2017東京モーターサイクルショーを総括する 「若返り」「等身大」バイクが身近な存在に

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

先週末の3月24日(金)~26日(日)にかけて開催された「第44回東京モーターサイクルショー」は大盛況のうちに幕を閉じました。
来場者数も過去最大となる14万6,495人と、前年の13万2,575人を大幅に更新する結果となりました。

施設の工事の関係で、今年は人気の試乗会が中止されたこともあり、来場者数にも影響するかと思われましたが、蓋を開けてみれば初日から老若男女、多くのファンで会場は溢れていました。
それだけ多くの人にモーターサイクルへの関心が高まっているのだと思います。二輪業界にとっても、大変喜ばしいことです。

近年のモーターサイクルショーで感じる「若返り」

ライダーの平均年齢が53歳という最近のデータもあり、高齢化が進んでいると言われますが、会場を見渡す限り20代~30代の若い人も多く、半分ぐらいは若者層という感じがします。

ライディングウエアを着込んだ、いかにも筋金入りのベテランライダー風の人もいますが、全体的にはライトでカジュアルな感じの人が増えました。
きっと、「これからバイクに乗り始めたい」と思っている人も多く含まれているのではないでしょうか。

女性や家族連れ、子供の姿も多く見られるなど、モーターサイクル文化の一般社会への浸透と、すそ野の広がりを感じました。
と、同時にそのようなライダー予備軍を継続的に増やしていくことが、今後の二輪業界の課題と思った次第です。

「ウルトラマシン」の2016年からひと段落した2017年

▲国内初お披露目となったVストローム250

今回、各メーカーのブースを巡っていて感じたのは、「一段落」したなという感じです。

昨年までのカワサキ「H2R」やホンダ「RC213V-S」といった世間を驚愕させたウルトラマシンが鳴りを潜め、現実的に一般ユーザーでも手が届くモデルや、手軽な250ccモデルなどに注目が集まっているようでした。

特に、スズキ「Vストローム250」や、カワサキ「ヴェルシス250」、KTM「DUKE250」あたりは人だかりでしたし、実際に跨ってみて、車格やライディングポジション、足着き性などをチェックしている人が多く見られたのも、このクラスです。

また、「Z650」や「Ninja650」、「GSX-S750」、「ムルティストラーダ950」など、従来の人気車種の排気量を下げた、スケールダウンモデルにも関心が集まっているようでした。

今年の新型から見えてくる「等身大」を求めるユーザー

▲カワサキのヴェルシスシリーズも跨るライダーで大盛況

モーターサイクルは4輪のスポーツカーと同様、基本的には趣味の乗り物ではありますが、価格帯や実際に乗りこなせるスペックかどうかもシビアに判断しつつ「等身大」を求める賢明なユーザー層の姿が見えてきます。

メーカー側も全般的に地に足が着いたというか、壮大な未来を語るだけではない、モーターサイクルを通じた、身近な楽しみ方の提案が多かった気がします。成熟化とも言えるでしょうか。

一方で、「CBR1000RR/SP」や、「GSX-R1000/R」、「MT-10」などの電脳化された最新型スーパースポーツや、ハイパーネイキッドの実物をしげしげと見つめる人、バイクと一緒に記念写真を撮る人なども多く目に留まりました。

▲「走る宝石」とも呼ばれるMVアグスタのF4 RC

美しく気高い佇まいが印象的な高級海外ブランドモデルなどとともに、「いつかは乗ってみたい」と憧れる存在であり続けることも、またモーターサイクルの大事なエッセンスであり、魅力である、とあらためて感じた次第です。

4輪で急速に進む「電動化」 今後のバイクはどうなるか

また、近年注目されてきた「電動化」や「エコ」といった視点でのコンセプトについては、BMWの「C evolution」の国内発売がアナウンスされた以外、今回はあまり目立った動きはなかったように感じます。

4輪では、電動化に加え「自動化」の動きも急速に進んでいることを考えると、2輪は果たして今後どのような方向に舵を切っていくのか興味深いところではあります。

▲電動スクーター BMW C evolution(シー・エヴォリューション)

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◆【新車】BMW、初の電動スクーター「BMW C evolution(シー・エヴォリューション)」を5月12日に国内発売

MotoGPも同日に開幕し、いよいよシーズンイン!

開催日には世界最高峰の2輪モータースポーツ「MotoGP」が開幕し、国内最大級の2輪レースイベント「鈴鹿8耐」の発表会も行われるなど、モータースポーツ分野の活動もいよいよ本格化してきました。

今年も東京モーターサイクルショーを皮切りに、熱気あふれるシーズンの始まりを実感したところです。

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◆鈴鹿サーキット、”コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第40回記念大会 開催概要を発表

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ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

国産・外車を問わずミニモトからビッグバイクまで、どんなバイクでも乗りこなすモータージャーナリストとして2輪専門誌等で活躍中。
16歳から乗り継いだバイク30台、テストライド経験300台以上。装備や用品、カスタムパーツのテストも数多くこなしてきた。
MFJ公認インストラクター。米国ケビン・シュワンツ・スクール修了。

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