平成28年規制から2020年のEURO5へ 対応が続く「二輪車排出ガス規制」

【Webikeニュース編集部】

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平成28年規制で欧州規制EURO4とほぼ同等に

2016年の10月に日本で施行された二輪車排出ガスの「平成28年規制」によって、各メーカーのラインナップも変化があった。
この規制によって欧州規制の「EURO4」とほぼ同等の値となり、車両によっては仕向け地ごとの製作コストが削減でき、スペックも海外モデルと国内モデルで違いがなくなっていると言える。

二輪車の規制値は先行する4輪の規制値に向けて引き上げが続き、国と有識者、関係団体の協議の中で検討が進んできた。

1998年に初めて2輪車の排出ガス規制が開始されてから、バイクの電子制御化がFI(電子制御燃料噴射装置)の採用と共に進み、触媒やきめ細やかな燃調制御など排出ガスのクリーン化が進んできた。
走行性能と環境対応への両立を求められるメーカーも、その技術開発に腐心してきたと言える。

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2020年に予定される規制値でEURO5と足並みをそろえる

そして2020年には日本でも新たな規制が施行されることが予定されており、欧州の「EURO5」と同じ内容のものとされる見通しだ。
この規制値は4輪の規制値に追いつくレベルにまで設定されており、ようやく目標としていた「4輪と同等の規制レベル」に段階的にとはいえ到達する形となる。

平成28年規制から2020年規制の変化

CO 1.14g/km(平成28年規制) ⇒ 1g/km(2020年規制※予定)
NOx クラス1とクラス2は0.07g/km、クラス3は0.09g/km(平成28年規制) ⇒ 全クラス0.06g/km(2020年規制※予定)
※その他新設される規制値があり

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また、平成28年規制から導入された車載式故障診断装置(OBD)は今後、違法改造となるパーツの取り付けに関しても防止する役目を担うことも検討されており、基準値を上回るような排気パーツを取り付けした際に、何らかのシグナルを表示するなど考えられている。

排出ガス規制だけでなく、他にも欧州と異なる基準・規制は残っている。今後発表される2020年規制の施行内容に引き続き注目だ。

一般社団法人日本自動車工業会(JAMA)がまとめた、二輪車排ガス規制の変遷をまとめた資料は以下。

国際基準調和を推進する 二輪車排出ガス規制の動向

二輪車排出ガス規制の経緯

■初めての規制導入――平成10年規制(第1次規制)
自動車排出ガスの主な成分には、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)がある。二輪車の場合、NOxの排出割合は小さいものの、HCの割合は無視できるほど小さくはないとされ、1998年10月1日、わが国で初めての二輪車排出ガス規制(平成10年規制)がスタートした。

■大幅に強化された規制値――平成18年規制(第2次規制)
規制導入から8年後の2006年10月1日、政府は二輪車の排出ガス規制を強化(平成18年規制)。日本の二輪車排出ガス規制は一気に「世界で最も厳しいレベル」に引き上げられた。新旧の規制値を比較すると、NOxについては従来の50%削減、HCおよびCOについては、車種により75~85%もの削減が求められている。

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■国際基準調和へ――排出ガス試験にWMTCモードを採用

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2012年10月1日、わが国の二輪車排出ガス規制は、排出ガスの試験方法を変更したことで新しい局面を迎えた。それまでは排出ガスの測定に日本独自の測定方法が使われていたが、それに換えて国連で策定された「WMTC(Worldwide Motorcycle emissions Test Cycle)モード」という測定方法が導入されたのだ。

WMTCモードの測定区分は、排気量と最高速度によって「クラス1」から「クラス3」まで分かれており、より現実の走行実態に即した測定のため、日本が従来使ってきた測定モードよりも厳しい。このため日本での導入に当たっては、平成18年の規制水準を落とさない程度に、一部の規制値を調整(緩い値に)している。
WMTCモードに変更したことにより、日本の排出ガス規制は、欧州の規制である「EURO3」との比較が可能になり、国際基準調和の方向へと進路をとることとなった。

