【和歌山利宏 INTERMOTレポート】例年以上、そして期待以上に多くのニューモデルが登場

【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】

20161006_intermot_wcl

INTERMOT(ケルンショー)の今年は、まさに当たり年であった。

例年以上、そして期待以上に多くのニューモデルが国内外のメーカーから発表され、しかも様々なカテゴリーにおいて興味を引くモデルが多かったからである。

「EICMA」ミラノショーの陰に隠れがちだった「INTERMOT」ケルンショー

20161006_intermot_wcl01

ここ数年、欧州では、EICMAがミラノで毎年11月に開催される一方、偶数年のみ、ここケルンで9月末~10月初頭にINTERMOTが行われるという状態が続いてきた。

すると、毎年開催のEICMAが注目されるようになり、多くのメーカーも11月に合わせてショー準備をする流れが定着してくるのか、INTERMOTはEICMAの前座ショーのような位置づけになりつつあった。
「では、ミラノショーをお楽しみに」という落ちで締めくくられることも少なくなかったのである。

ところが今回は、そんな状況を打破しようとの関係者の努力もあったのだろうか。かつてのケルンショーを思わせるほど熱気に包まれていた。

その意味でINTERMOT復活と言っていいだろう。

トップエンドモデルとベーシックモデルがバランスよく発表されたインターモト

ショーでの発表モデルが充実するためには、市場のモデル構成と同様に、トップエンドモデルを多くのベーシックモデルが支える「ピラミッド構成」を成していることが大切だと思う。その点でも、今回の発表されたモデル群は理想的な構成であった。

今回のトップエンドモデルの代表として、Honda CBR1000RR、SUZUKI GSX-R1000がある。
いくらスーパースポーツは一般の人たちとの距離が開きすぎ、ブームは去ったと言われようとも、高性能を追及した究極形に興奮を禁じえないのは、ライダーの性(さが)というものである。
KAWASAKI ZX-10Rの派生モデルとなるZX-10RRや、H2カーボン、電子制御がテコ入れされたドゥカティ・パニガーレ1299も、そうした究極形の層を厚くしている。

20161006_intermot_wcl02
▲現行機種から大きくアップデートされた新型「CBR1000RR」
20161006_intermot_wcl04
▲Hondaは「ニッキー・ヘイデン」をゲストに
20161006_intermot_wcl03
▲コンセプト通りのデザインで登場した新型「GSX-R1000」
20161006_intermot_wcl05
▲SUZUKIはレジェンド「ケビン・シュワンツ」がサプライズで登場

そして、その一方で今回発表されたモデルの中に、多くの人が「現実的に楽しめる」ストリートスポーツが充実していたことが注目に値する。
それも、キャラクターが多様で、より親しみやすい方向としても内容が充実。電子制御装置の採用で安全性と乗りやすさを高める方向にも進化していたのである。

HondaがトラディショナルスポーツのCB1100に、スポーツ色を高めたCB1100RSを加えれば、YAMAHAはストリートファイター系のMT-10に、走りのポテンシャルを高めたSPを追加。またMT-09をマイナーチェンジし、SCR950というBOLTベースのスポーツヘリテイジを発表した。

20161006_intermot_wcl16
▲Honda CB1100RS
20161006_intermot_wcl10
▲YAMAHA MT-10SP
20161006_intermot_wcl11
▲YAMAHA MT-09
20161006_intermot_wcl06
▲YAMAHA SCR950

SUZUKIは、GSX-S1000の弟分で、より親しみやすいであろうGSX-S750を登場させ、Vストローム650をツアラーとして楽しみやすいようにモデルチェンジ。そして、KAWASAKIは、Z1000SXやニンジャ650をアップグレードといった具合である。

20161006_intermot_wcl13
▲SUZUKI GSX-S750
20161006_intermot_wcl18
▲SUZUKI Vストローム650
20161006_intermot_wcl14
▲KAWASAKI Z1000SX
20161006_intermot_wcl15
▲KAWASAKI ニンジャ650

欧州メーカーも元気で、BMWはK1600GTとS1000Rを充実させ、トラデショナルな趣きが好評のR nineTにピュアとカフェレーサーを追加。そして、トライアンフは、昨年に水冷化したボンネビルシリーズに、排気量を900ccに小さくしたT100とT100ブラック、カフェレーサータイプのストリートカップを登場させ、ドゥカティはストリートスポーツのスーパースポーツを復活させたのである。

20161006_intermot_wcl09
▲BMW R nineT カフェレーサー
20161006_intermot_wcl07
▲トライアンフ T100ブラック
20161006_intermot_wcl12
▲トライアンフ ストリートカップ
20161006_intermot_wcl17
▲ドゥカティ スーパースポーツ

スーパースポーツの究極形に胸をときめかせ、自分のライフスタイルに合ったモデルを、出展された多くのストリートスポーツから模索する。
入場者にとってもINTERMOTは満足度の高いショーになるに違いないと思われたのである。

20161007_intermot_680_182

和歌山利宏

和歌山利宏モーターサイクルジャーナリスト

投稿者プロフィール

1975年にヤマハ発動機に入社。ロードスポーツの開発に携わる。
レーシングライダーとしても活躍し、鈴鹿8耐第4回大会では4位入賞。
85年からはヨコハマゴム契約となり、タイヤの開発テストを行うとともに、
ワイルドカード参戦した87年の日本GPでは、250ccクラスで11位に入る。
90年からはジャーナリストとしての活動を始め、現在に至る。

この著者の最新の記事

関連記事

編集部おすすめ

  1. 人気のライディングフットウェアに限定カラーが登場! イタリアのSPIDI社のDNAを受け継…
  2. 【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】 コーナーへのアプローチでは、「しっかり…
  3. 新型EVマシン「韋駄天FXS改」を開発しパイクスピークへ挑戦 EV(electric ve…
  4. ブリヂストンの新作タイヤを中心とした体感試乗会が、静岡県伊豆市の「サイクルスポーツセンタ…
ページ上部へ戻る