「スクランブラー1200」はどんなバイク?トライアンフ開発者にズバリ聞きました

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

10月24日、英国で開催されたトライアンフの新型「スクランブラー1200XC/XE」のプレス発表会を取材してきましたのでレポートしたいと思います。

本物を意味する“REAL DEAL“

▲ローンチパーティでは華々しく演出されたステージにスクランブラー1200が登場。
  
「スクランブラー1200」はかつて1960年代のモーターサイクルシーンを席巻したトライアンフ伝統のスクランブラーのスタイルと、現代のアドベンチャーモデルが持つ全性能が融合された新時代のデュアルパーパスモデルとして開発されました。
プレゼンテーションでは“REAL DEAL=本物”というキャッチフレーズが幾度となく掲げられ、トライアンフの自信作であることをアピールしている姿が印象的でした。

▲会場内には特設ダートコースが作られ模擬レースを開催。スクランブラーの実力が披露された。

クラシカルな外見にエクストリームな走り

エンジンはボンネビルT120系のハイトルク型の水冷並列2気筒SOHC8バルブ1200ccをベースにさらにチューニングを施すことで最高出力90ps/7400rpmを発揮。これはT120から12.5%アップの数値であり、最大トルクでは現行のストリートスクランブラー(900cc)の実に37.5%も上乗せされています。

▲水冷並列2気筒1200cc高トルク型エンジンは冷却フィンやキャブレター風FIカバーや真鍮製ロゴバッジがあしらわれ造形美を主張。

バリエーションは2タイプで、スタンダードモデルの「XC」は オン&オフを問わずあらゆる道での優れた走行性能を発揮。そして、上級モデルの「XE」はさらに究極(エクストリーム)なオフロード性能を目指した仕様ということです。

▲Scrambler 1200 XC

▲Scrambler 1200 XE

一見クラシカルな雰囲気ですが、ディテールを見ると最新パーツが散りばめられ、さらに中身には最新の電子制御が投入されているのが特徴。実力をひけらかさないところが、品格を重んじる英国・トライアンフ的です。

【関連ニュース】スペックや装備などの詳細についはこちらをご覧ください。
【新車】トライアンフ「Scrambler 1200 XC/XE」国内発売へ あらゆるシーンに対応する新世代カスタムクラシック

高級クロカンSUVのようなグレード感

▲クラシカルとモダンが融合した今までにない新鮮味のあるデザインだ。

現地では実車を間近で見ることができましたが、最初にヒシヒシと伝わってきたのがマシン全体から醸し出される高級感。スクランブラーの名から連想される泥臭さが一切なく、4輪に例えるなら高級クロカンSUVのような雰囲気です。

ディテールも新型TFTフルカラーディスプレイや右側2本出しのハイマフラー、アルミ製スイングアームなど各部の作り込みも丁寧で、すべて新たにデザインされていることに気付きます。眩い光沢を放つシームレスタイプのフューエルタンクやブラシ仕上げのアルミ前後フェンダーなど、質感にこだわったハイグレードな作りが印象に残りました。

▲TFTフルカラーディスプレイも第二世代へ進化。アナログに見えるがフルデジタルだ。

▲スクランブラーを象徴するサイドアップマフラー。ステンレスとアルミを組み合わせた美しいフィニッシュが魅力。

▲クラシックスクランブラーの‘カットアウェイ’デザインが特徴の燃料タンク。

▲XEは燃料タンクにトライアングルバッジがあしらわれた最初のモデルとなるなどプレミアム感をアピール。

▲前後フェンダーもアルミ製でエッジを裏側に折り込んでリブを付けるなど凝った作りだ。

▲堅牢さとデザイン的美しさを融合したアルミ製ブレース付きハンドガード。

▲高級感漂うブラシ仕上げアルミニウム製バッジ付きスカルプテッドサイドパネル。

▲複雑な切り替えと丁寧なステッチが施された懐かしきベンチシート型のダブルシート。

普段はスマートに都会の中を流しながら、週末は林道ツーリングを楽しみ、その気になれば荒野を突っ走るスクランブルレースにもそのまま出られる。そんな可能性が広がるオールラウンドなマシンという感じです。

