「バイク選択で迷う幸せの本質?!」~ 柏秀樹のバイクライフ論

【柏秀樹:モータージャーナリスト】

▲柏秀樹(かしわひでき)氏

今週より、Webikeではモータージャーナリストの柏秀樹さんの連載をスタートします。
柏秀樹さんといえば、全国各地で開催しているライディングスクールや、様々なバイク雑誌でのライテク記事でお馴染み。バイク走行距離120万キロ、延べ2万人以上にライテクを教えてきた柏さんに、連載コラムでライテクからバイクライフまで、幅広く語ってもらいます。ご期待ください!

はじめに

1枚のハガキをポストに入れたことで、作家の片岡義男さんと知り合うことができた。彼の「気まぐれ飛行船」というFMラジオ番組でハガキが読まれ、後日会うことになったのが、ことの始まり。カワサキW1、ヤマハXS-1というバイクのほか、クルマのサウンドを入れたLPレコードを片岡さんと共作した。

後に私はフリーランスのモータージャーナリストへ。海外ラリーの魅力にハマりながら、最新型バイクの試乗記事を書く一方で、旧車情報やバイクライフに役立つ内容など数多くの雑誌や単行本で執筆し、気がついたら40年の月日が流れていた。

DVDも作った。累計実数4万4千本のスーパーヒット作となった「ビッグマシンを自在に操る」シリーズ5本は私の集約であり誇りだ。今なお雑誌、ムックなどでバイクテクニック論を展開しているが、読む・観るだけでなく、安全に役立つノウハウを多くの人にもっと吸収していただこうと、KRS柏秀樹ライディングスクールを2007年に発足。オンロードやオフロードのレッスン内容の進化に意欲を燃やし続けている。

ライディングテクニック、その前に

だからこのページでも今すぐに読者の皆様に向けて、ホットなライディングテクニック論をスタートさせたいのだ。柏独自のテクニック論こそ!と認めてくれる方もいることだし。

だけど一方で「普通に乗れる」し、「テクニック論は知っている」し、逆に「読んでもわかんない」ライダーもいるはずだ。私が「安全は奥が深くて退屈じゃない!」をいくら連呼しても、多くはテクニック論より安全論より「まずはバイク選びでしょ!」が本音のはず。目の前にバイクがなければ始まらない。

BMW R1250GSか?MVアグスタ ブルターレ・コルサか?

そんな風に思っている矢先、友人から相談を受けた。話題のBMWのR1250GSかMVアグスタのブルターレ・コルサの相談だ。キャラが違いすぎて最初は失笑。両車は高価格で贅沢品でもあるけど、GSは泣く子も黙るビッグオフ。威風堂々、荷物満載でも道なき道をどこまでも行ける存在。一方のブルターレはイタリア生まれ。

▲BMW R1250GS

▲MVアグスタ BRUTALE CORSA

そこで国産のヤマハMT-09やホンダCB1000Rだってカッコいいし、高性能ながら乗りやすいし、維持費がかからないと提案したところ「そうじゃない。あの美しさ、あの音は異次元なんだよ!」という。

じゃあ、BMWのGSは諦めたら?というと「いやいや、どんな道も悠々と行けるポテンシャル。あれが最高!」とまあ、エンドレスで面倒臭いけど、男ってそんなもんね、と思いつつ2時間経過しても結論出ず。

でも、それこそ大切な、かけがえのない楽しいひと時と思う、この時こそだ。そういえば、今までもこれと似た相談を受けたことがあったけど、私の結論は決まっている。

バイク選びは直感でいい

バイクなんて直感でいい。好きなものをストレートに選ぶ。強いていうなら馬力などの数値は当てにせず、カタログには書いていない相性を知るために見て、触れて、聴いて乗ってみるしかない。売れ筋モデルで安心を優先するか。中古を選んでいじるのを楽しむか、浮いた予算で装備購入や、整備を楽しむのもアリ。

バイクの購入で悩んで、相談に乗ってくれる友人がいるって素敵なことだ。買ったら買ったで、旅先で仲間と美しい景色を眺め、美味しいものを笑顔で戴く。日常のどこにでもあるような他愛のないことでも、笑って理解し合える友達がいれば、前向きな気持ちがもっと加速する。これで心が健康にならないわけがない。風邪気味なら、きっと風邪が吹っ飛んでしまうのではないか。バイクがレンタルでも、排気量が何ccでも、そんな気持ちにしてくれる大切な相棒、それがバイクだ。

バイクがあるだけで「楽しい!」なら大丈夫

好きになったバイクは悩んだ末に買うか、深く考えずに勢いで買うか、たまたま安く手に入ったけど気に入ってしまうか、それでも、今操っているバイクは「可愛い!」「カッコいい!」になる。バイク選びはそれで成功だと思う。

もしも念願のバイクを手に入れて、納得がいく走りにならなくてもいい!乗る時間がなくてもいい!バイクがあるだけで「楽しい!」なら間違いなく大丈夫だ。

前向きだからこそ生まれる不安・悩み

相棒のバイクが見つかってワクワクしたなら、次にどんな視点でウエアを選ぶか、どんなカスタムをするか。とりあえず、理屈は雑誌でわかるけれど、実感が湧かないというライダーも多いでしょう。

そもそも運転技量以前に、体格のハンデはありがち。手は小さいし腕力もなく、足着き性も不安だし、年齢もそれなりだし、車庫は狭いし、だから大型バイクを諦めるかもしれない、という人もいるだろう。けど大丈夫。最初からエキスパートなんていないし、身長がある私でも失敗だらけ。だからこそ、数えきれない失敗を元に、皆さんへの大切な価値ある情報としてこれから連載していきたい。

速く走れず、仲間についていけない。どうしたらいいか。ツーリングしたら、すごく疲れて翌日の会社、休みたくなってしまうけど、何から改善すれば良いか。いずれも前向きだからこそ生まれる不安・悩み。じっくりと一緒に解決していきましょう。

柏秀樹

柏秀樹 モータージャーナリスト

投稿者プロフィール

1954年2月24日、山口県岩国市生まれ。大学院生時代に作家片岡義男と出会い、バイクサウンドを収録したLPレコード『W1ツーリング」を制作して以来、クルマのサウンドを含めた数多くのLPやCDを手がけ、世界で最も厳しいダカールラリーなどに参戦しながらバイク専門誌・一般雑誌・新聞・単行本執筆のほか各地各企業向けに講演・実技指導を行なっている。
自身のライフワークであるライディングスクールKRSを2007年に開校。開催数1000回を超え、受講生数は延2万人以上を数える。65台に及ぶバイク遍歴とバイクで走った距離120万km以上も含めて国内外オンロードやオフロードで経験してきた膨大な知識やノウハウを次世代へ伝えることに腐心。
ベストセラーのライテクDVD「ビッグマシンを自在に操る」シリーズ5本。近著、モーターマガジン社刊「IQライディング」を含めて著書30冊に及ぶ。

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