賀曽利隆「福島・山形・宮城」東北中部 林道走破行

【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】

3054_第14本目。小荒沢岳山林道と大滝キャンプ場への道との分岐。この先で転倒・・・

みなさ~ん、今年はバイクで林道を走りましょう~。
ということで、昨年の秋に走ったカソリの林道走破行「東北中部編」をお伝えします。3日間で21本の林道を走り、ダート走行距離の合計は253.4キロになりました。
東北は日本一の「林道の宝庫」なのです!

【第1日目】林道走破行「東北中部編」。福島県からスタート!

10月25日8時、福島県の郡山に到着。ここが今回の林道走破行の出発点。スズキのビッグボーイを走らせ、郡山から県道6号で湖南(猪苗代湖の南側)に向かっていく。

日本の林道にはビックボーイくらいのバイクがちょうどいい。路面にも優しくトコトコと走ることができるし、とても乗りやすいからだ。

正面には東北の背骨となる奥羽山脈の山々が連なっている。走るにつれて奥羽山脈の山々は大きくなり、ゾクゾクッとするような光景だ。

1本目からロングダート!日山源田林道

▲日山源田林道

第1本目は日山源田林道。その入口には源田温泉の看板。
県道6号から0.8キロ地点にある一軒宿の源田温泉から日山源田林道に入っていく。林道入口から0.7キロ地点で待望のダートに突入。

「福島県のヘソ」高旗山の登山口を通り、奥羽山脈の名無し峠を越えて中通りから会津に入り、10.5キロのダートを走破して県道6号に出た。

2850_第1本目。日山源田林道の峠。奥羽山脈の名無し峠で中通りと会津を分ける▲第1本目。日山源田林道の峠。奥羽山脈の名無し峠で中通りと会津を分ける

日山源田林道には途中、舗装区間が何区間もあるが、カソリのダート区間の計算の仕方を伝えておこう。その舗装区間が1キロ未満の場合は、そのままダート区間に含めている。

日山源田林道の場合は1キロ以上の長い舗装区間がないので、ダート突入の地点から県道6号に出るまでの10.5キロがダート区間ということになる。なお、10キロ超のダートを「ロングダート」にしているので、第1本目からロングダートを走破したことになる。

三河小田川林道、小田達沢林道、不動滝林道をハシゴする

日山源田林道を走り終えると猪苗代湖の湖畔に出た。そこからは雲ひとつかかっていない会津のシンボル、磐梯山を見る。

県道9号経由で国道49号に出ると、奥羽山脈の中山峠を越え、中山宿(越後街道の宿場)から第2本目の三河小田川林道に入っていく。この三河小田川林道もダート16.4キロでうれしいロングダートなのだ。

2869_第2本目。ロングダートの三河小田川林道を行く。大滝山の山頂直下で▲第2本目。ロングダートの三河小田川林道を行く。大滝山の山頂直下で

三河小田川林道を走り抜けた小田から第3本目の小田達沢林道に入る。入口には「小田達沢林道」の道標。

2つの峠を越えて達沢に出たが、ダート区間は9.8キロ。あともうちょっとで10キロ超のロングダートになるところだったので何とも残念だ。

2889_第3本目。小田達沢林道の小田側の入口。左に折れるとすぐにダートに突入▲第3本目。小田達沢林道の小田側の入口。左に折れるとすぐにダートに突入

達沢からは第4本目の不動滝林道を走り、名瀑の達沢不動滝を見た。不動滝林道は行止り林道でダート1.0キロ。往復したのでダート距離は2.0キロになった。

▲三河小田川林道、小田達沢林道、不動滝林道

今回、行止り林道は走らないことにしていたが、達沢不動滝のある不動滝林道は特別だ。

2908_第4本目。不動滝林道を走って、名瀑の達沢不動滝を見る▲第4本目。不動滝林道を走って、名瀑の達沢不動滝を見る

達沢からは近くの中ノ沢温泉へ。温泉旅館「花見屋」の湯に入り、小西食堂の「スタミナラーメン」を食べ、日之出屋の名物「天ぷらまんじゅう」を食べた。

鷹ノ巣山林道で県境の峠を越える

舞台を裏磐梯に移して桧原湖畔へ。桧原湖北端の集落、金山から第5本目の鷹ノ巣山林道に入っていく。

金山から3.4キロ地点でダートに突入。金山から6.7キロ地点で福島・山形県境の名無し峠を越え、金山から10.1キロ地点で舗装路に出た。鷹ノ巣山林道のダート区間は6.7キロだ。

2922_第5本目。紅葉の鷹ノ巣山林道を行く。この先で福島・山形県境の峠を越える▲第5本目。紅葉の鷹ノ巣山林道を行く。この先で福島・山形県境の峠を越える

4つの峠を越えるロンダート、上和合・高造路林道

山形県に入ると小野川温泉の共同浴場「尼湯」に入り、第6本目の上和合・高造路林道へ。上和合側の入口は国道121号の道の駅「田沢」の近くから県道4号を3.4キロ行った地点で、左に入っていく。

▲上和合・高造路林道

この林道は全部で4区間から成っている。その間のダートは1.8キロ、3.9キロ、6.6キロ、5.4キロと短いものだが、合計すればダート17.7キロ。これはもう立派なロングダートだ。

2935_第6本目。上和合・高造路林道の第1区間を行く。4区間で4つの峠を越える▲第6本目。上和合・高造路林道の第1区間を行く。4区間で4つの峠を越える

【第2日目】今日もロングダートからスタート!

