夏のツーリングを気持ちよく コーナー攻略は「緩く長いブレーキ」で

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

うだるような暑い日が続きますが、私の仕事も週半分はアウトドア。メディアの取材やライディングスクールなどで太陽とご対面していることが多いです。

先日も取材を兼ねて甲府~長野方面へ。八ヶ岳から霧ヶ峰、美ヶ原へと続くゴールデンルートを下道で約250km走破してきました。都会より10℃以上も気温が低く、緑の間を抜ける涼風がとても快適でした。日本を代表する景勝地ということで、ゆったりとツーリングを楽しむライダーが多く、皆さん概ねマナーも良かったですね。

さて、ワインディングは変化に富んでいて、いろいろなシチュエーションに遭遇するのが楽しいのですが、中でもコーナリングを自分の思いどおりにメイクできたときの爽快感は格別のものがあります。逆にコーナーが上手く曲がれず、冷や冷やドキドキものだったりするとストレスが溜まって疲れるし、せっかくのツーリングも楽しくなくなってしまいます。

そこで、ワインディングを気持ちよく走るためのワンポイントをご紹介したいと思います。

ペース一定で淡々と走る

ツーリングはサーキット走行ではないので、速く走る必要はありません。その意味で、あまりメリハリをつけず一定のペースで走ったほうが穏やかな気分で長く快適に走れます。もう少し具体的に言うと、サーキット走行ではタイムを削るためにフル加速とフルブレーキングが連続する究極のメリハリが求められます。もちろん、公道ではそのような走りはできないですが、そういった“スポーツ走行的マインド”で走っている人をたまに見かけます。

でも、それでは自らリスクを高めて他人にも迷惑な走りとなっています。気分よく美しい景色を楽しみたい大多数の他のライダーやドライバーに対する明らかなマナー違反ですね。

そして、そのような急加速と急減速を繰り返すような走り方は、神経もピリピリして体力も使うので圧倒的に疲れるのです。その分、休憩も頻繁に必要になるし、せっかくの絶景も見逃してしまうことに。結局はペース一定で淡々と走った場合と目的地への到達時間は大して差が無かったりします。

速度コントロールがキモ

ペース一定で淡々と走るためのコツ。それは速度コントロールにあります。
自分は頻繁にスピードメーターを見るほうです。トルクが美味しいゾーンは、エンジン音とアクセルを開けたときのレスポンスでだいたいの検討がつきますが、速度は上りと下りなどでけっこう感覚とのズレが生じやすくなります。特に下りが長く続くワインディングなどでは、コーナー手前でハッと気付くと思いのほか速度が出ていたなどの経験があると思います。

当然、下りでは減速しづらく制動距離も伸びていきますし、特に大型重量級モデルになるほど減速は難しくなります。速度ムラがあるとマスツーリングでも疲れるし、後続車もイライラが募りがち。速度計はチラ見でいいので、常に気にする習慣をつけたいものです。

緩めに長くブレーキング

もうひとつ、速度コントロールのコツはブレーキのかけ方にあります。
ツーリングでは危険なとき以外は急制動をしないに越したことはありませんし、サーキット走行のようなハードブレーキングも必要ありません。疲れずに快適かつ安全に長い距離を走破するためには、ブレーキは「緩く長めにかける」のがポイントです。

コーナー毎にわざわざギリギリまで突っ込んで急ブレーキをかけるなどナンセンス。下手をすれば入力が強すぎてブレーキロックして転倒したり、目測を誤って止まり切れずにガードレールに一直線……など、ワンミスでクラッシュにつながりかねません。

正しくはコーナーのだいぶ手前で余裕をもってプレーキングを開始し、時間と距離をかけて最適な進入速度にコントロールしていくのが基本です。ブレーキレバーは優しく引いて、ある程度手応えが出たら、最適な速度になるまで一定にキープするイメージです。

ブレーキペダルも同様に親指の付け根辺りで軽く当てておきます。もちろん握り込んで(踏み込んで)いけば制動力は高まりますが、減速度も大きくなるため車体が前のめりになり、それを支えるためライダーも体力を使い果たしてしまいます。

最適な速度はライダーによって異なります。それは経験やマシンの性能にもよるため一概には言えませんが、「自分がストレスなく気持ちよく曲がれる速度」とすればイメージしやすいかも。

自分がイメージしたとおりに速度コントロールができて、いかに美しくコーナーを抜けられたかを成功の尺度とすることで、ストレスなく穏やかな気分でロングツーリングが楽しめると思います。ぜひ試してみてください!

ケニー佐川

ケニー佐川 Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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