「GSX-R1000試乗直後」の肉声をあらためて振り返る

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

試乗の「印象」は試乗直後の肉声に勝るものなし

今年の2月、私はオーストラリアのフィリップアイランドサーキットで、新しいGSX-R1000Rに乗り、その試乗記を本コラムやいくつかの専門誌で紹介してきました。

【関連ニュース】
◆新型「GSX-R1000」は伝統と革新の融合形! 【海外試乗コラム】

言いたいことは全てお伝えしてきたつもりなのですが、ここでアップした動画を見ると、試乗直後に印象的だったことが矢継ぎ早に私の口から出ていて、ちょっと意外な気もしています。

本人は何を言ったかほとんど忘れているのに、手前味噌ながら、最も伝えたい要点に言及されていたからです。

というわけで、まずは動画をご覧下さい。

新技術あってこその「正常進化」

ここでGSX-R1000の素晴らしさを振り返っておくと、それは「正常進化」の上に全てが高次元化されて、バイクが生み出されているということに尽きると思います。

エンジンは、ワイドレンジでトータルバランスに優れ、クラス最強の202馬力というパワーを引き出しながらも扱いやすいのです。
そのために各種電子制御デバイスが投入されているのですが、その存在を感じさせず、フィーリングの繋がりも抜群です。

ニュートラルで信頼を寄せることのできるハンドリングはまさに正常進化形です。GSX-R1000Rに採用されたショーワのバランスフリーサスペンションが、そのことに貢献していることも確かです。

しかし、フレームの剛性に対する取り組みそのものは、「バランスを重視している」という部分については正常進化でも、新潮流を取り入れ、以前のモデルからやや方向を異にしているとも感じます。

フレーム単体の見た目は明らかに「きゃしゃ」です。スズキの技術者によると、エンジン搭載状態でのフレームの剛性値は従来型と同等なのだそうですが、乗車感は間違いなく「しなやか」です。ともかく、フレームが柔軟であれば、エンジンへの剛性部材としての依存度が高くなります。

また、フレームは左右のツインスパーとなっている間が、特に上側で形状が狭小化されており、そういったことで車体の捻れの中心は低くなっているというのが私の見方です。
つまり、柔軟にフレームがしなっても、バランスが良く、挙動は安定する。その分、コントローラブルで、情報量も豊かというわけです。
そして、電子制御の充実が、高性能をさらに高水準に発揮させることを可能としています。

新技術を取り入れるからこそ正常進化が可能で、高次元に正常進化させるには、単なる延長線上の技術を辿るだけではいけないということになりましょうか。

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和歌山利宏

和歌山利宏モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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