トライアスロンに参加してみて あらためて感じた「バイク」の凄さとは!?

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

最近、趣味でやっているトライアスロンの大会に参加してきました。オリンピックディスタンスというトライアスロンでは一般的な種目で、猪苗代湖を1.5km泳いで、バイクで40kmを駆け抜け、最後に10kmをランニングする計51.5kmのコースになっています。

トレーニング不足で記録はダメダメでしたが、幸運にもなんとか完走することができました。

速い人は平均40km/h以上で走り切る

実は私、3種目の中で特に苦手なのがバイク。ここで言うバイクとは自転車のことです。

トライアスロンで使う自転車はロードレーサータイプでモーターサイクルに例えればスーパースポーツの位置付け。速く走ることに特化した性能が与えられ、極限まで軽量化されているのが特徴です。

速い人だとバイクのパートを1時間弱で走り切るため、平均すると40km/h以上の速度で走っていることになります。上り坂も少なくないことを考えると、これは驚異的です。ちなみに自分は平均30km/hにも程遠い実力。可憐な女性トライアスリートにも次々にぶっちぎられます(笑)。

トップアスリートでも1馬力程度。

それはさておき、速い人とどこが違うのか!? 分析するに最も大きな違いはエンジン、つまり脚力ですね。脚力というと、太腿の筋肉が発達していればいいと思われがちですが、上級者ほど全身の筋肉をバランスよく使って駆動力に変換しているようです。

もちろん、エンジンに燃料を送り込むポンプである心臓も強くないとハイペースは保てません。トップアスリートを見ていると、同じ人間とは思えないパワーで上り坂でも突き進んでいきますが、それでも人間が出せるピークパワーはたったの1馬力程度だそうです。

それを考えると、自転車というのは非常に効率的な乗り物だと感心するとともに、モーターサイクルの偉大さもあらためて実感してしまいます。だって、最も非力な50ccスクーターでも4馬力程度は出ているわけですから。

最もシビアなのは実は空気との戦い

もうひとつ気づいたのは、ライディングフォームです。上級者は皆、背中が地面と平行になるぐらいまで伏せたクラウチングスタイルをキープしたまま走り続けます。

実は自転車で速く走ろうと思うほどシビアさが一気に増すのが空気抵抗。モーターサイクルであれば40km/h程度は鼻歌まじりでしょうが、自転車ではすでに風圧との闘いです。体感的には25km/h辺りを過ぎると徐々に空気抵抗が重く感じられるようになります。

ちなみに公式によると空気抵抗は速度の二乗に比例するそうで、つまり2倍の速度で走ると4倍の空気抵抗がかかってくるという計算です。

なので、レーサー達は少しでも空力を高めるために、ハンドル前方で肘を絞るようにして全面投影面積を減らし、裸のようなピッタリとしたスーツを着ているわけです。

高性能マシンを操れるかは腕次第

マシンの性能差もあります。トライアスロン3種目の中では唯一道具を使う種目なので、そこが面白い部分でもあります。上級者はだいたいTTバイクというタイムトライアル用に作られた専用モデルを投入している場合が多いです。TTバイクはとにかく直線スピードを稼ぐ設計になっているのが特徴で、フレームはカーボンなどで薄く作られ、デザインも空力重視。ポジションも極端に前傾かつ前乗りになっています。

一方でハンドリングやコーナリング性能はやや犠牲にされているとかで、素人ではなかなか乗りこなせない代物のようです。モーターサイクルに例えるなら「直線番長タイプ」か「最速マシン系」あたりでしょうか。

いくら高性能であっても、速く走らせるためには乗り手のスキルが問われる点では、モーターサイクルも自転車も同じかもしれませんね。ちなみに私は分相応に扱いやすさ重視の初級モデルを使っています。マシンの性能云々を語る前に、まずは己の肉体改造からですね。

というわけで、トライアスロンの自転車であがきまくったおかげで、あらためてモーターサイクルのパワーと快適さに感激したわけです。と同時に自転車の奥深さも楽しめました。

バイクとバイク。同じ呼び名で紛らわしいですが、それぞれに素晴らしい乗り物ですね。

ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

国産・外車を問わずミニモトからビッグバイクまで、どんなバイクでも乗りこなすモータージャーナリストとして2輪専門誌等で活躍中。
16歳から乗り継いだバイク30台、テストライド経験300台以上。装備や用品、カスタムパーツのテストも数多くこなしてきた。
MFJ公認インストラクター。米国ケビン・シュワンツ・スクール修了。

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