賀曽利隆の国道1号から10号を走り繋ぐ「12345678910ツーリング」第3回目 45編

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

前回:「12345678910ツーリング」第2回目 1098編

「45編」の開始。国道4号で青森へ!

「西日本編」の「東京~鹿児島往復」では、往路で国道1号→国道2号→国道3号、復路で国道10号→国道9号→国道8号を走った。それにひきつづいての「東日本編」の「東京~札幌往復」で、残りの国道4号、国道5号、国道6号、国道7号を走るのだ。
まずは「45編」を開始する。

10月8日午前0時、東京・日本橋を出発。Vストローム250で走り出すのとほぼ同時に、Vストローム1000に乗る「ねじりんさん」が来てくれた。ねじりんさんは何と夜通し、カソリに付き合ってくれるという。

▲午前0時、東京・日本橋を出発!

さー、出発だ。国道4号を北へ。千住大橋を渡り、千住新橋を渡り、埼玉県に入る。真夜中の国道4号をさらに北へと走りつづける。利根川を渡って茨城県に入り、栃木県に入り、2時30分、宇都宮に到着。宇都宮を過ぎたあたりからは、猛烈な睡魔との戦いになった。コンビニで缶コーヒーのワンダを飲んで、眠気を吹き払う。

福島県に入り、4時15分、日本橋から181キロの白河に到着。この頃が眠気のピーク。夜が明けると、体はスーッと楽になる。

▲国道4号の夜明け。二本松(福島)で

須賀川、郡山と通り、6時30分、福島に到着。「松屋」で朝食の「カレーライス」を食べた。その先の道の駅「国見あつかしの郷」では、女性ライダーの「むだかびさん」がぼくを待ち構えてくれていた。むだかびさんには手作りのマスコット、「無事かえる君」をいただいた。むだかびさん、ありがとう!

▲6時30分、福島に到着

宮城県に入り、8時40分、日本橋から303キロの白石に到着。ここでねじりんさんと別れた。ねじりんさんは白石から蔵王エコーラインを走るという。そのあと仙台ではゴメさんに出会い、仙台を抜け出るまで一緒に走った。

▲仙台の国道4号。ここは片側7車線区間

古川(大崎市)ではCB400に乗る武内さんに出会った。「青森まで一緒に走りたい」という武内さんと、古川の「とんかつの店庄内」で「厚切りのロースカツ定食」を一緒に食べ、北へ、岩手県境に向かう。

▲古川(宮城)での武内さんとの出会い

岩手県に入り、一関、水沢(奥州市)、北上、花巻を通り、15時30分、日本橋から543キロの盛岡に到着。ただひたすらに北へ、北へと、北を目指す旅。このシンプルさがすごくいい。国道4号は日本の最長国道だ。

県境の青岩大橋を渡って青森県に入り、南部町のレストラン「めぐ」で夕食。「かつ鍋定食」を食べた。ここで古川へと帰っていく武内さんと別れた。

▲南部(青森)のレストラン「めぐ」の「かつ鍋定食」

南部町からは国道4号のナイトラン。七戸、野辺地を通り、21時15分、日本橋から750キロの青森に到着。感動の一瞬。青森駅前にVストローム250を止め、国道4号の全線走破を喜んだ。すぐさま青森駅前を出発し、青森港へ。22時25分発の津軽海峡フェリー「ブルーハピネス」に乗船。超速攻で寝る。函館到着までの160分間、熟睡した。

▲21時45分、青森港のフェリー埠頭に到着

函館駅前から国道5号で札幌へ

10月9日2時05分、津軽海峡フェリーの「ブルーハピネス」は函館港に到着。北海道に上陸すると、間髪を入れずにVストローム250を走らせ、函館駅へ。その途中で24時間営業のラーメン店「山岡屋」で「プレミアム醤油ラーメンの玉子かけご飯セット」を食べた。

