【和歌山利宏 EICMAレポート】今年のEICMA(ミラノショー)は凄い。

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

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期待を上回る数のニューモデルが発表されたEICMA

先月のINTERMOTで期待を上回るニューモデルが発表されたことで、EICMAでは少々はその数が減るかとも思われたのだが、全くそんなことはない。むしろここ数年を上回るほどのニューモデルラッシュなのである。

そのことはニューモデルの写真を撮影し特徴を掴むという取材活動に、INTERMOTの2倍以上の時間を要したことでも実感できる。INTERMOTで何台かのニューモデルを登場させたメーカーが、さらにここEICMAでダメ押しをするかのように発表モデルを披露してきたのである。

既存のモデルを派生させた新車が多く、バリエーション豊か

ただ、完全新設計エンジンを開発したようなモデルは、スポーツモデルに関してはない。あえて言えば、KTMがパラレルツインの790デュークを発表したが、それはまだ参考出品の段階である。

eicma_wc10▲ニューエンジン搭載の「KTM 790デューク」

いわゆる派生モデルがほとんどとなるのだが、その傾向にはかなりの共通点がある。それは、ミドルクラスのベーシックスポーツが中心で、既存モデルをベースにレトロ調のカフェレーサーやスクランブラー、あるいはシティアドベンチャーを仕立て上げるというものだ。

カフェレーサータイプでは、BMWのR nineT Racer、トライアンフのストリートカップ(この2台はINTERMOTで発表済み)、そしてドゥカティのスクランブラー・カフェレーサー、ハスクバーナのヴィトピーレン401、ヤマハのXSR900アバルトが挙げられる。INTERMOTでのホンダCB1100RSもそれに近い。

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▲BMW「R nineT Racer」
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▲トライアンフ「ストリートカップ」
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▲ハスクバーナ「ヴィトピーレン401」
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▲ホンダ「CB1100RS」

今年多く発表された「スクランブラー」や「シティーアドベンチャー」モデル

また、スクランブラータイプでは、BMWからR nineT スクランブラーがすでに市販されているし、ヤマハはSCR950をINTERMOTで発表。今回は、BMWがR nineT アーバンGS、トライアンフはストリートスクランブラーを登場させるという具合だ。

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▲ヤマハ「SCR950」
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▲BMW「R nineT アーバンGS」

シティーアドベンチャーと呼べる小排気量モデルとしては、スズキからV-Strom 250が発表され、カワサキからVersys‐X 300、BMWからG310GSと今回はこの手ごろなサイズのカテゴリが豊作。ホンダのCRF250RALLYも近いカテゴリに属するオフロードバイクだろう。

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▲スズキ「V-Strom 250」
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▲カワサキ「Versys‐X 300」
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▲BMW「G310GS」
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▲ホンダ「CRF250RALLY」
【関連ニュース】
◆アフリカツインの本格オフ仕様からスモールADVモデルまで EICMAで見えてきたオフロード新潮流

より身近に、より気軽なモデルの充実

やはりこれは、オートバイと人間との距離が近くて、日常的に使えて楽しめるものを欲していることの証しであると思う。スクランブラーモデルに関していうと、さらに懐古指向が加わっているといったところだろう。

その一方で、今回のショーにおいても「高性能の究極形」を求める本能も忘れていない。
ドゥカティがスーパーレッジェラ、BMWがHP4レーサー(これはまだプロトだが)という、いずれも「カーボンフレーム」を採用した超軽量マシンを発表したのである。

多くの人にとっては遠い存在であっても、来場者はみな興奮の眼差しで眺めていたことも印象的だったのである。

■[EICMA]ミラノショー関連ニュース・ギャラリー
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和歌山利宏

和歌山利宏モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

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