9月の生産終了が迫る!バイクの「平成28年排出ガス規制」で多くのモデルが岐路に

【Webikeニュース編集部】

主にヨーロッパの排ガス規制EURO4と基準を合わせるべく定められた「平成28年排出ガス規制」によって、多くのモデルが生産終了となる見通しだ。

すばりキーワードは「2」。

この数字を持つかどうかによって、2017年の9月1日に迫る「継続生産車」生産終了時期を超えられるかどうかが決まってくるのだ。

平成28年度規制とは?

平成28年度規制は、EUで施行される「ユーロ4」との整合性を図ったものとなっており、国際基準と日本の基準を近づける狙いがある。
これで車体メーカーは各国向けにそれぞれの仕様を作り分ける必要が減るために、トータルでのコスト削減になり、「国内仕様」「逆輸入仕様」といった境目はほとんどなくなる。
ただし、この恩恵はおもに大排気量の車両に限られる。

また、今回の改正においては排出ガス以外の規制も加わっており、バイクの「車載式故障診断装置(OBDシステム)」装備義務化と「燃料蒸発ガス規制」の導入だ。

【あわせて読みたい】
◆10月から適応されるバイクの平成28年排出ガス規制で、「新型車」「継続生産車」はどうなるか!?
◆2018年から義務化されるABS。 その有効性と、ABS義務化による実際の影響は?

排出ガス規制の識別記号、28年規制は「2」

車やバイクの型式において、どの排出ガス規制に対応しているかが併せて示されていると言うのはあまり知られていない。
実はバイクの型式の前に排出ガス規制の識別記号が付与されており、そこで判断することができる。

例を挙げてみよう。
ホンダのCB400SF、自ずと知れた名機で、数多くのライダーにとって教習車として馴染みの深い車両だろう。2017年5月現在Hondaのカタログにラインナップされている現行車の型式表記は「EBL-NC42」となっている。
そして次に同じホンダの最新ラインナップであるCBR400Rだが、「2BL-NC47」と記載されている。

▲CB400SFは「EBL-NC42」

▲今年マイナーチェンジしたCBR400Rは「2BL-NC47」

この中の排出ガス識別記号を確認すると、「EBL」のCB400SFは現時点では9月1日をもって生産が終了となる車種であり、「2BL」のCBR400Rは新しい規制をパスするという事が分かるのだ。

現行ラインナップで「2」を持たない車両は生産終了へ

▲排出ガス規制識別記号一覧

上図の表が、国土交通省で公開されている「排出ガス規制識別記号一覧表」となっており、平成28年度規制においては「2」という番号が用いられていることが確認できる。

>>国土交通省「自動車排出ガス規制の識別記号一覧」(PDFデータ)

その為、バイクにおいては識別記号に「2」がついていない「継続生産車」は9月1日をもって生産終了となるという事を表しているのだ。

今回の規制において開発コストが掛かるワケ

ただでさえ以前の基準に併せて制作されたバイクをFI化し、スペースの限界に達している車体に、OBDシステムや、今後義務化が予定されているABSユニットを搭載するということは、車体設計の「直し」が必要となることは想像に難くない。

【関連ニュース】
◆2018年から義務化されるABS。 その有効性と、ABS義務化による実際の影響は?

今まさに、「継続生産車」にとっては、新しい平成28年度排ガス規制と、まもなく対応が必要なABSの義務化というダブルパンチが待っているのだ。
当然、開発のコストと追加装備のコストがメーカーの、そしてユーザーの負担になるものだ。

整理される各メーカーの中型、小型車両ラインナップ

ヨーロッパ市場でも販売している600ccクラス以上の大型バイクは、一部のラインナップこそ整理されるものの、開発のスケールメリットも多く、新しい排出ガス規制に対応しているモデルも発表されている。

