賀曽利隆の「SSTR(サンライズ・サンセット・ツーリングラリー)2017」

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

超人気ツーリングラリーSSTR。カソリはもちろん今年も参加!

5月20日(土)、5月21日(日)の両日、SSTRが開催された。
SSTRというのは「サンライズ・サンセット・ツーリングラリー」のことで、参加者は日の出とともに太平洋岸を出発し、日没までに能登半島の千里浜にゴールするというもの。その間では高速道路のSAやPA、道の駅のスタンプをラリー帳に押していく。

冒険家の風間深志さんの主催するSSTRは超人気。今年は何と北は北海道から南は鹿児島県まで、沖縄県を除く46都道府県のライダーが参戦し、その数は2500人を超えた。

今年は出迎え役!? それなら今年も…

ぼくは昨年、みなさんをゴールで出迎えたのだが、それが喜ばれたので今年は出迎えに徹することにした。といってもバイク乗りのカソリ、出迎えだけで千里浜までは行きたくない。

それでどうしたかというと、前日の5月19日(金)に「一人ぼっちのSSTR」をすることにした。出発点は神奈川県伊勢原市の我が家に近い相模湾の平塚海岸だ。

日の出時刻の4時39分、相棒のスズキSV650とともに平塚海岸に立った。ここは我が初日の出ポイントで、今年もここから相模湾に昇るきれいな朝日を見た。

ところがあれから5ヶ月もたつと、朝日はずっと北の内陸部から昇るのだ。「しまった!」とあわててSV650を走らせ、海沿いの国道134号を東に走ったが、残念ながら海から昇る朝日を見られなかった。そのかわりに茅ヶ崎の市街地の上に昇った朝日を見た。

▲04:39 相模湾の平塚海岸を出発(0キロ)

▲04:50 茅ヶ崎に昇る朝日(4キロ)

ルートは自由なSSTR。今年のテーマは「御朱印」で!

さー、目指せ、千里浜。SSTRの大きな魅力は参加者のみなさんが各人のルートで千里浜を目指すところにあると思うが、カソリのSSTR2017では平塚海岸のある相模から千里浜のある能登まで旧国を意識して走ることにした。

相模→甲斐→信濃→飛騨→越中→能登の6ヶ国を通るのだが、それぞれの国の一宮をめぐり、各一宮の御朱印(紙)をラリー帳に貼っていくことにした。

5時00分、相模の一宮の寒川神社に到着。参拝を終えると、第1枚目の御朱印をラリー帳に貼った。といってもこの時間だとまだ社務所は開いていないので、ここだけは前日に来て、御朱印をあらかじめもらっておいたのだ。

▲05:00 寒川神社(相模の一宮)を参拝(9キロ)

富士、ほうとう、参拝、御朱印!

寒川神社に近い寒川北ICから圏央道に入り、八王子JCTからは中央道を走る。中央道の初狩PAでラリー帳にスタンプを押す。高速道のPA、SAのスタンプは24時間、いつでも押せるのでスタンプラリーにはとっても便利。初狩PAからは富士山がきれいに見える。

▲05:55 初狩PA(中央道)から見る富士山(86キロ)

勝沼ICで中央道を降りると、国道20号で甲斐の一宮の浅間神社へ。到着は6時30分。御朱印をもらえるのは8時30分から。ここで2時間も待てないので、残念ながら浅間神社の御朱印はパスした。寒川神社と同じように、前日に来て御朱印をもらっておけばよかった。

▲06:30 浅間神社(甲斐の一宮)を参拝(106キロ)

浅間神社の参拝を終えると、一宮御坂ICで中央道に入り、双葉SAで朝食。ここでは定番の「ほうとう」(750円)を食べた。

▲07:10 双葉SA(中央道)で朝食。「ほうとう」を食べる(134キロ)

双葉SAのスタンプを押すと出発。諏訪ICで中央道を降りると、国道20号で信濃の一宮の諏訪大社(下社秋宮)へ。到着は8時40分。「御神湯」の温泉を飲んで参拝。そのあとで御朱印(500円)をもらった。

諏訪大社は上社の前宮(茅野市)と本宮(諏訪市)、それと下諏訪町の下社の春宮と秋宮の4社から成っているが、参拝は下社の秋宮だけにした。

▲08:40 諏訪大社(信濃の一宮)を参拝(186キロ)

捗るスタンプ収集。塩尻、鳥居峠を超える

下諏訪から国道20号で塩尻峠を越えると、道の駅「小坂田公園」のスタンプを押し、塩尻からは国道19号を行く。

塩尻から木曽福島までの40キロ間は道の駅銀座といったところで、その間には「木曽ならかわ」、「奈良井木曽の大橋」、「きそむら」、「日義木曽駒高原」と4ヶ所の道の駅がある。

「奈良井木曽大橋」にはスタンプはないが、それ以外の3ヶ所で次々にスタンプを押した。「奈良井木曽大橋」と「きそむら」の間では鳥居峠を越える。

▲09:15 国道20号の塩尻峠を越える(192キロ)

▲10:55 道の駅「木曽駒高原」から見る木曽駒ヶ岳(258キロ)

青空を背に際立つ、木曽のシンボル「御岳」

木曽福島(木曽町)からは、今回のハイライトシーンといっていい飛騨街道の国道361号を行く。まずは旧道で地蔵峠を越える。峠には地蔵がまつられている。

峠を下ったところに展望台があるが、そこから見る御岳(3067m)は絶景だ。抜けるような青空を背にして御岳の残雪がひときわ際立っている。御岳の上空にはポッカリと白い雲が浮かんでいる。

