ホンダのFTRとCB223Sが生産終了へ。カスタムベースから気軽に楽しめるバイクとして愛された1台

【Webikeニュース編集部】

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ホンダのホームページ上で、「FTR(FTR223)」と「CB223S」の生産終了がついに正式に明示された。

ストリートバイクブームの流れに乗り、街中でも見かけることの多かったFTRと、ベーシックなフォルムで街乗りからカスタムまでカバーしたCB223Sと、また250ccクラスのバイクラインナップが減少することとなる。

2台に共通する空冷単気筒・キャブレターのエンジンは1970年のCB90をルーツに持つエンジンで、国内ではこの2機種以外で採用しているモデルはなくなってしまった。
海外ではCRF230Fとして競技用と公道用のオフロード車両がブラジルで生産されており、こちらは生産が続いている。

FTR フラットトラッカーが持つスタイルと走破性を現代のストリートに

「FTR223」の誕生はやや複雑だ。
ホンダがアメリカにのフラットトラックレース(ダートトラックレース)において、参戦を開始した1980年代。WPGのチャンピオンであるフレディー・スペンサーも、ダートトラック出身のライダーで、ホンダの車両で参戦していた経歴を持つ。そんなフラットトラックのイメージを取り入れたFT400・500が1982年に発売されていたが、国内での販売は不振。

競技にも使用可能な「FTR250」がルーツ

L_ftr250_1986▲FTR250

そして1986年に、より本格的なフラットトラックモデルとして発売されたのが、FTRのモチーフとなる「FTR250」だ。アメリカのAMAフラットトラックにおいて1984年、1985年にメーカー・ライダーチャンピオンを獲得したホンダは、その技術を導入し車体の開発がされた。
エンジンはXLR系の空冷RFVCの4バルブエンジンを採用。実際にフラットトラックの競技が可能なほどで、エンジンの特性もピックアップに優れたモデルだった。

しかし、国内市場においてはレーサーレプリカブームの真っただ中であり、フラットトラックという国内でなじみがない競技のイメージもあり販売は低迷。1989年までに生産中止となった。
その後、1990年代後半から流行したストリートカスタムを受けFTR250の中古市場が高騰。ヤマハのTW200が人気車種となり、その対抗車種として開発・発売されたのが「FTR」である。

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「FTR」はフラットトラックレース(ダートトラックレース)をイメージしたオートバイで「FTR250」のデザインを受け継いで、軽量・コンパクトなボディに、SL230の空冷単気筒エンジンをベースとして2バルブ化したエンジンを搭載した、ストリート・シングルモデル。
エンジンは、5,000rpm以下の常用域でのトルクフルな特性を重視し、最高出力は19psと低めに設定。扱いやすさに考慮したチュニーングを施された。
車体はFTR250を踏襲せずに223エンジンに合った別のフレームがベースに用いられている。

街中でも、ダートでも扱いやすい、スリムなボディーが、「気軽にまたがり、思う存分アクティブに走りまわれるストリート・トラッカー」として、人気を博した。
特にホンダワークスのトリコロールカラーが人気で、街で見かけた人も少ないだろう。

▼FTR223 Standard

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▼FTR223 DX

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▼FTR223 Tricolor
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CB223S 「ベストマッチアイテム」が開発のキーワード

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「CB223S」は、「ベストマッチアイテム」を開発のキーワードに、二輪車のある生活をもっと身近に楽しむことを目的に開発し、2008年4月に発売。

「FTR223」と同エンジンを使用し、よりオンロードよりにオンロード用タイヤを採用し、サスペンションの仕様を変更。レトロなスタイリングの外観に、シンプルかつスリムなのが特徴だ。

街中での扱いやすさを重視したセッティングに加え、足つき性の良さもあり、気軽に楽しめるバイクとして、ライトユーザーからヘビーユーザーまでもを魅了した。

また、「FTR223」と比べるとタンク容量が11リットル(※FTR223は約7リットル)となり、通勤・通学から、週末はツーリングなどの長距離使用など、幅広いシチュエーションで活躍した。

▼CB223S

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1990年代後半から流行したストリートカスタム

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▲ヤマハ TW200

FTRとCB223Sは無駄のない外観やシンプルな構造からカスタムを楽しむユーザーも数多く見受けられた。

1990年代後半からオフロードバイクのトラッカーカスタムやスカチューンと呼ばれるカスタムが流行し、ヤマハのTW200が街乗り用のカスタムベースマシンとして人気となったことから、「FTR」は対抗車種として開発され、2000年9月に発売されている。

「ストリートカスタム」シーンを彩ったバイクたち

ストリートカスタムという新たなジャンルとして注目を集め、若者を中心に広まっていったが、ヤマハのTW200はTW225へと排気量が拡大されたが、規準が強化された排ガス規制の施行に伴い2008年に国内仕様車の生産終了が公表された。

今回の生産終了においても、新たな排ガス規制、騒音規制に対応しないための生産終了となったと考えられる。
同じカテゴリに相当する車種は、スズキの「グラストラッカー/ビッグボーイ」や、「ST250」、カワサキの「エストレヤ」などだが、規制強化で取り巻く環境は厳しい。

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▲グラストラッカー/ビッグボーイ
ST250
▲ST250
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▲エストレア

大型バイクに至っては、国内生産終了となっても、逆輸入車が入手できるということも考えられるが、「FTR223」「CB223S」においては、その可能性は極めて低く、ストリートカスタムの一時代を築いた名車たちとのお別れかもしれない。

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