白川温泉の一軒宿「白川荘」に泊まり、翌日は最上川流域の白鷹町へ。第7本目の黒鴨林道はダート17.3キロのロングダート。

▲黒鴨林道、真室川小国大規模林道、西五百川林道

グングンと高度を上げ、愛染峠に到達。そこからは第8本目の真室川小国大規模林道で朝日鉱泉に下っていく。
ところがこの大規模林道は一部区間の舗装は残っているものの大荒れ状態。落石を乗り越え、やっとの思いで朝日鉱泉にたどり着いた。ダート区間は5.9キロ。

2968_第7本目。黒鴨林道のロングダートを走り切り、愛染峠に到達。絶景峠だ!
▲第7本目。黒鴨林道のロングダートを走り切り、愛染峠に到達。絶景峠だ!
2969_第8本目。真室川小国大規模林道の南側区間は廃道同然。かつては2車線の道
▲第8本目。真室川小国大規模林道の南側区間は廃道同然。かつては2車線の道

つづいて第9本目の西五百川林道を走った。ダート区間は4.4キロ。そのまま県道289号に入り、左折して真室川小国大規模林道で地蔵峠を越えた。こちらは2車線の山岳ハイウエイ。そのあと県道27号→国道287号で最上川流域の白鷹町に戻った。

白鷹町からは国道348号→国道458号で上山へ。ここでは上山温泉の共同浴場「下大湯」に入った。

2979_第9本目。朝日鉱泉の「ナチュラリストの家」からは西五百川林道を行く▲第9本目。朝日鉱泉の「ナチュラリストの家」からは西五百川林道を行く

今回の最長ダート、南蔵王・不忘山林道を走り宮城県へ

上山からは今回の最長ダート、第10本目の南蔵王・不忘山林道を走破。山形県側が南蔵王林道で、宮城県側が不忘山林道になる。ダート距離は22.2キロ。

福島県、山形県につづいて宮城県の「林道走破行」が始まった。

3005_第10本目。南蔵王・不忘山林道の山形県側。この先が県境の舟引山峠になる▲第10本目。南蔵王・不忘山林道の山形県側。この先が県境の舟引山峠になる

県道51号→国道457号で秋保へ。秋保からは二口街道の県道62号を行き、第11本目の二口林道に入る。

▲二口林道

林道入口から5.2キロ地点にゲート。ここは万年通行止で、今年度中には全線舗装になって通行できるようになるとも聞いた。

3036_第11本目。万年通行止の二口林道。今年度中には舗装林道になるという▲第11本目。万年通行止の二口林道。今年度中には舗装林道になるという

日が暮れても走る!林道ナイトラン!

国道457号に戻ると仙台の愛子(あやし)を通り、泉ヶ岳へ。ここで日が暮れた。

さ~、林道ナイトランだ。泉ヶ岳スキー場を過ぎたところで第12本目の大平桑沼林道のダートに突入。ビッグボーイのライトをハイビームにして走った。

▲大平桑沼林道、升沢林道

大平桑沼林道のダート区間は2.6キロ。つづいて第13本目の升沢林道を走り、旗坂キャンプ場前の舗装路に出た。升沢林道のダート区間は7.2キロ。この2本の林道は連続しているのでダート9.8キロということになる。あともう少しでロングダートだ。

3048_第12本目の大平桑沼林道から第13本目の升沢林道へ。ここでは種沢林道が分岐▲第12本目の大平桑沼林道から第13本目の升沢林道へ。ここでは種沢林道が分岐

小荒沢岳山林道を走破後、アクシデント発生・・

第14本目の小荒沢岳山林道は旗坂キャンプ場前から0.6キロ走ったところで左に折れる。林道の入口からダートなのがうれしい。

峠を越えて大和町から色麻町に入る。船形山への登山口になっている大滝キャンプ場への道との分岐を過ぎたあたりで、ツルンツルンの路面に滑り痛恨の転倒。不意打ちを喰らった転倒なので全身を強打。ビッグボーイに「ゴメン!」と謝り、エンジンをかけようとしたが、かからない・・。

このままではバッテリーが上がってしまうと不安にかられ、いったんメインスイッチをオフにした。ライトが消えると真っ暗闇。

少し時間をおいて再度エンジンをかけると、今度は一発でかかった。こうして無事にダート20.5キロの小荒沢岳山林道を走り切り、古川(大崎市)へ。古川駅前の「東北イン」に泊まった。

3054_第14本目。小荒沢岳山林道と大滝キャンプ場への道との分岐。この先で転倒・・・▲第14本目。小荒沢岳山林道と大滝キャンプ場への道との分岐。この先で転倒・・・

【第3日目】川渡温泉で疲れを癒やし、最終日スタート!

