【ケニー佐川 コラム】夏休み前にいま一度バイクの安全について考えてみよう!

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

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この時期にあらためて「バイクの安全」を考える

梅雨明けも近く夏休みも近づいてきた今日この頃。休暇を利用してツーリングに出かける計画を立てているライダーの皆さんも多いことでしょう。

走っているだけで楽しくワクワクするバイクですが、一方でいろいろなリスクを負っている乗り物であることも事実です。そこで今回は、バイクの安全についてあらためて考えてみたいと思います。

バイクは重大事故になりやすい

心地よい風や美しい自然を直接肌で感じられるのがバイクの魅力ですが、逆に言えばライダーは常に体が剥き出しの状態で走っています。クルマのように強固なシェルに覆われていないため、事故に巻き込まれた際のダメージはどうしても大きくなりがちです。

これを裏付けるデータがあります。
警察庁発表の「平成27年における交通事故の発生状況」によると、昨年2015年度に全国で発生した交通事故のうち、「軽傷者」の割合を見てみるとクルマが全体の約70%であるのに対してバイク(自動2輪)は約5%となっています。

ただ、これが「死亡者」になるとクルマ約30%対してバイク約10%とその差は縮まります。それぞれのユーザー数からすると、バイクの死亡者数の比率はかなり高いことが分かります。つまり、クルマの事故は軽傷で済むことが多いけれど、バイクは重大事故になりやすいということです。

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また、警視庁発表の「二輪車の死亡事故統計」2015年度のデータによると、発生時期は4月と7月に多く、年齢別には40歳代がトップ。事故パターンでは「単独事故」(14件)が最も多く、次いで「右折・直進」(7件)、「出会い頭」(5件)、「追突」(5件)の順になっています。

損傷部位別には「頭部」(47.4%)と「胸部」(23.7%)、「腹部」(7.9%)を合わせて全体の約8割を占めています。

以上のことからも、気候が良いこれからの季節は遠出をする機会も増える分、気を引き締めなくてはなりませんし、バイク事故で特徴的なスピードの出し過ぎによる「単独事故」や都市部で起こる典型的な「右直事故」には特に注意が必要です。

身を守る道具とリスクへの理解

そして、万が一のアクシデントから身を守る最終手段である装具にも十分気を遣っていただきたいものです。

具体的にはヘルメットはもちろん各部を守るプロテクター、特に胸部プロテクターの重要性はデータからも読み取れます。最近では瞬間的に膨らんで衝撃を吸収するエアバッグタイプも一般化してきましたので、必要に応じて検討してみるといいでしょう。

事故原因という部分から見てみるとどうでしょうか。
原因の8割は「認知」ミスと言われています。つまり、事故防止で最も大事なことは「危険予知」であって、これを怠ればいくらテクニックを磨いても安全は手に入りません。

いずれにしても、バイクという乗り物が潜在的に持っているリスクについてよく理解し、事故に遭わないためにはどうすべきか、万が一のダメージをどう軽減するかを考えて対策しておくことをおすすめします。

事故の減少に繋がる草の根活動

自分ではどうしたらいいか分からないという人には講習会への参加がおすすめです。最近はライダー自身による安全運転啓蒙活動も活発化してきています。

一例ですが、去る2016年の5月29日に神奈川県の小田原警察署が主催する「二輪車安全運転講習会」がJU神奈川オークション会場にて開催されました。

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小田原、伊豆スカイラインでライダーの事故が多発していることを受けて、これらを『未然に防ぐ』ために自己のライディングを見直すキッカケにしてもらうのが狙いとのこと。

講習会では神奈川県警察女性白バイ隊「WHITE ANGELS」による実技講習の他に、モータージャーナリストのKAZU中西氏や小田原警察署交通課の方からの講話なども行われました。

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今回の講習会は、一般ライダーの働きかけと、それに賛同した小田原警察署が主催することで実現したもので、こうした有志による草の根的な活動を継続していくことが、事故や無謀運転の減少にもつながっていくと思われます。

今後も多くのライダーがそれぞれの地元で、警察や自治体と協力してセーフティライディングの普及に努めていただけることを期待したいと思います。

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ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

国産・外車を問わずミニモトからビッグバイクまで、どんなバイクでも乗りこなすモータージャーナリストとして2輪専門誌等で活躍中。
16歳から乗り継いだバイク30台、テストライド経験300台以上。装備や用品、カスタムパーツのテストも数多くこなしてきた。
MFJ公認インストラクター。米国ケビン・シュワンツ・スクール修了。

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