3時、国道5号の起点、函館駅前を出発する。

▲午前3時、函館駅前を出発

函館は雨。冷たい雨の中を走る。道標では札幌まで282キロになっている。自動車専用道の函館新道を走り、旧道に合流すると、峠のトンネルを走り抜ける。小沼・大沼の脇を通っていくが、真っ暗闇のナイトランなので何も見えないのが残念。森に到着する頃には猛烈な睡魔に見舞われる。道の駅「YOU・遊・もり」の屋根の下でひと眠りしようとしたのだが、あまりの寒さに眠れない。

森からの国道5号は内浦湾(噴火湾)に沿っている。海上には点々とイカ釣り船の漁火が見える。怖いのは大型トラックだ。本土とはまったく速度が違う。一般道の国道5号だが、これが「北海道高速」、100キロ超で突っ走る大型トラックもごくごくあたりまえ。眠いし、寒いし、大型トラックの追走もあるしで、もう三重苦だ。

ありがたかったのはバス停。しっかりとした造りのバス停を見つけると15分寝て、一時、寒さをしのいで熟睡できた。そのおかげで体もスーッと楽になり、「北海道高速」の大型トラック軍団と勝負できるようになった。

▲国道5号の夜明け。八雲で

6時、函館駅前から107キロの長万部に到着。長万部駅前にVストローム250を止めて小休止。

▲6時、長万部に到着。長万部駅前で

▲道の駅「らんこし・ふるさとの丘」で小休止

長万部の町並みを抜け出たところが国道5号と国道37号の分岐。ここで国道5号は左折する。大半の大型トラックは室蘭、苫小牧経由の国道37号で札幌に向かっていくので、長万部を過ぎると国道5号はじつに走りやすくなる。

昇ったばかりの朝日を見ながら国道5号を突っ走る。国道5号と道道9号の分岐点が長万部町と黒松内町との町境の峠。名無しの峠だが、すぐ近くにJR函館本線の蕨岱駅があるので、「峠のカソリ」はこの峠を「蕨岱峠」と呼んでいる。

じつは蕨岱峠はきわめて重要。この峠を通る構造線(大断層線)は太平洋側の長万部から日本海側の寿都に延びているが、この線でもって北海道の本体と渡島半島はつながっている。この先、何千年か何万年かは知らないが、北海道本体と渡島半島が別々になるときは、この構造線で分かれるはずだ。そのときは長万部海峡ができ、この蕨岱峠は長万部海峡に突き出た蕨岱岬になるだろう。悠久の時間をもて遊び、そんなことを考えながらバイクを走らせる峠越えは、じつに楽しいことだった。

つづいて目名峠を越えて蘭越町に入る。このあたりは日本のブナ林の北限だ。日本の自然を日本らしくしているもののひとつにブナ林があるが、目名峠を越えた北の世界は日本離れした風景ということになる。

9時、函館駅前から186キロの倶知安に到着。蝦夷富士の羊蹄山もニセコの山々も、きれいに見えている。

▲蝦夷富士の羊蹄山が国道5号の正面に見えてくる

▲国道5号から見る青空を背にした羊蹄山

倶知安峠、稲穂峠と越え、余市を通り、10時40分、小樽に到着。函館駅前から250キロ。小樽では小樽運河沿いの道を走った。

▲国道5号の稲穂峠を越えて余市に下っていく

▲10時40分、小樽に到着。小樽運河を見る

小樽を出発すると、国道5号の最後の区間を走る。銭函海岸に寄り道して札幌の市街地に入っていく。12時、札幌に到着。

▲12時10分、札幌に到着。ここは札幌駅前

札幌駅前を通り過ぎた「大通東1」の交差点が国道5号の終点。ここで国道12号と分岐し、さらに北の旭川へと通じている。交差点の角には中央バスのターミナルがある。函館駅前からは293キロ、日本橋からは1,055キロ。これにて「45編」の終了だ。

▲札幌の「大通東1」の交差点。ここが国道5号の終点!

賀曽利隆

賀曽利隆 冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、バイクで世界の6大陸を駆け巡る。
1982年には「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦。1987年には「サハラ砂漠往復縦断」。7度の「日本一周」を成しとげ、「70代編日本一周」を目指している。
ツーリングマップル東北の担当ライダーで、東北の道という道を精力的に走っている。
モットーは「生涯旅人!」

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