賀曽利隆の「東京→青森林道走破行 2017」(1)

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

前回:賀曽利隆の「福島・山形・宮城」東北中部 林道走破行

大好きな林道走破ルートへ出発

「東京→青森・林道走破行2017」は7月31日から8月3日までの4日間で走った。相棒はスズキのニューモデル、Vストローム250。

「東京→青森・林道走破行」というのは林道の狼・カソリの一番好きな林道走破ルートで、いままでに何度も走っている。そのたびにルートを替えている。

全17本の林道プランフルコース。景気良く1本目の林道へ突入!

▲東北道の浦和料金所を出発

7月31日10時45分、東北道の浦和料金所を出発。
「さ~、今年はどうなるか」と、胸がドキドキワクワクするような瞬間。

全部で17本の林道を走りつなぐプランを立てたが、どうなるかわからないのが林道ツーリング。まったく先が読めないという不安と、「それがいいのさ!」という旅への期待、「どうぞ1本でも多くの林道を走れますように!」という祈願の入り混じった気持ちで東北道を北へ、北へと走る。

▲東北道の都賀西方PAで昼食。「塩さば定食」を食べる

宇都宮ICからは日光宇都宮道路で今市ICへ。
そこからは国道121号で川治温泉まで行き、県道23号で川俣湖にかかる川俣大橋へ。川俣大橋を渡ったところが第1本目の川俣檜枝岐林道の入口だ。

浦和料金所から176キロ。時間は14時ジャスト。林道の入口には通行止の表示はない。「やった~!」と思わず声が出た。

▲川俣湖にかかる川俣大橋を渡る

▲ここが川俣桧枝岐林道の入口

林道入口から1・6キロ地点でダートに突入。Vストローム250の林道での走破性は高い。オフ車に負けないくらいガンガン走れる。うれしくなってくる。

▲川俣檜枝岐林道のダートに突入!

林道入口から3・7キロ地点の分岐は右へ。川俣湖に沿って走る。水溜まりの連続。林道入口から8・0キロ地点の分岐も右へ。ここでは猪との遭遇。林道入口から11・7キロ地点で舗装になり、12・9キロ地点の分岐を左へ。ここまでが川俣檜枝岐林道の第1区間になる。

第2区間は全線がダート。ここでは鹿の群れとの遭遇。以前、ここでは熊とも出会った。栃木・福島県境の馬坂峠に向かって登っていく。路面はラフになってくる。大粒の石コロがゴロゴロしている区間もある。

▲栃木・福島県境の馬坂峠を目指して登っていく

林道入口から26・9キロ地点で馬坂峠に到達。ここは帝釈山脈の主峰、帝釈山(2,059m)の登山口で、峠の駐車場には登山者の車が止まっていた。

▲馬坂峠に到達。ここは帝釈山の登山口なので駐車場がある

馬坂峠からが川俣檜枝岐林道の第3区間。道がぐっとよくなる。乗用車でも楽に走れるほど。林道入口から36・4キロ地点で舗装路になるが、すぐにまたダートになり、37・7キロ地点で舗装路になる。川俣檜枝岐林道はダート36・1キロのロングダート。

▲川俣檜枝岐林道の福島県側を下っていく

▲舗装路に入り-砂防ダムの下を走り抜けていく

檜枝岐に下ると、尾瀬檜枝岐温泉「駒の湯」(入浴料500円)に入った。入浴客はぼく一人。林道を走ったあとの温泉は最高に気持ちいい。

▲尾瀬檜枝岐温泉の共同浴場「駒の湯」に入る

平沢林道、唐沢林道へ

▲山岳ハイウェイの大規模林道で木賊温泉へ

檜枝岐からは飯豊檜枝岐大規模林道を行く。これは2車線の舗装林道。快適に走れる山岳ハイウェイだ。おまけに交通量はほとんどない。

小繋峠のトンネルを抜け、南会津町に入る。峠を下ったところが第2本目の平沢林道の入口。残念ながら通行止。

木賊温泉まで下ると、湯ノ花温泉に通じる道に入っていく。2車線の舗装路。唐沢峠のトンネルの手前を右に入っていく道が第3本目の唐沢林道になる。

すぐにダートに突入するが大荒れで、林道入口から0・6キロ地点で通行不能。このあと、「日本一周」でも使うVストローム250なので、無理をしないで折り返し、唐沢峠のトンネルを抜けて湯ノ花温泉に出た。

▲木賊温泉から大荒れの唐沢林道に入る。この先で通行不能

湯ノ花温泉から国道352号に合流し、第4本目の七ヶ岳林道を目指す。旧道の中山峠の方(南側)から入ろうとしたのだが、中山峠旧道は通行止。それでも諦めないカソリ、「よ~し、それならば北側だ」と、国道289号の駒止峠側から入っていくことにした。

南会津町の中心、田島から国道289号を行く。駒止下の針生(はりう)が七ヶ岳林道の入口。通行止の表示もなく、問題なく入れるのを確認すると、駒止峠を越え、道の駅「きらら289」で「トマトラーメン」を食べ、南郷のさかい温泉「さゆり荘」に泊まる。

