【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

今年もいろいろなトピックスがあったバイク業界ですが、いよいよ年の瀬が近づいてきました。ということで、2017年を締めくくる意味で本年度に発売されたニューモデルについて、Webikeニュース編集長のケニー佐川が独断で勝手にランキングしてみました。

話題性や注目度、社会に与えたインパクトやユーザビリティなどを総合的に評価したものですが、あくまでも感覚的なものですので、楽しみながらご参考にしていただければ幸いです。まずは輸入車編からご紹介しましょう。

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第1位「Harley-Davidson FATBOB」

走りのハーレーという新たな価値観

2017年に登場した新型ソフテイルは、従来の「ダイナ」と「ソフテイル」というハーレーの2大ブランドを統合して新たなシリーズとして展開するという、近年のハーレーにおける歴史上の転換点ともいえる出来事だった。

伝統の空冷45度Vツインは新設計の「ミルウォーキーエイト」となり、剛性を飛躍的に高めたシャーシと新型サスペンションを投入。スタイリングも大幅に刷新され一気に現代的になった。その新型ソフテイルシリーズを代表するモデルがファットボブだ。

カートリッジ式倒立フォークや路面追従性を高めるロングストローク仕様のリヤショックを採用するなど最もスポーツ性能にこだわったモデルで、1868ccから吐き出されるダイレクトな鼓動感とともにダイナマイトで吹き飛ばされるような加速感を味わえる。

リーンアングルも32度と新型ソフテイルでは最も深く、普通のスポーツバイクの感覚でワインディングを攻めていけるなど、「コーナリングを心底楽しめるハーレー」という新たな価値観を確立した一台として大いに評価したい。

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第2位「BMW G310R」

普通二輪で乗れるBMWが広げる新境地

G310RはBMW初の本格的スモールスポーツモデルだ。エンジンは新開発の水冷単気筒313ccで最高出力は25Kw(34馬力)/9,500rpmと高性能。スチール鋼管フレームに倒立フォークとモノショック、ブレンボの普及ブランドであるBybre製ブレーキを組み合わせるなど本格的な作りが特徴だ。

注目したいのは一般的なモデルとは逆にエンジンのシリンダー部分を後傾させた後方排気としている点で、スペース効率を稼ぎつつ重心位置を低く前輪寄りとすることでハンドリング性能を高めている。

単気筒ならではのスリムな車体と158.5kgのライトウェイトを武器に俊敏さと扱いやすさを兼ね備えたモデルとして新境地を開いた。日本では普通自動二輪免許で運転できるBMWとしては唯一のモデルであり、価格的にも国産250ccクラス並みに抑えられていることも含めて、購入へのハードルを大幅に下げたことは間違いない。

BMWのブランドバリューと新技術への果敢なトライを含め、今までバイクに興味のなかった層をも引き込む可能性を広げた功績は大きい。

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第3位「KTM 1290 Super Adventure R」

電制の今が分かる1300ccビッグオフの衝撃

KTMと言えば、世界一過酷とされるダカール・ラリーで2017年度のタイトルを含め16連覇を誇るなど、オフロード界で圧倒的な実績を誇るメーカーだ。

そのKTMのアイコン的な存在であるアドベンチャーシリーズの最新最強モデルが「1290スーパーアドベンチャーR」だ。ガレ場でジャンプもこなすエンデューロマシンのような走破性と1300cc超のVツインが叩き出す160psのパワーが実現する高速巡行性能は他の追従を許ないレベルだ。

ボタンひとつで出力特性やトラコン、ABS設定が最適化される4つのライドモードを搭載し、WP製のロングストローク前後サスとフロント21インチのブロックタイヤが道なき道を突き進む。コーナリングライトを搭載した大型フルLEDライトやTFTディスプレイなどが新たに装備され、カウルデザインも刷新されて一気にモダンな雰囲気になった。

とにかくすべてが桁外れで、電子制御テクノロジーの威力が身をもって体験できる。オールマイティ性能ではおそらく世界最先端をいく、その名に恥じないスーパーマシンだ。

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第4位「TRIUMPH Bonneville Bobber」