ただし、カワサキ・ZRX1200 DAEGやヤマハ・XJR1300など、早々に生産終了を告知したビッグバイクも多い。日本では多く見かける2本サスのビッグネイキッドも海外での販売はあまり行われておらず、今回の規制でラインナップを見直されているのも事実だ。

▲各メーカーのビッグネイキッドが生産終了となる中、CB1300SFはどうなるか

また、250ccクラスにおいてもホンダ・CBR250RRや、スズキ・GSX-250Rなど新規制対応の車種がラインナップされ始めている。
それはアジア各国においても250ccクラスはトップカテゴリとして位置づけられ開発の主軸になっているからだ。
東南アジアの大気汚染も年々深刻であり、厳しい環境規制を課す国も少なくない。

▲エストレヤ ファイナルエディション

空冷エンジンを搭載する250ccシングルモデルも軒並み生産終了が告知されており、カワサキ・エストレヤのファイナルエディションが発表されたのは記憶に新しい。

水冷250ccのVツインエンジンを搭載するホンダのVTRも新しい環境規制に対応しておらず去就が注目される。初代VTから受け継がれてきた貴重なパワーユニットであり前回の排出ガス規制も、モデルチェンジで乗り越えてきた名機だ。

▲エンジンの耐久性も高く、以前は高回転型ハイパワーエンジンだったMC33型エンジン

【関連ニュース】
◆カワサキ、生産終了となる「ESTRELLA」に Final Editionを追加 人気を博したクラシックモデル
◆ホンダのFTRとCB223Sが生産終了へ。カスタムベースから気軽に楽しめるバイクとして愛された1台

▲長く愛されてきたSR400も今回の規制は厳しいか

なにより今回の規制で岐路に立たされるのは400ccの「ガラパゴス」モデルである。400ccは日本独自の排気量で免許制度とともに育ってきたカテゴリだ。

ホンダなど一部欧州のミドルクラス500ccとコンポーネントを共用しているモデル以外は、日本でしか流通していない車両も多い。前述のCBR400Rは海外ではCBR500Rとしてラインナップされているのだ。

日本を主戦場としてきた400ccアメリカンなどは、今回の規制でラインナップに影響が出ることは必死の情勢と言える。

▲ヤマハのドラッグスター400、250共にモデルチェンジはまだ発表されていない。

ドラッグスター400や、生産終了が決まっているホンダ・シャドウ400、スズキ・ブルバード400などは、アメリカンブームを牽引してきたモデル達だ。

空白の期間が出来るのは以前の規制と同じ

振り返ってみると平成18年、19年の排出ガス規制改正後にもバイクのラインナップ減少があった。その後各社FI化の対策などを施して順次発売を再開していった時期もあったのだ。

ただ、今回の規制においては2輪業界の目指す「2020年の国内販売100万台」実現に向けて大きくブレーキを掛けてしまったことは事実だろう。

▲50年という長きに渡って愛されたモンキーシリーズもこれで見納め

ホンダモンキーのように50ccの限界を迎え、50周年という節目にロングセラーモデルが生産終了と発表された例もあるが、それでもなお、名車たちが再びラインナップに復活することを願って止まない。

【あわせて読みたい】
◆10月から適応されるバイクの平成28年排出ガス規制で、「新型車」「継続生産車」はどうなるか!?
◆2018年から義務化されるABS。 その有効性と、ABS義務化による実際の影響は?

関連記事

編集部おすすめ

  1. ”コカ・コーラ”鈴鹿8耐へのエントリーしているTeam KAGAYAMAは、第40回の記念大…
  2. レジェンドバイク&ライダーによるデモランが決定! 鈴鹿サーキットは、鈴鹿8耐 第40回記念…
  3. クラフトマンシップが反映されたナポレオンミラー 機能性と洗練されたデザインで、長年に渡り数…
  4. 狭い場所での作業に優れた、携行しておきたい工具 点検整備に使用する作業工具などを扱うTON…
ページ上部へ戻る