▲南郷の道の駅「きらら289」で「トマトラーメン」を食べる

▲さかい温泉「さゆり荘」を出発

林道をハシゴするも「いや~、まいった」

▲七ヶ岳林道に入る。入口からダート

翌早朝、国道289号の駒止峠下の針生から第4本目の七ヶ岳林道に突入。入口からダートなのがうれしい。路面も整備されていて走りやすい。林道入口から9・4キロ地点に林道完成碑が立っているが、そこが峠。名峰、七ヶ岳(1,635m)はすっぽりと雲に隠れていて見えなかった。

▲七ヶ岳林道の林道開通記念碑。ここが林道の峠

16・1キロのダートを走り切るとT字路に出るが、そこからは舗装路になる。右は中山峠への道で通行止。左の道を下っていくと、国道121号の糸沢に出る。ここは会津東街道の糸沢宿だ。

糸沢から国道121号で田島へ。田島からは国道289号で針生に戻った。針生から駒止峠の旧道に入り、第5本目の玉川林道に向かったが、駒止峠の旧道も通行止。奥会津は豪雨禍であちこちが通行止のままだ。

▲国道289号の駒止峠。旧道は通行止

国道289号で駒止峠を越え、道の駅「きらら289」の前を通り、名産の「南郷トマト」で知られる南郷を走り抜け、只見で国道252号に合流。ここからは只見川沿いに走る。

本名ダムからは第6本目の本名室谷林道に入る。新潟県の室谷に通じる本名室谷林道は入口からダートなのだが、ここも通行止…。

▲只見川の本名ダム

▲本名ダムから入る本名室谷林道は通行止

国道252号で会津坂下に出ると、会津縦貫道経由で喜多方へ。ラーメン店「大喜」で「味噌ラーメン・ライス」を食べた。さすが喜多方、うまいラーメンだった。

▲喜多方の「大喜」で「味噌ラーメン」を食べる

喜多方からは国道459号で桜峠を越え、桧原湖へ。桧原湖北端の金山の集落から第7本目の鷹ノ巣山林道に入っていく。ところが福島・山形県境の峠を越える鷹ノ巣山林道も通行止。

「いや~、まいった」とガックリするカソリ。それでも気を取り直し、西吾妻スカイバレーで県境の白布峠を越えて山形県に入った。

▲福島・山形の県境を越える鷹ノ巣山林道は通行止

▲西吾妻スカイバレーで福島・山形県境の白布峠を越える

荒れた林道。カソリ、フラフラ状態

▲上山城の天守閣から上山の町を見下ろす。正面には三吉山

米沢からは国道13号で上山へ。上山城の天守閣から上山の町並みを眺めたところで、第8本目の南蔵王不忘山林道へ。国道13号の上山バイパスから県道263号を行く。

国道13号から12・4キロ走った地点で南蔵王不忘山林道のダートに突入。山形県側が南蔵王林道になる。南蔵王林道はいつになく荒れた状況で、峠に向かって登っていくにつれて背の高い草が生い茂り、石がゴロゴロした路面になる。

▲上山から南蔵王不忘山林道に入っていく

▲山形県側の南蔵王林道を行く

必死の思いで登り、8・0キロのダートを走ったところで山形・宮城県境の船引山峠に到達したときはもうカソリ、フラフラ状態。しばらくは峠でひっくり返っていた。

▲南蔵王不忘山林道の山形・宮城県境の船引山峠

船引山峠からは宮城県側の不忘山林道を下っていくのだが、峠上では要注意。直進する幅広の走りやすい林道は行き止まり。右に折れて狭路の林道を下っていく。これがきわめつけの難路。

峠から2・1キロ下ったところで船引橋を渡るが、「ここまでくればもう大丈夫!」とカソリ、橋上にVストローム250を止め、胸をなでおろすのだった。

▲宮城県側の不忘山林道を下り-船引橋まで下った。ここまで来ればもう大丈夫

船引山峠から14・2キロのダートを走り切ったところが林道出口。
南蔵王不忘山林道は山形県側が8・0キロ、宮城県側が14・2キロ、合計すると22・2キロの奥羽山脈越えのロングダート。林道出口から0・2キロ走ったところが県道51号の峠で、七ヶ宿町と白石市の市町境になっている。

▲南蔵王不忘山林道の出口。霧に覆われている

大格闘の走破に祝杯!

県道51号→国道457号で白石に出ると、国道4号の白石ICで東北道に入り、仙台南ICで高速を降りた。仙台南IC近くの茂庭温泉「茂庭荘」に泊まった。

温泉から上がると夕食。南蔵王不忘山林道を大格闘の末に突破したので、まずは祝杯。生ビールを飲み干したあとで夕食を食べるのだった。

▲仙台の茂庭温泉「茂庭荘」に到着

▲茂庭温泉「茂庭荘」の夕食

東京→青森林道走破行 2017(2)へ続く

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賀曽利隆

賀曽利隆冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、バイクで世界の6大陸を駆け巡る。
1982年には「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦。1987年には「サハラ砂漠往復縦断」。7度の「日本一周」を成しとげ、「70代編日本一周」を目指している。
ツーリングマップル東北の担当ライダーで、東北の道という道を精力的に走っている。
モットーは「生涯旅人!」

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