フレームの接着に真鍮!? 英国で750ccから180馬力を発生するニューマシンが発表

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

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先頃、英国・ロンドンで新しい750ccの3気筒スーパーバイクがベールを脱いだようだ。

新しく立ち上げられたスピリットモーターサイクルズが発表した、「GPスポーツ」をベースとしたスポーツモデル2種、ネイキッドモデル2種の計4機種だ。
高品質の材料と革新的なフレームのデザイン、その鋼管フレームの接着になんと「真鍮」を使用したハンドメイドのスポーツモデルである。

エンジンはデイトナ675がベース

GPスポーツのエンジンは、トライアンフ・デイトナ675の水冷3気筒をベースにした750ccエンジンで最上級モデルの「R」バージョンは最高出力180psを発揮。
スイングアームピボット位置やホイールベースを調整可能な、まさにレーシングマシン顔負けのアジャスタブル機構の付いたフレームに、Kテック製サスペンション、PFM製ブレーキシステムなど英国製パーツを多用しているのが特徴だ。

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今回、発表された4機種は、STD版の「GPスポーツ」、最上級モデルの「GPスポーツR」の他、アグレッシブなデザインが印象的なネイキッドバージョンの「GPストリート」と「GPストリートR」というラインナップとなっている。

20161130_sp02▲ネイキッドバージョンの「GPストリート」デザインスケッチ

ロングストローク化と高圧縮で180psにアップ

目玉となるエンジンだが、ボアは76mmとデイトナと共通ながらストロークを49.6mmから55mmまで拡大するとともに圧縮比を高め、STDモデルのGPスポーツでは156ps/14200rpmへ。

「R」バージョンではピーク180psまで高められている。ベースとなったデイトナ675が126ps/11900rpmであることを考えると、そのチューニング度合いは凄まじいものだ。
ちなみに、現行のトライアンフ・タイガー800などに採用される3気筒エンジンのストロークはよりロングな61.9mmとなっている。

なんと鋼管を「真鍮」で接着する独自のフレーム!

「GPスポーツ」はそのハイパワーもさることながら、特筆すべきは軽量であること。
ホイールやサブフレームなどにカーボンパーツを多用した最上級モデルの「R」バージョンでは、装備重量145kgに抑えられている。また、高強度の鋳造アルミ製スイングアームはMotoGP仕様で、Kテック製サスペンションは前後フルアジャスタブル機構となっている。

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そして、注目すべきはフレーム材料。なんと鋼管フレームの接合に「真鍮」が使われているのだ。細かな技術的な詳細は分からないが、一般的な溶接ではなく真鍮の溶解温度の低さ利用して鋼管と鋼管を接着(ロウ付け)しているという。作業には非常に労力と時間がかるが、熱による歪みがないのがメリットだとか。
真鍮色のロウ付けが一種独特なクラシカル感を持つトラスフレームと、近未来的なボディワークとが相まって不思議な雰囲気を醸し出している。

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電子制御とハンドメイドの融合

現代のモーターサイクルらしく、電子制御もふんだんに盛り込まれている。ECUにはレースでも実績のあるモーテック製M130を搭載。
各種センサーを装備した可変式トラクションコントロール、ウィリー制御、ボッシュ製電子スリッパークラッチの他、フルチタン製のハンドメイドエキゾースト、 レースキット用ハーネス、428サイズの低フリクションドライブチェーンなどが採用されている。

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等々、効果なパーツを手作りで組み上げただけに、プライスも高価だ。STDのGPスポーツが現地価格で4万5000ポンド(630万円)。
50台限定のGPスポーツの「R」バージョンが同じく6万5000ポンド(900万円)と、ドゥカティの新型スーパーレッジェーラ1299と同等になっているとか。

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英国製モーターサイクルと言えばトライアンフだが、その唯一のスーパースポーツモデルだったデイトナ675が販売終了予定ということもあり、英国人の英国産スーパースポーツへの想いは募るものがあるのだろう。
そんな彼らの“スピリット”をカタチにしたようなモデルである。

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ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

国産・外車を問わずミニモトからビッグバイクまで、どんなバイクでも乗りこなすモータージャーナリストとして2輪専門誌等で活躍中。
16歳から乗り継いだバイク30台、テストライド経験300台以上。装備や用品、カスタムパーツのテストも数多くこなしてきた。
MFJ公認インストラクター。米国ケビン・シュワンツ・スクール修了。

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