賀曽利隆の「Vストローム250で行く東京→青森・林道走破行2018」後編

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

前回:賀曽利隆の「Vストローム250で行く東京→青森・林道走破行2018」前編

3日目 今年は太平洋岸の林道を走る

石巻から国道398号→国道45号を北へ。南三陸、気仙沼を通り、岩手県に入った。宮城・山形・秋田県の林道は1本も走らなかったが、昨年の「東京→青森林道走破行2017」はこれら3県の奥羽山脈の林道がメインだったので、今年は太平洋岸の林道を行く。

▲ひと晩泊った石巻の「サンファンヴィレッジ」を出発

大船渡から県道9号で綾里半島の綾里漁港へ。ここは東日本大震災の平成三陸大津波(2011年3月11日)で最大波高の40.1メートルを記録したところ。
昭和三陸大津波(1933年3月3日)では28.7メートルを記録。これが昭和三陸大津波の最大波高になっている。明治三陸大津波(1896年6月15日)では38.2メートルを記録。やはりこれが明治三陸大津波の最大波高になっている。
このように綾里は日本の特異地帯といってもいいようなところで、超巨大津波にたびたび襲われている。

綾里から第1本目の垂水林道に入っていく。綾里漁港から1.3キロ地点でダートに突入。海のすぐ近くを走っているとは思えないような、うっそうとした森林地帯の中を走り抜けていく。

▲綾里漁港に到着。漁港の脇からロングダートの垂水林道に入る
▲垂水林道の狭路のダートを行く

4.0キロのダートを走ると舗装路になる。そこには気象庁の気象ロケット観測所。1.1キロの舗装路を走るとふたたびダートに突入。狭路のダート4.6キロ走ったところで綾里半島東端の岬、綾里崎を見下ろす展望ポイントに出る。

▲綾里半島東端の岬、綾里崎。はるか下の方に灯台が小さく見える

そこを過ぎるとひたすら深い森の中を行く。けっこうラフな路面。倒木やガレ場、水溜まりもある。海岸のすぐ近くを通っているのだが、海はほとんど見えない。綾里崎から5.6キロ走ると舗装路に出た。ダート14.2キロの垂水林道だ。

綾里に戻ると県道9号で越喜来(おきらい)へ。越喜来で国道45号に合流すると釜石へ。釜石の町を過ぎ、東日本大震災の大津波で1000人以上もの犠牲者を出した鵜住居から県道35号で遠野に向かう。

▲県道35号の笛吹峠に到達。ここは釜石市と遠野市の境の峠

県道35号を27キロ走ると笛吹峠に到達。この峠が遠野周辺の林道走破行の起点。第2本目の笛吹林道に入っていく。
林道の入口からダート。権現山(969m)の山頂近くを通り、牧場の脇を走り抜け、高原を貫く「風車街道」の舗装路とのT字路に出た。ダート5.5キロの笛吹林道だ。

▲笛吹峠から笛吹林道に入っていく

第3本目は和山林道。そのT字路からわずかに戻ったところから入っていく。界木峠を越え、4.3キロのダートを走ると舗装路になる。狭路のこの林道は昔の大槌街道。2本の林道で合わせて9.8キロのダートを走り、県道35号に出ると、笛吹峠を越えて遠野の町に入っていった。

▲「風車街道」(スリーグリーライン)から和山林道に入っていく

遠野からは国道340号を北上。11キロ走ったところで右折し、第4本目の琴浦林道に通じる道に入っていく。
田園地帯を走り抜け、最後の集落の琴畑を過ぎると、琴畑林道のダートに突入。4.0キロ地点の最初の分岐は直進する。6.3キロ地点でループ橋を渡り、6.9キロ地点で名無しの峠に到達。琴浦林道はここまでで、ダート6.9キロ。

▲琴浦林道を行く。走りやすい林道
▲琴浦林道のループ橋からの眺め。今、走って来た道を見下ろす

名無し峠の分岐を左に行くと長井林道だが、ここでは右へ、第5本目の新山高原林道に入った。

▲新山高原林道で北上山地の新山高原の森林地帯を走り抜ける

ダート5.2キロの新山高原林道を走り抜けると、「風車街道」のスリーグリーンラインに出る。全線舗装のスリーグリーラインは気持ちよく走れるワインディングロード。
北上山地の高原地帯を走り抜け、さきほどの笛吹林道との分岐点を過ぎ、国道340号に出た。

国道340号に出ると、さきほどの琴浦林道の入口を通り、立丸峠を越え、川井からは国道106号で宮古へ。

▲国道340号の立丸峠。今、トンネルが工事中

宮古からはナイトランで久慈を通り、青森県に入り、22時30分、八戸駅前に到着。駅前の「東横イン」に泊まったが、夕食はコンビニ弁当だ。

4日目 下北半島から終点青森

▲早朝の八戸駅前を出発

第4日目は下北半島の林道だ。八戸から国道45号→国道338号を北へ。六ヶ所村泊の「ファミリーマート」で朝食のおにぎりを食べ、第1本目の県道179号に入っていく。国道338号から1.0キロ地点でダートに突入。

