サマータイム制導入はバイクライフを充実させてくれるかも

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

欧米でのサマータイム制は理に適っている

昨今、東京オリンピックでの暑さ対策として、サマータイム(夏時間)制の導入が話題に上がっていますが、かねてから私はこの採用に賛同しています。すでに欧州主体の海外取材を始めて20余年、1年の3分の1を海外で過ごした時期もあって、私自身、サマータイム制に親しんでいるのですが、これがむしろ現地での生活にぴったりくる気もするからです。

欧州では東側のイタリアと西側のスペインでは1時間半程度の違いはあるのですが、ほぼ1年を通して、太陽が日常生活に適した明るさになった頃に活動を開始するという生活のリズムが保たれています。これからすると、日本の夏の朝8時は、欧州ではもうお昼前の感覚です。早朝は無駄で安眠を妨害するだけの太陽が輝いているのです。日の出時間は白夜の北欧とほぼ同じで、こんな朝の早い地域は他にほとんどありません。

もし、夏季に全ての活動時間が1時間前倒しになったら、ツーリングなどに出かけても帰宅時の太陽の状態に余裕が生まれます。最も暑くなるお昼過ぎにたっぷり休憩を取ることもできます。私は欧州で公道やサーキットで試乗するときも、サマータイム制のメリットを実感してきたのです。

欧州でもサマータイム制に反対する人がいるが

でも、欧州にもこれに反対する人はいます。最近も人々に意見を聞くアンケート調査が行われたそうです。結果は現時点では未発表ですが、おそらくは1時間の時間調整が面倒だという人がいるのでしょう。

でも、大勢の意見としてサマータイム制は支持されていると感じます。冬と夏時間の切り換えは、現在は3月と10月の最終日曜日とされています(昔はもう少し、夏時間が短く設定されていました。また、北米ではこれより1~2週間、夏時間が長くなっています)。

すると、実際に経験したことなのですが、モトGPやWSKの最終戦では、土曜日の予選までが夏時間、日曜の本レースは冬時間となることがままあります。試乗会会期の途中でもそうしたことがありました。日本人の私としてはさぞかし混乱するのではと心配したものですが、何のトラブルも見聞きしませんでした。

サマータイム導入がテレビ番組で話題に上がった時、各分野の専門家がこれに反対する意見を述べる展開が多く見られ、切り換え時の混乱を危惧する意見もありました。几帳面で心配性の国民性が新システム採用の足を引っ張っているわけですが、几帳面だからこそ大丈夫なのではないでしょうか。

夏冬時間の切り換え時期は欧米に準じ、夏冬の時差は1時間とすべき

ただ、オリンピック委員会から示された導入案だと、夏時間は7、8月だけで、2時間も早めるというものではありませんか。実にバカげてます。現実を知らない人の机上論としか言いようがありません。2時間もずれたら、生活のリズムが狂うし、1時間なら対応できるであろう諸システムにも問題が出ます。で、時差に慣れた頃に元通りではたまったものではありません。

オリンピック後もサマータイムを定着させようとの考えもあるようですが、それならなおさら国際標準に合わせるべきだと考えます。

和歌山利宏

和歌山利宏 モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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