ドイツのシェア電動スクーターに見たEV2輪の可能性とは!?

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

アウトバーンだけでない交通大国ドイツ

今月はインターモト2018を取材するためにドイツ・ケルンに出かけましたが、先行してベルリンにも数日滞在しました。
ドイツの北東部に位置するベルリンは350万人が暮らす最大の都市です。第二次大戦後は東西冷戦により「ベルリンの壁」が築かれ、市内は長い間東西に分断されるという悲しい過去もありましたが、1990年の再統一後は再びドイツの首都として発展し現在に至っています。

▲道路はよく整備されている

旧ドイツ帝国の時代からナチス・ドイツが支配した大戦時代を通じて大規模に都市が整備されてきた歴史があるため、ベルリンは交通網が非常に発達しているのが特徴です。市内には鉄道やバス、タクシーの他、Uパーンと呼ばれる地下鉄やトラム(路面電車)などが縦横無尽に走り回っています。

▲路線バスは連結式が主流

▲地下鉄Uバーン

▲高速鉄道ICE

▲街を縦横無尽に走るトラム

道路も片側で4車線あるような大通りが中心街を貫いていますが、その割にクルマの量は少なめで常に整然と流れています。ちなみにドイツ車が多いのは当たり前として、ベンツ率が異常に高いのもお国柄といっていいでしょう。

▲ベルリン市内を貫く巨大な道路

▲ベルリン中心街でも交通量は比較的少なめだ

一方、バイクは正直あまり見かけません。
10月初旬で気温が昼でも10℃ぐらいの日もあり、日本に比べて寒いこともあると思いますが、通勤時間でもクルマに混ざってたまにスクーターが走っている程度。定点観測した訳ではないので正確なことは言えませんが、そんな印象でした。

▲バイクは割と少なめだ

街に浸透したシェアリング

恵まれた交通環境の中で、今回特に目を引いたのは自転車やEVスクーターのシェアリングです。シェアサイクルは日本でも数年前から整備され始めて、東京や横浜、大阪など大都市圏では一般的な光景になりましたが、ベルリンでも幾つもの事業者がシェアサイクルを展開しているようで、広告入りのカラフルな自転車を街のあちこちで見かけます。

▲ベルリン中央駅前のシェア自転車

▲普段の足として自転車を利用している人が多い

▲シェア自転車は観光客にも人気だ

利用するには専用アプリから登録してQRコードでロック解除。料金はクレジットカード払いという方式が一般的なようですが、電動アシストの有り無しや、専用スタンドに保管されているタイプや乗り捨て自由のタイプもあるなど様々なタイプが混在しているようでした。

▲広い歩道の中に自転車専用レーンが設置されている

▲幹線道路にも自転車専用レーンが整備されている

▲シェア自転車。街のあちこちに乗り捨ててあるように見える

シェア電動スクーターが新しい

そして初見だったのがシェアEVスクーター。街を歩いていると、朱色のスクーターが音もなく傍を走り抜けていきます。見た感じではシェア自転車と同じような扱いで、若者が街乗りしたり親子でタンデムする姿を見かけました。

▲シェアリングEVスクーターを利用する親子

駐輪ステーションのような施設は見当たらず、基本的には乗り捨てのようです。さっそく車体にある「emmy」のロゴを調べてみると、ドイツの主要都市で展開している電動スクーターのシェアリングシステムであることが分かりました。

▲シェアリングEVスクーター。後のトランクにヘルメットが収納されている

使い方としては専用アプリから登録してライセンス(免許証)をアップロードし、認証されればアカウントが発行されて即利用できる仕組みのようです。利用料は1分間で19セント(26円)ということだから1時間で1,500円程度ということになるでしょうか。

アプリで解錠できるリヤトランクにはヘルメットが2個入っていて即タンデムも可能というスマートさ。たとえば、市内の観光名所を彼女と半日で回って1万円程度、とちょい乗りするには便利な乗り物と言えそうです。

問題は日本の免許証で乗れるかどうかですが、今回は時間の関係もあって残念ながら「emmy」に乗る機会はありませんでしたが、次回はぜひトライしてみたいと思います。なお、利用方法については動画が分かりやすいのでご参考までに。

START YOUR SCOOTER

RETURN YOUR SCOOTER

→ emmy公式サイト

EV2輪の活性化につながるかも

日本でもこうしたシェアEVスクーターがあれば、観光以外にも都市部でのちょっとした移動やビジネス利用にも便利だと思いました。
シェアリングを通じてEVスクーターの利便性や環境面、経済的なメリットなどへの理解が広がることで、パーソナルユースとしてのEV2輪市場の活性化にもつながる可能性もありそうです。そんな期待が膨らみました。

ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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