【日本と海外の違い】制限速度の意味とは

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

海外でバイクやクルマを運転すると、日本との交通ルールやマナーの違いについて考えさせられることが多い。

欧州では、市街地では低く、郊外では高く設定

たとえば制限速度。欧州をはじめとした海外の場合、生活道路は30km/hに設定されている場合が多い。入り組んだ市街地などではそれ以下の場合もある。

逆に郊外に出ると50、80、100と速度標識が目まぐるしく変わっていき、バイクやクルマの流れる速度も変化していく。制限速度の標識が機能していることを感じる。

市街地では当然、交通も混雑しているし、歩行者も多く、事故のリスクが高くなるので、速度は低く制限されているのは当然といえば当然である。

速度を下げさせる工夫

制限速度だけではない。

住宅街や学校の近くには、ハンプと呼ばれるコブのような隆起した路面になっている。加えて路面の色も目立つカラーになっていたり、と視覚的にも強制的に速度を下げさせる工夫をしている。

特に学校近くなどは、横断歩道が道路より一段高くなっている構造なども見かける。

徒歩で越える分には大したことはないのだが、これがクルマに乗っていると、低速でもけっこうな突き上げを食らうため、速度を落とさざるを得ない。

シンプルかつ効果的なアイデアだ。

日本では、生活道路も含めて都市部でも田舎でも40km/h

翻って我が国はどうだろう。

最近では、生活道路の区域では原則的に30km/hを上限とした「ゾーン30」を適用したり、ハンプや減速させるためのポールを設置する取り組みなども増えてきた。

ただ、生活道路も含めて都市部でも田舎でも40km/h、幹線道路や、峠のワインディングロードでも、判で押したように40km/hの標識がまだまだ多い気がする。

地方に行くと、見通しの良い直線の田舎道を制限速度ぴったりで走っているクルマを見かけることも多い。明らかに後ろが詰まっているのに、一向に道を譲る様子もないと、ちょっとイラッとくることも。

一方で朝の通勤ラッシュ時などは、黄色い帽子をかぶった小学生が列をなして歩いている細い通学路を、物凄いスピードで飛ばしているクルマもいる。

とても40km/h とは思えない。ただ、たとえ40km/hでも、クルマとまともにぶつかったら命を落とす危険が高い。ちなみに、30km/hを境に死亡事故率が跳ね上がるというデータがある。生活道路では40km/hでも高すぎるのだ。

シチュエーション別の交通実情に合った制限速度

高速道路ではどうか。後続を何台も従えて、追い越し車線をだらだらと走っているクルマを見かけることがある。

「自分は制限速度を守っている優良ドライバー」と思い込んでいるフシがあるが、その実、追い越し車線を連続して走り続けるのは、立派な道路交通法違反である。

もとい、制限速度を守ること、つまり法律を守ることは国民の義務である。ただ、その制限速度のあり方に疑問はないだろうか。

何もアウトバーンのように速度無制限にしろ、と言っているわけではないし、とにかく速度は低ければ良いというわけでもない。

市街地や郊外、生活道路や幹線道路といったシチュエーション別の交通実情に合った制限速度をもっと細かく設定すべきではないかということだ。

冒頭に挙げた海外の例のように、もっと弾力性のある制限速度を設定しても良いのでは?と思う。

それこそAIを駆使して、安全性や効率を計算させてみてもいいだろう。「決まりは決まりだから守るしかない」というのでは進歩がない。

欧州では違反させないための工夫が取り込まれている

ちなみに欧州では街の入口付近にオービスがあり、赤やオレンジなど目立つ大きな箱に入っているタイプをよく見かける。

目立たせることでスピード違反の抑止力になっているわけだ。取り締まる側もちょっと考え方を改めて、違反者を捕まえるためではなく違反させないための工夫に知恵を絞ってもよいと思う。

ドライバー側も「スピードを出すと捕まるから」という理由で制限速度を守るのでは情けない。

もし捕まらなければ、あるいは法律が緩ければ速度を出すのだろうか。そうではないはずだ。

人や家族、自分の安全を守るために自制し、ルールを守るのではないか。
道路を利用する皆が納得できて、幸せになれる方法を考えていきたいものだ。

ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

国産・外車を問わずミニモトからビッグバイクまで、どんなバイクでも乗りこなすモータージャーナリストとして2輪専門誌等で活躍中。
16歳から乗り継いだバイク30台、テストライド経験300台以上。装備や用品、カスタムパーツのテストも数多くこなしてきた。
MFJ公認インストラクター。米国ケビン・シュワンツ・スクール修了。

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