走り終え、東京に戻ってきた!

▲新潟平野に朝日が昇る

翌10月18日は午前5時、出発。7時30分、長岡着。「新潟~長岡」間は国道8号と国道17号の重複区間。長岡からは国道17号を南下する。
越後湯沢を過ぎた道の駅「みつまた」では、CRF250Lに乗る女性ライダーの半蔵さんとのうれしい再会。

▲三国峠下の道の駅「みつまた」での半蔵さんとの出会い

三国峠を越えて群馬県に入ると、群馬県内を一緒に走った。三国温泉郷の川古温泉では混浴の露天風呂に入った。

▲川古温泉の混浴露天風呂に半蔵さんと入る。混浴最高!

▲湯上りに半蔵さんと「ヤクルトジョア」でカンパ~イ!

沼田では天狗様の迦葉山に行き、夕暮れの沼田城址から利根川の谷間の風景を見下した。目に残る風景。

▲沼田の迦葉山に奉納されている天狗様

さらに国道17号を走り、前橋、高崎と通り、19時、新町に到着。国道17号沿いの「ファミリーマート」で半蔵さんと別れた。

神流川を渡って埼玉県に入り、大宮、浦和と通り、ついに東京に戻ってきた。

▲日本橋に到着。tododesuさんとchobidesuさんが来てくれた

23時30分、日本橋に到着。日本橋にはtododesuさんとchobidesuさんがバンディット1250Sに乗って、タンデムで来てくれた。これにて3回に分けて走った「12345678910ツーリング」は終了。西日本の「1238910編」では5007キロ、東日本の「456編」では2413キロ、「7編」では1781キロを走った。全走行距離9201キロの「12345678910ツーリング」だった。

賀曽利隆

賀曽利隆 冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、北アメリカ、南アメリカと、バイクで世界の6大陸を駆けめぐる。
1975年の結婚後も旅をつづけ、赤ん坊連れでの「シベリア横断→サハラ砂漠縦断」を成しとげる。
1980年、鈴木忠男さん、風間深志さんとバイクでキリマンジャロ挑戦。1982年には風間深志さんと「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦を果たす。
1987年~1988年には「サハラ砂漠往復縦断」を成しとげる。
「30年代編日本一周」以降、10年ごとの「年代編日本一周」を繰り返し、2018年12月31日には1年4ヵ月に及ぶ「70代編日本一周」を終えた。
「年代編日本一周」とは別に、「島めぐり日本一周」、「温泉めぐり日本一周」、「林道日本一周」の「テーマ編日本一周」もおこなっている。2006年~2007年の「温泉めぐり日本一周」では1年間で3,063湯の温泉(温泉地)に入り、ギネスの世界記録に認定されている。『ツーリングマップル』の「東北」担当で、東北の道という道を精力的に走りまわっている。モットーは「生涯旅人!」

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