若者のハートをつかんだホットロッドカスタム

ボンネビルボバーは1940年代トライアンフで流行したボバーカスタムスタイルを受け継ぐモデルで、ベースとなったボンネビルT120から不要なパーツをそぎ落としたミニマルで力強いスタイルが特徴だ。

直線加速を競う「ホットロッド」をデザインコンセプトに、シンプルなロー&ロングスタイル、ワイドフラットバー、専用のフューエルタンクにワイヤースポークホイール、幅広のリアホイールなどがフィーチャーされている。

エンジンはT120系の水冷並列2気筒270度クランク1200ccの高トルク型エンジンをベースにミドルレンジのトルクを増大させることで、カテゴリー最強レベルの加速を実現。スタイリングだけではない走りの実力も備えられている。

一方で現代のマシンらしく電子制御も盛り込まれ、ライド・バイ・ワイヤによる2モードの選択が可能。新世代ABSや切替式トラクションコントロールを搭載するなど、安全性とコントロール性もレベルアップした。感性豊かな若者層に支持され、今やトライアンフの主力モデルとなるなど存在感を放っている。

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第5位「DUCATI SuperSport S」

懐の深さとパッションが900SSを思わせる

▲和歌山利宏

ドゥカティとして10年ぶりに「スーパースポーツ」の名を冠され、2016ミラノショーで「もっとも美しいバイク」に選ばれるなど話題を呼んだモデル。

コンセプトは「日常的なシーンでの快適性と扱いやすさに重点を置いたスポーツバイク」ということで、街乗りから高速ツーリング、ワインディングを含め多目的に使えることに主眼を置いている。

エンジンはハイパーモタード系の水冷Lツイン937ccで最高出力は109hp/9,000rpmと扱いやすく、中回転域に厚いフラットトルクが持ち味。また、3種類のモードやABS、トラコンが標準装備され、ユーザビリティと安全性が向上していることもポイントだ。

リラックスできるライポジと調整可能なウィンドシールド、大容量タンクなどの快適ツーリング装備も魅力となっている。ちなみに「S」はオーリンズなどが装備された上級版だ。

ドゥカティらしいエンジンの鼓動や鋼管トレリスフレームのしなやかな乗り味など、かつての名車「900SS」を彷彿させるパッション溢れる走りを日常域で味わえるのが嬉しい。

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第6位「TRIUMPH Street Triple RS」

最新スペックながら媚びない姿勢が英国流

2017年はトライアンフが誇る3気筒スポーツネイキッド「ストリートトリプル」がフルチェンジ。ついに排気量を765ccに拡大し、電子デバイスを満載した完全新設計のニューモデルとして登場した。

ハイエンドの「RS」では最高出力を従来比で16%上回る123ps/12,000rpmを実現。ティメンションを刷新したアルミツインスパーフレームとガルウィング型アームの他、オーリンズ製リヤショック、ブレンボ製ラジアルモノブロックブレーキなどスーパーバイク並みのハイスペック装備を誇る。

また、ライド・バイ・ワイヤによる5種類のライディングモード、ABS、トラコン、クイックシフターも標準装備されるなどまさに最先端のハイテクマシンとして生まれ変わった。

一見すると従来型に似ているが、よくよく見るとすべてが新しい。歴代モデルが継承してきたデザインは大事に残しつつ、細部にこだわりをもって進化・熟成させていくのがトライアンフ流。世間に媚びることをしない、世界最古のモーターサイクルメーカーらしい品格を感じさせる一台だ。

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第7位「R nineT Urban G/S」

大人の余裕で乗る80年代感覚のレトロGS

往年のBMWフラットツインの雰囲気を現代に再現したヘリテージラインとして人気を集めるR nineTシリーズ。その中でもアーバンGSは80年代に登場したアドベンチャーツアラーの始祖的存在である「R80G/S」を名指しでオマージュしたことで一躍注目を集めることになった。

先祖返りのようなデザインにもかかわらず走りは現代的で、中速域の分厚いトルクの乗って押し出されるワイルドな加速感は、最後の空油冷エンジンを搭載した先代R1200GSの味わいを思い出させてくれる。

