【バックミラーがなくなる日】国交省が「カメラモニタリングシステム」を認可

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

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バックミラーのない自動車の誕生へ

国土交通省自動車局から、6月17日に自動車の保安基準についての改正が発表された。これによると、自動車局ではバックミラー等に代わる「カメラモニタリングシステム」(CMS)の基準を整備していくとのこと。

バックミラー(後写鏡)等に関する国際基準が改正されたことを受けてのことで、「国際的な整合を図りつつ、安全性を向上させるため」だとか。これにより、自動車メーカーは、バックミラーがない自動車を設計・製造することが可能となる。

【関連ニュース】
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バイクにおけるCMS認可の影響

ただし、今回の改正にはバイク(2輪自動車)やサイドカー、3輪自動車は含まれていないため、既存の後写鏡を使用する必要がある。バイクにおけるCMSはコンセプトモデルなどでは提案されてきたことはあるが、公道市販モデルでその認可が下りるのはまだ先となりそうだ。

その理由は明らかになっていないが、おそらくは2輪における実走行での安全に関するデータがほとんどなく、カメラやモニターの搭載位置やスペースを含めた規格化にさらなる検証が必要ということだろう。

ただ、4輪が先行することで、その安全性や有効性が確認されれば、2輪における導入もそう遠くないはず。そのためには、メーカーや業界関連団体が率先して、働きかけを行っていく必要があるだろう。

そこで、期待を込めて、CMSを2輪に導入した際のメリットについて考えてみた。

CMSの2輪導入におけるメリット

(1)デザイン的にスマート
バックミラーのように設置場所や大きさが規制されないので、車体デザインの自由度が広がり、よりスマートで美しいシルエットのマシンが誕生するだろう。

(2)空力に優れるので燃費向上になる
突起物であるバックミラーが必要なくなれば、当然、空気抵抗を減らすことができ、燃費の向上が見込まれる。特にハイスピードになるほど走行抵抗に占める空気抵抗の割合は増えるため、高速道路などでは大きな差になるはずだ。

(3)同じくハンドリングの向上
上記と同じ理由でハンドリングの向上が見込まれる。特にハンドルマウントのバックミラーを装備するモデルにおいては、それが無くなることで走行安定性にも大きく影響するはず。ちなみに最高速も伸びるはずだ。

(4)鮮明な後方視界が得られる
カメラの性能にもよるが、バックミラーに反射する像よりも鮮やかな視界を得ることができるかも。現状でも車種によっては振動の影響を受けて、まともに見えないモデルもある。

(5)目線の移動が少なくなる
車内モニターになれば、現在主流のドアミラーに比べても目線の移動が少なく、安全確認も素早く行えるため、安全で疲労も少ないはず。かつての4輪ではフェンダーミラーが推奨され、ドアミラーが認可されていなかった理由の一部もそこにある。

(6)死角が少なくなる 広角カメラの活用
広角カメラの導入などにより、これまで死角となっていた斜め後方の視界が得られる可能性もある。たとえば、ボタンひとつで通常と広角の2つの視界を切り替えられれば、わざわざ安全確認のため振り返らなくても済むようになるかもしれない。




 

「カメラモニタリングシステム」(CMS)の導入は、2輪においてもこのように多くのメリットを生み出す可能性がある。

逆にデメリットとしては、コスト高になることやシステムの故障などのトラブルなどが考えられるが、それも技術革新によっていずれ解決されるはずだ。

CMS認可の背景と「脱ミラー化」時代への空気感

今回のCMS認可の背景としては、政治的なことは別としても、カメラをはじめとした電子技術の進化により、バックカメラやドライブレコーダー、カーナビなどの運転支援機器が一般化したこと。また、その信頼性が増したことで、こうしたデバイスへの抵抗感を持つ人が少なくなったことも大きいと思う。

実際にこれを認可する側の役所のほうでも、肌感覚としては同じなのでは。もちろん今後も、様々な実証実験などから安全性や有効性のデータの裏付けは取る必要はあるにしても、この時代の空気感は大きい。

とりあえずは4輪から始まる「脱ミラー化」だが、2輪の世界ではどのような形で進化・発展していくのか、興味を持って見守りたい。

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ケニー佐川

ケニー佐川Webikeニュース編集長

投稿者プロフィール

国産・外車を問わずミニモトからビッグバイクまで、どんなバイクでも乗りこなすモータージャーナリストとして2輪専門誌等で活躍中。
16歳から乗り継いだバイク30台、テストライド経験300台以上。装備や用品、カスタムパーツのテストも数多くこなしてきた。
MFJ公認インストラクター。米国ケビン・シュワンツ・スクール修了。

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