▲中央に見えるのはインスピレーションキット装着車。ハイマウントフェンダーやガード類装着でさらにオフテイストに。

ジャンルを超えた足まわり、足着きもまずまず

それを証明しているのが豪華な足まわり。フロント21インチタイヤに前後フルアジャスタブル式サスペンション(フロントはSHOWA、リヤはOHLINS)が装備されていますが、驚くのはそのストローク量。
なんと「XE」は前後250mm、「XC」でも200mmという従来のカテゴリーでは類のないホイールトラベル量を実現しています。それは即ちラフロードにおける走破性の高さを意味しています。

▲ブレンボ製M50ラジアルモノブロックキャリパーをダブルで装着。

▲最近ではあまり見なくなった、超ロングストロークのオーリンズ製ツインショック。古き良き時代のスタイルながら中味は最新式。

そして、気になる足着き性ですが、実車に跨ってみたところ「XC」(シート高840mm) は軽くヒザが曲がり、「XE」(同870mm)はやや高めで少し踵が浮く程度。一般的なアドベンチャーモデルよりは足着きも良いと思われます。
ハンドル位置は高めでシートはフラットで幅もスリムに作られているなど、オフロードでの操作性を意識したライポジと言えるでしょう。

▲XEはハンドル幅も広く車高も高い完全なオフロードセッティング。スタンディングがカッコよく決まる。

開発者に聞く「スクランブラー1200」とは…

現地でスクランブラー1200の開発責任者を務めたスティーブ・サージェント氏にインタビューする機会が得られたので以下に紹介します。
ちなみに同氏は2019シーズンからMoto2マシン用に提供される3気筒エンジンの開発でもプロダクトマネージャーを務めた人物で、他にも多くのスポーツモデル開発に関わるキーパーソンです。

▲スクランブラー1200シリーズのプロダクトマネージャーを務めるスティーブ・サージェント氏。

Q:スクランブラー1200の開発意図についてお聞かせください。
A:3年前に新型ボンネビルシリーズをリリースしたときから、T120の持つ伝統と存在感、そして「ストリートスクランブラー」の軽快な走りを融合したモデルを作りたいと思っていました。

性能的にはアドベンチャー系がライバル

Q:最近スクランブラーがブームですが、他メーカーとの違いは何ですか。
A:たしかに世界中でスクランブラーが流行っていますね。ただ、その多くは名ばかりで内容的にはどうかと思う製品も多いようです。私たちは形だけのスクランブラーとはひと味違うものを作りたかった。実際のところ、比較検討したのは既にマーケットにあるスクランブラーではなく、アドベンチャー系モデルを競合相手として想定していました。

Q:ズバリ走行性能が違うということでしょうか?
A:走行性能はもちろんですが、加えて歴史や伝統というバッググラウンドを含めた“本物の価値“にこだわりました。

伝統的スタイルやステータス性を求める人に

Q:開発で苦労した点があれば教えてください。
A:挙げれば切りがないですが、一番はハイエキゾーストの取り回しでしょうか。スクランブラーのスタイルを崩さずに限られたスペースにどうコンパクトにまとめるかで試行錯誤しました。並列2気筒なので単気筒のように簡単にはいきません。シリンダーのフィンを微妙に削って調整したり、フレームもよりスリムに設計変更するなど手を尽くしました。

Q:どんなユーザーに「スクランブラー1200」をおすすめしたいですか?
A:単なるパフォーマンスだけでなく、このモデルが持つスタイルやヒストリカルな世界観、ステータス性などにこだわる人に是非乗っていただきたいですね。

知れば知るほどに興味が尽きない新型「スクランブラー1200」。日本へのデリバリー時期や価格は未定とのことですが、早ければ来春にも朗報が聞けるかも。首を長くして待ちたいと思います。

ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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