▲六ヶ所村泊から県道179号を行く。ダート県道だ

東北にはこのようなダート県道が多い。峠に向かって登るにつれて大荒れの状態。何日か前の東北豪雨で激しくやられ、深い溝ができている。クレバスのようなギャップにはまり込まないように慎重にVストローム250を走らせる。
6.3キロのダートを走り、峠を目前にしたところで通行不能。峠から先は舗装路なので、何とも残念でならなかった。

第2本目は老部川林道。六ヶ所村から東通村に入る。白糠の町並みを抜け、老部川を渡ったところが林道の入口。国道338号から0.5キロ地点でダートに突入。分岐の多い林道だけに間違いやすいが、2.0キロ地点の最初の分岐は左へ。

▲東通村の白糠から老部川林道に入る
▲老部川林道の峠を登っていく。この先で通行不能…

ところがここを直進してしまい、「林道迷路」に入り込み、さんざん走りまわってしまった。分岐まで戻ると、今度は老部川沿いに走り、峠に向かっていく。しかしここも、林道入口から8.1キロ地点で通行不能。峠までは1キロほどの地点だ。
来た道を引き返し、国道338号に戻ったが、老部川林道の本線のみならず支線も走ったので、ダートの走行距離の合計は25.8キロになった。

下北半島の中心、むつ市の田名部からは恐山街道の県道4号で恐山へ。

▲むつ市の食堂「中川」で郷土料理の「味噌貝焼き」を食べる

宇曽利山湖を見、恐山の地獄を歩いたあと、第3本目の正津川林道に入っていく。

▲恐山から正津川林道に入っていく。ここは林道の入口

林道入口は薬研温泉に通じる県道4号との分岐点。ここを右に入っていく。林道入口からダート。宇曽利山湖から流れ出る正津川の流れに沿って下っていく。途中に3ヵ所の分岐があるが、すべて直進。8.2キロのダートを走り切り、舗装路に出る。そのまま下り、国道279号に出た。


▲正津川林道から見る正津川の渓流

第4本目はロングダートの佐藤ヶ平林道。国道289号とさきほどの県道4号の合流点が林道の入口。民家の脇からダートを登っていく。山並みの中腹を縫って走り、7.7キロ地点の分岐に出た。

▲国道279号からロングダートの佐藤ヶ平林道に入っていく

さー、困った。この林道は前にも走ったことがあるが、右、左のどちらに行ったかはおぼえていない。そこでまずは左へ。すると2.1キロ地点で行止り。往復で4.2キロを余分に走ってしまった。
分岐点に戻ると、次に右へ。本線も東北豪雨の影響で激しくやられ、分岐点から5.0キロ地点で通行不能。そこで折り返して林道入口まで戻ったが、佐藤ヶ平林道では合計すると29.7キロのダートを走った。

▲奥薬研温泉の奥薬研橋を渡って易国間林道に入っていく

最後は第5本目の易国間林道。奥薬研温泉の赤い奥薬研橋を渡って入る。1.0キロ地点でダートに突入し、佐藤ヶ平林道との分岐を過ぎ、奥薬研橋から7.3キロで峠に到達。
峠から国道279号の易国間に下っていく。易国間林道のダートは14.6キロで、最後にロングダートを走れてよかった。

▲易国間林道の峠に到達!

易国間から本州最北端の大間崎まで行き、大間崎の食事処「大間んぞく」で「うにマグロ丼」を食べた。もう大満足。夕暮れの大間崎をあとにすると、国道279号→国道4号で青森へ。青森到着は21時30分だった。

▲本州最北端の大間崎。夕暮れの津軽海峡の向こうに北海道が見えている
▲大間崎の食事処「大間んぞく」で「うにマグロ丼」を食べる。う~ん、大満足!

「東京→青森」は1689キロ。その間では21本の林道を走ろうとしたが、全線を走れたのは12本。4本が通行止で、5本が林道の途中で通行不能。
「東京→青森林道走破行2018」のダート走行距離は160.1キロ、ダート率は9.4パーセントだった。

▲青森駅前に到着。これにて「東京→青森林道走破行2018」、終了!

賀曽利隆

賀曽利隆 冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、バイクで世界の6大陸を駆け巡る。
1982年には「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦。1987年には「サハラ砂漠往復縦断」。7度の「日本一周」を成しとげ、「70代編日本一周」を目指している。
ツーリングマップル東北の担当ライダーで、東北の道という道を精力的に走っている。
モットーは「生涯旅人!」

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