全方位的に進化した新型「ゴールドウイング」が登場 大幅な軽量スリム化と新型サスペンションの狙いとは!?

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

▲新型GOLDWING TOUR

今週閉幕した「第45回 東京モーターショー2017」の興奮も冷めやらぬ中、市販化予定モデルの中にその存在感でひと際目を惹くモデルがあった。ホンダのブースで多くのギャラリーを集めていた「GOLDWING TOUR / GOLDWING」である。

”経験豊かなライダーの理想”を追い続けてきたゴールドウイング

1975年の発売以来、ホンダのフラッグシップモデルとして進化してきたのがゴールドウイング(GLシリーズ)である。

そのルーツである初代「GL1000」はホンダ初の水冷エンジンである水冷水平対向4気筒エンジンを搭載し、「ツアラーやクルーザー、スポーツバイクなど、あらゆるモーターサイクルの頂点に立つ『キングオブモーターサイクル』」という言葉で表されるなど、GLだけの唯一無二の世界観を追及したモデルだった。

▲GL1000

今でこそ、主に北米マーケットをターゲットに大陸横断ツアラーとしての地位を確立しているが、陸の王者としての風格だけでなく、スポーツ性能を含めたトータル性能の高さで”経験豊かなライダーの求める理想”を追い続けてきたコンセプトは初代から一貫したものだ。

初代GLが水平対向4気筒エンジンを採用したのは、低重心による優れた走行安定性とメンテナンス性を追求するためで、低振動や低騒音などロングツーリングでの優れた快適性と圧倒的な動力性能を発揮しただけでなく、燃料タンクをシート下に搭載することでさらに低重心化が図れるなど、スポーティで快適な走りを徹底追及した結果生まれたメカニズムである。

▲GL1000

その後、1980年にデビューした「GL1100 INTERSTATE」はエンジンの排気量を拡大しつつ、大型カウリングや大容量サドルバッグやトランクを装備した本格的グランドツアラーとしてのあるべき姿を提示し、続く1984年には排気量をさらに拡大しつつスポーツ性能に磨きをかけた「GL1200」が登場。その後も進化・熟成を重ねながら「GL1500」を経て現在の「GL1800」へとつながっていく。

▲GL1100 INTERSTATE

▲GL1200

▲GL1500

▲GL1800

そして今回、東京モーターショーで市販化予定モデルとして日本初公開された「GOLDWING TOUR/ GOLDWING」は、実に17年ぶりのフルモデルチェンジとなった。

全面刷新された新型モデル

▲新型GOLDWING TOUR

2タイプが用意されているのが気になるところだが、現行モデルの立ち位置を引き継ぐのはフル装備のTOURのほうだ。

一方のGOLDWINGは従来どおりのマニュアルミッションを採用し、トランクレス&ショートウインドスクリーンで軽装化されるなど、最近のトレンドを反映したバガースタイルが特徴となっている。

▲新型GOLDWING

新型ゴールドウイングは圧倒的な快適性に加え、新次元の操る喜びによるかつてない感動を目指し、車体・エンジン・デザインのすべてを全面刷新した。

エンジンは水冷4ストOHC水平対向6気筒の基本レイアウトは踏襲しつつも、4バルブ化とともにシリンダーピッチを詰めて小型軽量化を推進。ボア・ストロークは従来の74mm×71mmから73mm×73mmのスクエアタイプに変更されて排気量も1cc微増。最高出力も大幅に高められている。

また、シームレスな変速とスポーツバイクならではのダイレクトな駆動力を両立する7速DCT(有段式自動変速機構)を採用するとともに、通常の6速に加えDCTならではの構造的メリットを生かしたウォーキングモードを搭載。

これはスロットル操作によって微速で前後進できるもので、従来もセルモーターを利用して後進のみできたが、新機構によりUターンや取り回しもずっとやりやすくなっているはずだ。

さらに4種類のライディングモードを搭載し、DCTやABS、トラコン、電子制御サスペンションなどを統合制御することで、ロングツーリングからスポーツライディング、ウェット路面なども含めた幅広いシーンでの快適で安全な走りを実現させている。

そして最大のトピックはフロントにダブルウィッシュボーン・サスペンションを採用した点だろう。その構造的なメリットとして、通常のテレスコピットは異なり操舵系と緩衝装置をそれぞれ独立させることで、軽快なハンドリングと快適な乗り心地を両立している。

また、ノーズダイブが少なく垂直方向にストロークするため、前輪と車体とのクリアランスを詰めることが可能となり、結果的にエンジン搭載位置を前寄りに設定して前輪荷重を稼ぎつつ、ショートホイールベース化を進めるなど、大幅なハンドリング向上にも貢献。フロントカウルのコンパクト化やハンドル位置をライダーに近づけて操作性を高めるなどのメリットも生まれたという。

スタイリングもより洗練された鋭さと緊張感あるデザインとなり、車重もトータルで40kg以上軽量化。全長も55mm短く横幅も絞られるなど現代的にスリムアップされた。

装備面でもApple Car-playに対応したインフォテイメントやスマートキーによるトランク開閉システムを採用するなど、全方位的に走りの性能と快適性、プレミアム感を高めたモデルに仕上がっている。

【GOLDWING TOUR】
全長:2,575mm 全幅:905mm 全高:1,430(最大1,555)mm

【GOLDWING】
全長:2,475mm 全幅:925mm 全高:1,340(最大1,445)mm

エンジン種類:水冷 4ストローク OHC 24バルブ(4バルブ)水平対向6気筒
総排気量:1,833cm3

トレンドを取り入れた”デザイン”進化

開発者の話では、北米でもゴールドウイングのユーザー層に変化が起きているという。以前は熟年層がタンデムで何週間もかけて旅するパターンが多かったが、最近では3~4日で旅とともに走りも楽しむスポーツツーリングがトレンドだとか。

より軽快な乗り味を追求するとともに若年層にも受け入れやすいデザインと鼓動感を楽しめる排気音にもこだわるなど、新たなターゲットの掘り起こしも目指しているようだ。
2018年春と見られる国内発売が楽しみだ。

[TMS2017] GOLDWING TOUR / GOLDWING

[TMS2017] GOLDWING TOUR / GOLDWING(ブース展示風景)

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東京モーターショー関連コラム 第二弾 新型ゴールドウィングは単なる正常進化を超越した刷新形だ
東京モーターショー2017 HONDAブースギャラリー
ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

国産・外車を問わずミニモトからビッグバイクまで、どんなバイクでも乗りこなすモータージャーナリストとして2輪専門誌等で活躍中。
16歳から乗り継いだバイク30台、テストライド経験300台以上。装備や用品、カスタムパーツのテストも数多くこなしてきた。
MFJ公認インストラクター。米国ケビン・シュワンツ・スクール修了。

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