6時前に古川駅前の「東北イン」を出発。「セブンイレブン」で朝食のおにぎりを食べ、国道47号で鳴子温泉郷の川渡温泉へ。共同浴場の湯に入ったあと第15本目の県道267号を行く。

川渡温泉から10キロほどの地点で右折し、0.3キロ地点でダートに突入。高原野菜の畑を抜け出ると、美しい紅葉の山中に入っていく。東北にはこのようなダート県道が何本もある。5.0キロのダート区間を抜け出ると2車線の道で宮崎へ。

3078_第15本目。県道267号を行く。ダート区間の入口には道標がないので要注意▲第15本目。県道267号を行く。ダート区間の入口には道標がないので要注意

カソリの重要ポイント。林道の集まる「田代十字路」

旧宮崎町(現加美町)の中心の宮崎からは第16本目の県道262号を行く。日帰り湯の「ゆーらんど」前を過ぎるとダートに突入。宮崎から7キロほどの地点。これが第1区間のダート。

5.2キロのダートを走ると田代キャンプ場脇の十字路に出る。ここは極めて重要なポイント。何本もの林道が集まっているので、ぼくはここを「田代十字路」と呼んでいる。

▲田代十字路

田代十字路からは2車線の舗装路を走り、3.3キロ地点の分岐を右へ。県道262号の第2区間のダートに突入。4.0キロのダートを走ると宮城・山形県境の田代峠に到達。残念ながら山形県側は通行止で田代十字路に戻った。

3098_第16本目。県道262号を行く。ダート区間は2区間あるが山形県側は通行止▲第16本目。県道262号を行く。ダート区間は2区間あるが山形県側は通行止

田代十字路を拠点に林道走破5連発!

ここからは田代十字路を拠点にしての林道走破行。第17本目は築沢沼井林道。田代十字路の入口からダート。2.4キロ地点の分岐を左へ。

直進は宇土沼林道になる。築沢沼井林道のダート10.7キロを走り切り、鳴子温泉に出た。ここでは共同浴場「滝の湯」に入った。

3103_第17本目。築沢沼井林道で鳴子へ。鳴子温泉では共同浴場「滝の湯」に入った▲第17本目。築沢沼井林道で鳴子へ。鳴子温泉では共同浴場「滝の湯」に入った

築沢沼井林道を往復して田代十字路に戻ると、次に第18本目の宇土沼林道を往復。さきほどの築沢沼井林道との分岐は直進する。ダート12.0キロを走って舗装路に出た地点で折り返し、田代十字路に戻った。

田代十字路から2車線の舗装路を南に0.7キロ走った地点で左に入る道が第19本目の桧沢林道。入口からダート。9.7キロのダートを往復し、田代十字路に戻ってきた。

3117_第18本目。宇土沼林道を行く。ここは築沢沼井林道(左)との分岐点
▲第18本目。宇土沼林道を行く。ここは築沢沼井林道(左)との分岐点
3129_第19本目。桧沢林道を行く。稜線上の道からの眺めはすごくいい。絶景林道だ
▲第19本目。桧沢林道を行く。稜線上の道からの眺めはすごくいい。絶景林道だ

いよいよ最後のステージ。田代十字路から2車線の舗装路を行く。県道262号の第2区間のダートとの分岐を過ぎると、第20本目のビングシ林道のダートに突入。ダート区間は9.1キロ。そのまま第21本目の寒風沢林道につづくが、1.4キロ地点で崩落・・

3144_第20本目。ビングシ林道の峠を越える。この先は大荒れ。岩を乗り越えていく
▲第20本目。ビングシ林道の峠を越える。この先は大荒れ。岩を乗り越えていく
3156_第21本目。寒風沢林道の崩落現場。林道がストンと谷底に落ちている。残念・・・
▲第21本目。寒風沢林道の崩落現場。林道がストンと谷底に落ちている。残念・・・

残念無念。ここで折り返し、田代十字路に戻ったが、ダート距離の合計は253.4キロになった。目標としたダート250キロを突破したのでカソリ、「やったね~!」と雄叫びを上げるのだった。

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賀曽利隆

賀曽利隆冒険家・ツーリングジャーナリスト

投稿者プロフィール

1947年東京生まれ。
1968年から2年間をかけてアフリカを一周したのを皮切りに、バイクで世界の6大陸を駆け巡る。
1982年には「パリ→ダカールラリー」に日本人ライダー初の参戦。1987年には「サハラ砂漠往復縦断」。7度の「日本一周」を成しとげ、「70代編日本一周」を目指している。
ツーリングマップル東北の担当ライダーで、東北の道という道を精力的に走っている。
モットーは「生涯旅人!」

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