【ケニー佐川 コラム】バイクの「シート」について考える

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

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跨った瞬間、気になる「シート」

バイクに乗ったときに最初に気になるところ。私の場合、それはシートです。跨った瞬間、シートの塩梅が悪いと、どうも気になってその後のライディングに集中できなくなったりします。

では、シートというパーツにおいては何が気になるのでしょう。

まずは座り心地ですね。硬すぎるとそれだけで先を考えると憂鬱になるし、シート両サイドの角が当たっていたりすると最悪。そのうち足を着くだけで内モモが痛くなることが目に見えます。

純正シートで極端にダメなことはまずありませんが、カスタムシートなどではけっこう見かけますね。シート高を下げようとして単に中のウレタンを削った、いわゆる”アンコ抜き”は前述の悪いパターンそのもの。クッションが減って乗り心地は悪いし、シートに角が立つので足を真下に下ろしずらく、逆に足着きが悪くなったりします。
かくゆう私もいろいろな失敗を重ねてきたからこそ言えることです。

時代の変遷を経てきた!? 座面の角度

角度も気になりますね。最近では少なくなりましたが、かつては純正でもスーパースポーツモデルを中心に、座面が急角度で前傾しているシートがありました。加速Gで前ズレしないようにとの心遣いなのでしょうけれど、これも最悪でブレーキングの度、路面の凹凸を拾う度に前にズレていってしまいます。

それに気づかずに前乗りになったまま、腕を突っ張った姿勢が体に染みついてしまい、気が付くと変な乗り方になってしまっているパターンも見受けられます。昔と今のバイクのシルエットを見比べてみると面白いですよ。同じネーミングのモデルでも世代によってシートの傾斜が異なることに気付くはずです。

同じくシートレザーが滑りやすいとイヤですね。元々の素材は仕方ないとしても、すり減った表皮はタイヤと同じでグリップ力が低下してきます。テカテカシートとGパンの組み合わせは最悪で、前ズレ大会になってしまいます(笑)。
なので、自分では洗車するときもシートとタンクはワックスをかけず、きっちり乗りたいときは革パンを着用していますが、どうしても滑るようなら低コストで効果が確実な、シートレザーの張り替えをおすすめします。

そして、高さ。シートに跨ったときは、やはり高さが気になります。サスペンションの長いオフロードモデルはもちろんですが、スポーツモデルもバンク角を稼ぐためにロードクリアランスが必要なため、車高が高く結果的にシートも高くなりがちです。

最近では重心位置を高く設定して、倒し込みに軽快感を出すために、あえて車高を高くしているモデルもあります。足長スポーツなどもその部類に入るでしょう。クルーザーなどは逆に低重心での安定感と跨りやすさを優先して、低いシートが多いですね。

ご存じのとおり、輸入車などでは日本向けにローシート仕様を設定している場合も多く、それが標準設定になっているモデルもあります。それはそれでありがたいのですが、「日本人は足が短いからね~」と言われているようで、ちょっと複雑な気持ちになります。まあ、乗りやすければ結果オーライですが。

シートの選び方と、優先度のバランス

ちなみにローシートとハイシートの設定があった場合、必ず実際に乗り比べてみることをおすすめします。たしかにローシートは足着きが良いかもしれませんが、走り始めてみたら、バイクとの自然な一体感やハンドリングの軽快感、見晴らしの良さなど多くの点でハイシートのほうが勝っていることもあります。

何を優先するか、その辺りのバランスが難しいのですが、これは自分で決めるしかありません。じっくり乗り比べて悩んでみてください。それもバイクの醍醐味ですから。

ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

早稲田大学教育学部卒業後、情報メディア企業グループ、マーケティング・コンサルタント会社などを経て独立。趣味で始めたロードレースを通じてモータージャーナルの世界へ。
雑誌編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。
株式会社モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。
日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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