快活なエンジンと鉄フレームや正立フォークで構成されるオーソドックスな車体、豊富なストローク量を持つ前後サスペンションが織りなす走りは、適度なスポーティさの中に上質感と大人の余裕を漂わせている。

最先端の電脳マシンの凄すぎる性能は、ときとして乗り手に劣等感を与えてしまうものだが、その点、アーバンGSは人に寄り添う優しさがある。普段着で街に出ていける気軽さがあり、それでいて現代のマシンらしくABSやトラコンなどの安全面もフォローされている点もマル。

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第8位「MOTOGUZZI V9 Roamer」

都会が似合うお洒落で気持ちのいいクルーザー

「V9ローマー」はイタリアの老舗モーターサイクルブランドであるモト・グッツィの最新モデルである。

先行発売された「V9ボバー」が前後16インチのファットタイヤやマット調の渋いカラーリングを特徴としているのに対し、V9ローマーはフロント19インチの大径ホイールにメッキパーツを多用するなど、より正統的なスタイルを持ったイタリアン・クルーザーとして仕上げられている。

ちなみに語源となった「Roam」には”世界中を旅する”という意味がある。つまり旅バイクなのだ。

エンジンは伝統の空冷縦置きV型2気筒OHV2バルブでV7をベースに排気量を850ccに拡大してパワーと信頼性を向上。内部パーツの大幅な見直しによりスムーズな出力特性を実現している。

ABSやトラコンなど装備も現代的だ。フロント19インチの大らかで素直なハンドリングや、軽量コンパクトな車体と視界に優れるアップライトなライポジにより、ストレスなく快適なロングライドが楽しめる。都会の雰囲気にもよく馴染むお洒落で気持ちのいいライトクルーザーだ。

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第9位「KIMCO AK550」

スクーターの枠を超えた走りにキムコの本気が見える

台湾で新車販売シェア40%を誇るキムコが、創立50年記念モデルとして総力を結集して作り上げたのが「AK550」である。

”スーパーツーリング”をコンセプトに実用性と快適性、パフォーマンスを兼ね備えたマキシスクーターで、新設計の水冷並列2気筒DOHC4バルブ550ccエンジンはクロスプレーンタイプの270度クランクと2軸バランサーを装備することで、パワフルでスムーズな出力特性と大排気量モデルらしい鼓動感と低振動を実現。

メインフレームはキムコ十八番のハイドロフォーミング部材とアルミダイキャストを組み合わせることで剛性としなやかさを両立。前後50:50の理想的な重量配分とし、倒立フォークとスイングアーム&水平配置のモノショックを装備するなどスクーターの枠を超えた運動性能を発揮する。

ツインリンクもてぎで行われた試乗会にも参加したが、ダウンヒルストレートではメーター読みで173㎞/hを記録する俊足ぶりを発揮した。この分野で先行する国産メーカーもうかうかしていられない、と思うほどの完成度を高く評価したい。

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第10位「BMW C evolution」

未来への扉を開いたEVマキシスクーター

BMW初となる電動スクーター「C evolution」が今年ついに国内投入された。

世界的な問題となっている交通量増加、エネルギーコスト上昇、市街地での車両のCO2排出規制の厳格化などへのソリューションとして、BMWが提案する次世代型モビリティがC evolutionである。

BMW iテクノロジーで培った新世代大容量リチウムイオンバッテリーを搭載することで、航続距離を最大160kmに大幅に拡大しつつ、最高速度129km/h に達する優れたパフォーマンスを実現。EV充電スタンドまたは普通充電用200Vコンセントを用いて80%まで3.5時間で充電可能だ。

注目すべきはその加速力で、トルク発生にタイムラグのない電動モーターの特性を活かすことで0-50km/hまで2.8秒で達することが可能だ。

惰性走行モードやブレーキング時のエネルギー回生システムなどBMWならではの最新技術も投入されている点にも注目したい。実際に試乗した感覚としては、プライベート新幹線に乗っている感じか。

風切り音だけでメガスポーツ並みに加速していく異次元感覚と未来への可能性に票を投じたい。

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ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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