▲11:20 国道361号旧道の地蔵峠から見る御岳(272キロ)

開田高原で国道361号に合流すると、次に九蔵峠を越えるが、ここから見る御岳もじつに素晴らしい眺め。御岳はまさに木曽のシンボル。SV650を止めると、しばらくは見入ってしまった。

▲11:35 国道361号の九蔵峠から見る御岳(282キロ)

雪と大格闘した、思い出の長峰峠

国道361号で長野・岐阜県境の長峰峠(1350m)を越える。
旧国でいえば信濃・飛騨国境の峠。長峰峠を境にして飛騨側では国道361号を木曽街道と呼んでいる。飛騨街道が木曽街道と名前を変える。

▲12:00 国道361号の長峰峠を越える(295キロ)

長峰峠には「峠の茶屋」があるが、残念ながら閉まっていた。ここで「開田そば」を食べたかったのだが…。長峰峠は冬期でも越えられる峠。「雪の峠越えに挑戦!」とばかりに、雪と大格闘して厳冬期の長峰峠を越えた思い出が鮮やかによみがえってくる。

長峰峠を下ったところにある道の駅「たかね工房」で昼食。「飛騨高山ラーメン」(600円)を食べた。縮れ系の細麺。さっぱりした醤油味で昔なつかしい「中華そば」の味がする。
ここでスタンプを押し、さらに次の道の駅「ひだ朝日村」でもスタンプを押す。

▲12:15 道の駅「飛騨たかね工房」で昼食。「飛騨高山ラーメン」を食べる(313キロ)

宮峠を越え、日本海へ向かう

国道361号は新道で美女峠を越えて高山に通じているが、県道87号で久々野へ。そこからは国道41号で宮峠を越える。
塩尻峠、鳥居峠、長峰峠、宮峠の4峠は、日本列島を太平洋と日本海に分ける中央分水嶺の峠。太平洋側と日本海側を行ったり来たりしたが、宮峠を最後に日本海へと向かっていく。

▲13:06 国道41号の宮峠(国道41号)を越える(338キロ)

宮峠の峠下に飛騨の一宮の水無神社がある。参拝を終えると社務所で御朱印(300円)をもらう。水無神社から国道41号で高山へ。高山到着は13時40分。
出発点の平塚海岸から352キロだ。

▲13:10 水無神社(飛騨の一宮)を参拝(341キロ)

▲13:40 高山IC(中部縦貫道)から見る御岳(352キロ)

山々は遠ざかり、平野が広がり、時間が迫る!

高山からは中部縦貫道→東海北陸道で飛騨から越中に入り、福光ICで高速道を降りた。

風景が劇的に変わる。幾重にも重なりあった山々は遠ざかり、目の前には茫々とした平野が広がっている。その中に越中の一宮の高瀬神社がある。参拝を終えると御朱印(300円)をもらい、ラリー帳に貼りつけた。残るはあと1社、能登の気多大社だけになった。

▲15:05 高瀬神社(越中の一宮)を参拝(438キロ)

国道156号経由で北陸道の砺波ICに到着したのは15時30分。何としても17時までには気多大社に着きたい。

小矢部砺波JCTで北陸道から能越道に入り、氷見ICで高速道を降りたのは16時。そこから国道415号で能登半島を横断。熊無峠を越えて富山県(越中)から石川県(能登)に入り、16時30分、羽咋に到着。「これでもう大丈夫!」とホッとする。

羽咋の中心街から国道249号を北上し、能登の一宮の気多大社に到着したのは16時45分。平塚海岸から509キロを走っての到着だ。気多大社は修理中でシートに覆われていたが、参拝を終えると最後の御朱印(300円)をもらい、ラリー帳に貼りつけた。

その瞬間、ぼくはすごい宝物を手にしたかのような気分を味わった。

▲16:45 気多大社(能登の一宮)を参拝(509キロ)

▲16:50 気多大社で最後の御朱印をもらう(509キロ)

気多大社を後にすると、羽咋に戻り、千里浜のなぎさドライブウェイを走る。一人ぼっちのビクトリーラン。
夕暮れのなぎさドライブウェイを走る車は少なく、バイクは1台も見なかった。

一人ぼっちのSSTR完遂!日本海に沈む夕日と「来年の野望」

17時20分、SSTRのゴール地点まで行ったところで、一人ぼっちのSSTRも終わりにする。
平塚海岸から517キロのゴール地点では、風間深志さんが翌日のイベントの準備で忙しそうにしていた。そんな風間さんに、カソリのゴールシーンの写真をとってもらった。

▲17:20 千里浜にゴール!(517キロ)

それからは日本海の水平線に落ちていく夕日を見つづける。快晴の日本海には一片の雲もかかっていない。夕日は刻一刻と水平線に近づき、18時58分に沈んだ。

▲18:58 千里浜で見る日本海に落ちる夕日(517キロ)

夕日が沈んだのを見届けると、「よ~し、来年のSSTRは峠越えバージョンで行こう!」と決めた。箱根峠を皮切りに、できるだけ多くの峠を越えて千里浜にゴールするのだ。
そう心に決めると、SSTR2018が俄然、楽しみになった。

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賀曽利隆

賀曽利隆冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、バイクで世界の6大陸を駆け巡る。
1982年には「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦。1987年には「サハラ砂漠往復縦断」。7度の「日本一周」を成しとげ、「70代編日本一周」を目指している。
ツーリングマップル東北の担当ライダーで、東北の道という道を精力的に走っている。
モットーは「生涯旅人!」

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