■日欧の規制レベルがほぼ調和――平成28年規制(第3次規制)

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2016年10月1日、WMTCモードが採用されてから初めての規制強化(平成28年規制)が行われた。それまでの規制値と比較して、COは約5割、HCは約3割、NOxは約6割の削減を求める数値に引き下げられた。また、これまで日本の車両区分に合わせていた規制値区分は、WMTCモードの測定区分へと改められ、よりいっそう国際的に通用する規制へと整序された。

さらにこの規制では、燃料タンクなどから排出される燃料蒸発ガスの測定方法や規制値を策定。加えて、排出ガス関連部品の故障を運転者に知らせるための車載式故障診断装置(OBD)を義務づけた。

こうした内容の平成28年規制は、欧州の「EURO4」とほぼ同等の規制になっている。すでに進んでいる騒音規制に加え、排出ガス規制の調和を図ってきたことで、二輪車に関する日本と欧州の設計仕様は大きく歩み寄ったものになる。

さまざまな技術革新で規制をクリア

こうした規制に二輪車メーカーはどう対応してきたか、一般社団法人日本自動車工業会(自工会)二輪車特別委員会の担当者は次のように話す。
「規制値はもちろん闇雲に決められているわけではなく、国と有識者が、業界の意見も踏まえながら検討を行っています。環境に与える影響に応じて、二輪車も相応の責任を負っていくというのが基本的な考えです」
高い規制目標をクリアするには、エンジンの燃焼効率を高めることはもちろん、FI(電子制御燃料噴射装置)化を進め、三元触媒や酸素センサーを搭載して排出ガスの浄化性能を高めるなど、さまざまな技術を二輪車に適用して製品開発を行ってきた。

担当者は、「地球環境への関心が高まる一方で、乗り物には走る楽しさを追求する面もあります。とくに二輪車は、いくら高い規制レベルをクリアしても、走りの魅力を失ったら意味がありません。二輪車の技術者は、環境性能と走行性能の両立に、まさに心血を注いでいると思います」と話している。

2020年の規制強化で一定の到達点へ

今後の規制について検討されている内容をみると、日本の次期規制(第4次規制)は2020年の「EURO5」と同等の規制とすることが検討されており、日本と欧州の規制はいわば“完全調和”へと向かう。また、この規制レベルは四輪車の規制にほぼ追いつく水準となっており、二輪車が目指すべき一定の到達点にたどり着く内容となっている。

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自工会担当者は、「到達点が見えてきたとはいえ、2020年以降は粒子状物質(PM)の規制も加わって、排出ガス試験もますます厳しい方法が検討されるようになると思います。とくに今後の課題は、いかに新車の環境性能を担保していくかということに関心が向き、排出ガス系の故障を検出したり、汚染源となる違法改造車を撲滅しようという方向に向かうと考えられます。二輪車メーカーがいま一生懸命取り組んでいるのもOBDシステムの開発で、ユーザーに故障を知らせるだけでなく、違法改造を防止する機構としても役立つと考えられます」という。

そして国際基準調和が進むことによって、さらに将来的にどのようなメリットが生じるかについては、「日本で型式認定を取った二輪車なら、欧州で再取得しなくても流通できるようになれば理想的です。基準が統一されることで各国の行政手続きが効率化されたり、二輪車メーカーにとっては開発コストの軽減につながったり、それが製品価格に反映できればユーザーにもメリットが生まれます」と話している。

騒音規制や排出ガス規制のほか、保安基準などにも規格を統一すべき項目は数多くあるが、国際基準調和への取り組みは、日本をはじめ各国の二輪車業界が目指す大きな潮流となりそうだ。

JAMA「Motorcycle Information」2016年12月号ズームアップより
※この記事は発表当時(2016年12月)の内容を掲載したものです。

情報提供元 [ BIKE LOVE FORUM ]

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