ヨシムラ・Z900RS用スリップオンサイクロン STDとは一線を画するヨシムラならではの音

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日本を代表するレーシングコンストラクター/パーツメーカーとして知られるヨシムラ。このページではそんな同社が新たに開発した、3種のZ900RS用スリップオンマフラーの乗り味を紹介しよう。

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Z900RS用スリップオンサイクロン 商品ページ

【ビッグマシン・ゼロ:文-中村友彦 写真-真弓悟史】

構造を熟知しているから独創的な音が生み出せる

Z900RSに限った話ではないものの、近年のバイクのノーマルマフラーは、かなりいい音がする。その背景には、騒音規制の変更や車両メーカーの意識の変化があるのだが、今回のテストを行うにあたって、ノーマルと大差ないフィーリングだったらどうしよう……と、僕は心配していた。

でもそこはやっぱり、日本を代表するレーシングコンストラクター/パーツメーカーのヨシムラ。同社が手がけた3種のスリップオンマフラーは、ノーマルとは一線を画する魅力を備えていたのだ。

まずは3種に共通する特徴を述べると、ノーマルより乾いた音がすること、低中速域の重厚さが増している一方で、高回転域での伸びが軽やかになっていること、跳ね上がった取り付け角度によって、見た目がアグレッシブになっていることなどが挙げられる。

▲3種のヨシムラ製マフラーは、音質だけではなく、取り付け角度にも留意して設計。いずれもノーマルよりアグレッシブな印象を受ける。

もっとも音に関する印象は、ノーマルだって全然悪くなかったのだ。でもヨシムラ製を体感すると、ノーマルの音はやや湿り&こもり気味で、低中回転域と高回転域の差異は、そんなに大きくなかった気がしてくる。ちなみに、近接排気騒音と最高出力/パワーカーブは、ノーマルも3種のヨシムラ製もほとんど同じだから、僕が感じた印象は、音質の違いと考えるべきだろう。

続いてはヨシムラ製の特性の違いだが、まず新規開発されたBREVISは、3種の中で低中回転域の重厚さに最も磨きがかかっていて、しかも音質がまろやか。そんなBREVISと対照的なのがR-11で、こちらは回転上昇がフワッという表現を使いたくなるほど軽やかで、高回転域では並列4気筒ならではの咆哮が堪能できるし、心なしかエンブレの利き方が穏やかな印象を受ける。

もっとも前述したように、ヨシムラ製は3種共通の特徴を備えているのだが、BREVISはツーリング、R-11はスポーツライディングで、真価を発揮しそうなのだ。事実、BREVISを装着すると、景色を見ながら淡々と走りたくなるし、逆にR11を装着すると、高回転域をキープして走りたい欲求が生まれて来る。

そしてその論法で行くなら、R-77SはBREVISとR-11を結ぶ線の中間地点よりちょっとR-11寄り、スポーツ&ツーリングという印象だった。いや、この表現だと何だか中途半端と思われそうだけれど、守備範囲の広さで考えるなら、R-77Sは最も優れた資質を備えているのだ。

試乗後にヨシムラで聞いてみたところ、僕が感じたフィーリングの違いには、ボディ形状だけではなく、テールパイプやパンチングパイプの寸法、エンドピースの構造なども影響していると言う。逆に考えるなら、そういった排気系の構造を熟知しているからこそ、ヨシムラはノーマルマフラーとは一線を画する、魅力的な音が作り出せるのだろう。

「ストレートサイクロン」も開発中!

▲3月の東京MCショーでお披露目された「ショート管」タイプの4 in 1フルエキゾースト。エキパイの弧が美しい手曲げ製法で、開発中。

SLIP-ON サイクロン「BREVIS」


■税込価格:6万4800 円(ステン)~8万1000 円(カーボン)
■色:ステンレス/チタン/チタンブルー/カーボン
■近接排気騒音:92dB /4250rpm
■加速走行騒音:81dB

伝統を継承しながらボディを新規開発

オーソドックスな丸型サイレンサーとして、近年のヨシムラはLEPTOSシリーズ(ボディ全長は500mm) を販売しているが、Z900RS用ではマシン全体のバランスを考慮した結果、ボディ全長を300mmに短縮したBREVISを新規開発。

V字型のスプリングフックやエンド部のレーザーマーキング、各部のバフ仕上げは、LEPTOSに通じる要素だ。なおBREVISは、ラテン語で“短い”という意味。

▲丸型サイレンサーはボディ内部での排気ガスの拡がりが均等なため他2機種と比較すると、落ち着いた音質になる傾向。

SLIP-ON「R-77S」サイクロン EXPORT SPEC 政府認証


■税込価格:7万9920 円(ステン)~8万8560 円(チタンブルー)
■色:サテンフィニッシュ(ステンレス)/メタルマジック/チタン/チタンブルー
■近接排気騒音:92dB /4250rpm
■加速走行騒音:82dB

アメリカで生まれ日本で磨かれた性能

異形断面のR-77シリーズは、もとはUSヨシムラで開発されたサイレンサーを、ヨシムラジャパンが日本国内の法規に合致させたR-77Jとしてリリース。さらに、ボディのコンパクト化を図ったR-77Sを開発した。

Z900RS用は後者を採用している。なお他社製のZ900RS用マフラーと比較すると、3種のヨシムラ製はいずれも、テールパイプに趣向を凝らすことで、跳ね上がり角を強めに設定。

▲パッと見は楕円だが、R-77シリーズのボディは変形四角形。スクーターから大排気量車まで、幅広い機種に対応。

SLIP-ON「R-11」サイクロン EXPORT SPEC 政府認証


■税込価格:9万7200 円(ステン)~ 10万5840 円(チタンブルー)
■色:サテンフィニッシュ(ステンレス)/メタルマジック/チタン/チタンブルー
■近接排気騒音:93dB /4250rpm
■加速走行騒音:81dB

レースで得た技術を惜しみなく投入

’12年から発売が始まったR-11は、近年のヨシムラがレースで培った技術を惜しみなく投入したモデルで、軽量化やマスの集中化、バンク角の確保、空力性能の向上など、スポーツライディングに配慮して設計されている。

インナーパイプ径は他2機種と同じ50.8mmだが(ノーマルは45mm)、エンド部がフレア形状になっているため、高回転域で感じる並列4気筒らしい咆哮は、このモデルがNO.1 。

▲R-11の原点は、’90年代後半に登場したトライオーバルサイクロン。現在も変形三角形のスタイルは維持されている。

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細部に至るまで「専用化」

マフラーステーは各車専用設計。BREVISとR-11は、構造的には同じリベット+ボルト留めだが、新規開発のBREVISは、ヨシムラの刻印が入っている。R-77Sはバンド締め。

▲ブレビス

▲R-77S

▲R-11

選べる4つのカラーリング

R-77SとR-11は、チタン調加工を施したステンレスの「サテンフィニッシュ」、ステンレスをエッチング+塗装でカーボン風とした「メタルマジック」、チタン素材の「チタン」、その陽極酸化処理版「チタンブルー」の4色を用意。ブレビスはステン/チタン/チタンブルーに加え「カーボン」を設定する。

「ラジエターコアプロテクター」も設定

▲ブラックオキサイド

一般的なラジエタープロテクターが、六角形のメッシュパターンを採用するのに対して、ヨシムラ製はY字型。この構造には、独自性のアピールに加えて、冷却効率の向上という美点もあるそうだ。

▲シルバー

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