しっとり穏やか 安心な乗り味に クロスカブ110用Gsenseオリジナルリアショック

【ビッグマシン・ゼロ:文-沼尾宏明 写真-山内潤也】

サスペンション専門店のGセンスが、クロスカブ110の走りを変貌させるオリジナルのオーリンズ製リヤショックを製品化。開発の裏側を取材しつつ、インプレを敢行した。

車体姿勢を水平に近づけ、より素直な脚に煮詰める

’17年にフルチェンジしたスーパーカブ110をベースに、生まれ変わった新型クロスカブ110。セールスは好調で、Gセンス代表の舟橋潤さんも「エンジンが滑らかになり、パワーも十分。全体的に出来がいい」と太鼓判を押す。

一方で、足まわりにはややアンバランスさがある。「2人乗りや荷物の積載を想定してか、リヤの車高が高く、スプリングが硬い。柔らかいFフォークも手伝って、車体姿勢が前下がりですね。フロント先行で曲がり、挙動がクイック過ぎる場面もあります」

これにはテスターも同感。リヤ方向へのピッチングが皆無で、直進安定性は高いのに、アクセルを閉じたり駆動がかかっていない時にバンクさせると高い着座位置からパタッと想像以上に車体が倒れ込む。まるで自転車のような感覚だ。段差で車体が跳ね、落ち着かないのも気になる。

――そこで、より扱いやすく、乗り心地を改善するリヤショックを開発することが今回の狙い。方向性としては、前下がりの車体を水平に近づけるため、純正比でショック長を短く、柔らかいスプリングに変更する。ショックユニットはオーリンズのS36EEを使用。減衰力調整機構のないオーソドックスなタイプとなる。

長さとスプリングを変更 性能は桁違い

▲NORMAL

▲G sense

↑ショック長は純正の370mmから2.5mm短縮。純正より柔らかいスプリングを採用した。装着にはチェーンカバーを外すか加工が必要だ。なお、純正ショックはガス圧が掛かっておらず、圧側の減衰力もかなり低い設定。

オーリンズに交換したら、実走とセッティングを繰り返して煮詰めていくのだが、今回はその作業に参加させてもらった。まずは暫定セッティングで試走。先程よりピッチングが自然でバンキングの速度も穏やかだ。不安なく倒し込める上に旋回中も安定。乗り心地も純正より良く、個人的には「これで十分」と感じた。

続いて舟橋さんが試乗。その結果、減衰力の圧側を半分に、伸側を30%抜き、より動く設定に変更するという。S36Eはダイヤルなどで減衰力を調整できないタイプのため、分解して内部のシムを交換することで減衰力のセッティングを行う。なお、アジャスターによる減衰力変更は範囲が限定的。手間はかかるが、特性を根本から変えたい場合は、本来こうしたシム変更が必要なのだ。

※減衰力を左右する「シム」とは?
ピストンが動くと、円盤状の「シム」がオイルの圧力でしなって開く。この開き具合で減衰力特性が変わる。シムの外径、厚み、重ねる順番などで自在に減衰力を変更可能だ。

▲圧側シム(変更後/変更前)

▲伸び側シム(変更後/変更前)

↑圧側を2枚減らし、伸側の厚みを調整したのがシムの主な変更点。オーリンズ純正シムは外径が30種、厚みが6種あり、並べ方や特殊形状のシムなどを加えれば組み合わせはほぼ無限大。大まかなレシピはあるというが、走らせてどうかは装着するまで分からない。経験値やセンスが問われる作業だ。

再び舟橋さんが試乗し「この仕様で決定」とのこと。早速乗ると直進時の印象が激変していた。

▲調整後、再び舟橋さんが試乗。セッティングが決まるまで走行→調整を繰り返す。今回は一発OK!

着座位置が低くなった上、前後輪の接地感が一段と伝わってくる。コーナーの安定感はさらに改善。リヤから曲がるネイキッド的な特性となり、実に楽しい。乗り心地も抜群で、60km/hで流した際のシットリ感はぜひ皆さんにも味わって欲しい。全体に安心感が増し、自転車からまさにバイクになった印象。遠出にもよさそうだ。

足着き性も改善!

▲NORMAL

▲G sense

↑ノーマルはシート高784mmと腰高で、指1本分カカトが浮く。変更後はサス長の短縮と大きい沈み込みによりベタ足に! ※身長170cm・体重70kgの場合

サスの開発には膨大な経験と知識、繊細な感覚が問われる。その全てを高い次元で備えるからこそGセンスは高い支持を受けているのだろう。

クロスカブ110(JA45)用オーリンズS36Eジーセンス オリジナル

▲G sense(上)/NORMAL(下)

■税込価格:13万5000円(受注生産)

オーリンズS36Eをベースに、スプリングや上下穴径、減衰力などをクロスカブ110に最適化。イニシャル調整で2人乗りにも対応。

【Webikeサービスページ】
オーリンズサスペンション・ステアリングダンパーオーバーホールサービス

クロスカブのようにオーリンズに未対応の車種でも、Gセンスならオーダー可能。お困りの人はぜひ相談を。

▲シムの交換には、ガスとオイルを抜く作業が必要。一般的な純正リヤサスは非分解式だが、オーリンズなら可能だ。

▲サスのカスタムやオーバーホール、セッティングに定評ある横浜のプロショップ。オーリンズ本社からの信頼が篤く、HRCやヨシムラなど全日本トップチームのサポートも担当する。左から、スタッフの神原英行さん、代表の舟橋潤さん、同じくスタッフの藤井岳さん。

【Webikeサービスページ】
オーリンズサスペンション・ステアリングダンパーオーバーホールサービス

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