インディアンから新型「スカウト・ボバー」が登場 最近注目を集めるボバースタイルとは!?

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

インディアン・モーターサイクルから新型「インディアン・スカウト・ボバー」が発表された。

スカウト・ファミリーで最も新しいモデルである、スカウト・ボバーは、チョッパーやボバーなど、大戦後に起きたストリップ・カスタム・ムーブメントに敬意を払い、製作されたものだとか。

「STRIP IT DOWN」というキャッチフレーズからも分かるとおり、質実剛健をテーマに、余計な装備は削ぎ落とし、純粋なライディングを楽しむモデルとして開発されている。

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◆【新車】インディアン、スカウト・ファミリーに質実剛健な新モデル「Scout Bobber」を発売

専用パーツを投入した削ぎ落し系カスタム

スカウト・ボバーにはスタンダードのスカウトとは異なる専用パーツが装備されているのが特徴だ。

ローライズなトラッカーハンドルバーと38mm後退したフットペグで、より一体感のあるアーバンライディングに対応。足周りにはローダウンリアショックユニット(STD比1インチダウン)、ブラックホイールにボバー専用タイヤを装備し、アグレッシブな印象が与えられている。

カラーリングもエンジンやフレーム、マフラーなど車体の大部分をブラックアウトし、ハンドルバーやミラー、ヘッドライトカバー、メーターパネルなどのパーツもすべて黒で統一するなど、シックにまとめた。

前後チョップドフェンダー、ツートンレザーボバーシート、ブロックレターバッジ等、シンプルかつ精悍な雰囲気が特徴となっている。

また、専用レザーパッセンジャーシートやサドルバッグなど、多彩なカスタマイズパーツも用意。1000ccオーバーのクルーザークラスで200万円を切る価格も魅力となっている。

最近一躍脚光を浴びているボバースタイル

最近、「ボバー」というジャンルが一躍脚光を浴びている。

昨年末から今年にかけて、トライアンフ「ボンネビル・ボバー」や、モトグッツィ「V9ボバー」が相次いでリリースされ、ついにホンダからも、ボバースタイルを前面に打ち出した、新型「レブル250/500」が発売されている。

ハーレーでも、スポーツスターファミリー「アイアン883」などはボバーを強く意識したモデルと言っていいだろう。

▲アイアン883

ボバーの元祖は“走り屋系”だった!?

そこで疑問。そもそも、ボバーとは一体何なのか、ちょっと考えてみたい。

元々は英語の「BOBB=短く切り落とす」という意味で、競走馬の尻尾を短く切ることが語源だとか。日本では女性のショートカットの髪型としても昔から馴染みのある言葉だろう。

バイクに関してボバーという言葉が出てきたのは戦後のこと。

その起源はアメリカで発祥したダートトラックレースにあるとされ、より速く走るために無駄なパーツを削ぎ落し、フェンダーを短く切り詰め、ハンドルも低くセットした、当時のレーサースタイルを真似たカスタムのことを「BOBBER」と呼んだらしい。

つまり、走りを重視したカスタムということだ。

現代版ボバーはシンプルでスタイリッシュ

元々がアメリカ発祥のモーターサイクル文化であるからして、ハーレーや今回のインディアン「スカウト・ボバー」はまさに本家本元ということになる。

まとめると、“アメリカンなバイクをベースに、走りにこだわったカスタムを施したモデル”が「ボバー」という解釈が成り立つかと。

これが近年になり、再び新たな潮流として復活したわけだが、そこに現代風のスタイリッシュな感性が注入されて、ロー&ロング(低く長いシルエット)、シンプル(飾らない)、ローメタル(無垢の素材感)、ブラックアウト(黒を基調)などのキーワードが並ぶことになったわけだ。

対する「チョッパー」はカントリー風

他にも似た系統としては「チョッパー」があり、これも元々は切り刻むという意味で、フレームそのものを切った貼ったして、寝かせたロングフォークや超ライズアップハンドル、豆粒のようなタンクなどが定番の装い。

古くはアメリカンニューシネマの名作『イージーライダー』でキャプテン・アメリカが乗っていたバイクのようなイメージが代表的かと。

これは私見だが、同じアメリカンカスタムにあって、チョッパーはカントリー風であるの対し、ボバーはより都会的なテイストと言っていいだろう。

アメリカンは和製英語

蛇足だが、「アメリカンモデル」とは和製英語である。

かつて日本でスポーツモデル全般を「ヨーロピアンモデル」と呼んでいた時代に、それ以外のハーレー的なスタイルのモデルのことをそう呼んでいた。

今ではこうした“ゆったり系”モデルは世界共通の「クルーザー」というジャンルで括られ、メーカーでもアメリカンとは呼ばなくなった。

かつてアメリカンは威風堂々とした煌めくラグジュアリー感と豪華装備によって見る者を圧倒する存在であり、人々の憧れの的だった。

それが時代の流れによる、価値観の変化や若者世代のライフスタイル、美意識と呼応して大きく変わりつつある。否、むしろ価値観の多様化と言っていいだろう。

「ボバー」とは不要なモノで溢れかえった現代社会へのアンチテーゼでもあるのだ。

ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

国産・外車を問わずミニモトからビッグバイクまで、どんなバイクでも乗りこなすモータージャーナリストとして2輪専門誌等で活躍中。
16歳から乗り継いだバイク30台、テストライド経験300台以上。装備や用品、カスタムパーツのテストも数多くこなしてきた。
MFJ公認インストラクター。米国ケビン・シュワンツ・スクール修了。

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