新しいVELOCEに乗り、オートクラッチの普及を確信

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

オートクラッチはスポーツ性をそのままにストレスレス

新しいTURISMO VELOCE 800 LUSSO には、標準のLUSSOに対し、SCS(スリッパークラッチシステム)が装備されたLUSSO SCSというモデルが用意されます。

すでにコラム“MVアグスタの新開発オートクラッチは操作性とコストのバランスが最高”で、そのオートクラッチのシステムについては紹介しましたが、動画を見ていただければ、さらにその仕組みがよく分かると思います。

【関連コラム】
◆MVアグスタの新開発オートクラッチは操作性とコストのバランスが最高

すでにDCT装備のホンダ車やYCC-S 装備のヤマハFJR1300ASに乗り、クラッチ操作から開放されることのメリットを感じてきましたが、今回、LUSSO SCSに乗り、ますますその良さを実感した次第です。

小柄な私にとって、シート高850mmのVELOCEは、一旦停止や渋滞のある街中ではちょっと手こずるバイクです。でも、SCSなら左足を着いて停止したとき、ギヤをニュートラルに戻したり、ローギヤのままクラッチを握っている必要はないし、スロットル操作だけでこなせるので、格段にストレスがないのです。

また、オートシフターの作動に関しても、シフト時にクラッチ側で半クラッチ状態が生まれるので、作動感も良質です。動画の走りで後半部分の赤色のLUSSOがSCS仕様車(前半部の白色は標準クラッチ車)ですが、アップダウン共にエンジン音からその優れた操作性を感じてもらえると思います。ちなみに、SCS車で私はクラッチもスロットル操作も併用しておりません。

さらに、SCSはレバーを握ればマニュアルクラッチとしてもこなせます。その場合は、ローンチコントロールが作動しているような状態に保たれるのですから、電子制御の恩恵も感じます。

ミドルアドベンチャーには中核モデルとしての存在を感じる

このVELOCEがそうであるようにミドルアドベンチャーは、程好い大きさながら(それでも私には足着き性が厳しいが)、十分な動力性能を備え、ワイドレンジで荒れた路面でも快適で、積載性にも優れるとなれば、多くの人が食指を動かす存在になって当然というものです。

新しいVEROCE LUSSOには電子制御サスが装備され、新型ブルターレと同様に、エンジンマウントの締結剛性アップによって、フレームの捻り剛性が高められているので、格段にオンロードでのコーナリング性能が向上しています。車体剛性アップの効果は、車格が大きいためか、ブルターレよりも大きく感じるほどです。

ですから、ほとんどオンロードスポーツの感覚で走ることができます。ワインディングで純粋なロードスポーツが恋しくなるなんてこともありません。むしろ今回のように路面が荒れていて見通しの悪いところでは、こちらのほうが速いと思うぐらいです。

動画の走りでは、赤色のSCS車のほうが遅くも見えますが、それは市街地内であったために過ぎないということを付け加えておきます。

和歌山利宏

和歌山利宏 モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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