【試乗レポート】DUCATI「959 Panigale」動画+試乗インプレッション 驚くべきスポーツ性能の極致

【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

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899をベースに排気量を拡大した正常進化版

959パニガーレは従来型の899の進化版として登場した。60cc排気量が増えていると聞くと、そんなものかと思われがちだが、今回はボア(シリンダー)の拡大ではなく、エンジンのストローク量アップによって排気量を増やしているところがキモ。つまりはその変更によってトルク型の特性を持つエンジンになっているということだ。

スペックデータなどを見ると、ミッドレンジのトルクを厚くしているのだが、そこはパニガーレの血筋。スーパーバイクを頂点とするドゥカティ随一のハイパフォーマンスファミリーだけに、基本的には高回転高出力型であることに変わりはない。

ただ、そのパワーバンドがよりワイドになった感じだ。本領を発揮するのは8000rpm以上だが、それ以下の回転域でも十分なトルクでより強く加速できるようになった。
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ユーロ4に適応して欧州フルパワー仕様とほぼ同等のスペックが与えられているのも嬉しい。表記では国内仕様は147psだが、ドゥカティ側の説明としては測定方法の違いであって、実際のところは欧州仕様の157psと同じと考えていいとのこと。

先代の899の日本仕様が118psだったことを考え合わせると、素の状態で大きなアドバンテージだ。ちなみにマフラーは899が右1本出しだったのに対し、959は右2本出しとしてサイレンサーのサイズを小さくしているが、これも欧州と同じ形状が採用されている。

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他にも899との外観上の違いは、ややワイドになったフロントカウルと高くなったスクリーン、短くなったミラーステーなどのフェイスまわりとテールカウルのデザイン。車体面ではスイングアームピボット位置を若干変更して、トラクションフィールをさらに向上させているそうだ。簡単に言うと、899をベースに排気量を拡大し、各部が洗練された最新バージョンということだ。

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【Webikeモトレポート】
DUCATI 959パニガーレ 試乗インプレッションムービー


 

もはやミドルクラスではない

1299パニガーレがトップエンドに君臨するので、959の位置づけとしてはミドルクラスと見られるが、ネーミングが表しているとおり排気量はすでに1000cc近い。現在のドゥカティ・スーパーバイクへとつながる基礎を作った、かつてのフラッグシップ「916」の排気量をすでに超えているのだ。

1299譲りの堂々たる風格や一分の隙もないデザインを見ても、もはやミドルクラスと呼ぶには無理がある。乗り味的にも、あり余るパワーをライダーが持て余し気味になる1299をメガスポーツ級とすると、959はジャスト感覚のリッタースポーツという感じだ。

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実際、1299をサーキットで走らせると、その暴力的とも言える加速感に目がついていかない感じだが、これに対し959は中間加速に穏やかな部分があって、メーターや周囲の情報に気を配る余裕がある。

そこが一般ライダーには操りやすい部分だと思う。本当のパフォーマンスを発揮させるには、もっと上の回転数のピーキーな部分を使う必要はあるのだが、自分ではなかなかそこまで追い込めなかった。

 

ハンドリングの鋭さはドゥカティ随一

またがってみると、シートはそこそこ高いが、タンクまわりが絞り込まれているため足着きは悪くない。ライディングポジションも極端な前傾という感じではなく、ハンドルも近いのでわりと親しみやすい感じだ。

ただ、前後サスペンション(フロントはショーワ製BPF、リヤはザックス製)は乗車した時点での沈み込み量は少な目で、やはりサーキットでこそ本領を発揮するような高荷重型の設定になっていると感じた。

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エンジンの回転フィールはパワフルでスムーズかつ緻密そのもの。モノコックフレームと高い精度で組み上げられた車体ならではの、「カチッ」とした剛性感との組み合わせにより、ハンドリングは凄まじくクイック。

コーナーでも気を抜いて走っていると、速度不足から曲がりすぎてしまい、思わずイン側に突っ込んでしまいそうなぐらいだ。1299と比べても、明らかに倒し込みが軽快でラインもコンパクトだ。

その鋭さに最初は戸惑うが、コースに慣れてアベレージ速度が上がってくるに従い、自分の感覚とマシンの動きがフィットしてくる。速度を上げてペースアップするほどにこの鋭いハンドリングとエンジン特性がマッチしてくる。

やはり、ベースはスーパーバイク。全てが速く走るために作られているのだ。

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ただ、ドゥカティの開発陣の話では、959は伝統的なミドルクラスとしてのストリートでの扱いやすさなども、加味されて作られているとのこと。

今回はサーキットでの試乗だったが、試しにパドックで「8の字」のタイトターンにもトライしてみたが、交差点を曲がるような速度でもエンジン回転は安定していて、ニュートラルなハンドリングで普通に乗りこなすことができた。

 

エキスパートライダーの仕事を肩代わりしてくれる

先進の電子制御についても触れておく必要があるだろう。959にはもちろん1299譲りの、さらに言うとMotoGPマシン直系のテクノロジーがふんだんに注ぎ込まれている。

最近のスーパースポーツでは定番となったライディングモードには、「レース」、「スポーツ」、「ウェット」の3つのパターンが用意され、それぞれ出力特性を変化させるだけでなく、ABSとトラクションコントロール(DTC)、エンジンブレーキコントロール(EBC)の介入度が最適化される仕組みになっている。

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つまり、エキスパートライダーが長年の経験と天性のセンスでやってきたような仕事を、人間に代わってマシンがやってくれているのだ。959が”案外乗りやすい”と感じてしまうのは、これら先進技術の賜物でもあるのだ。

特に素晴らしいと感じたのは、ボッシュ製「ABS 9MP」を搭載したブレンボ製ラジアルモノブロックキャリパー。軽い車体と相まって、まさに瞬速でスピードをコントロールできる。

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コーナリング時も含めて、あらゆる状況でマシンの挙動を安定させたままフルブレーキングできるという、ひと昔前だったら夢のようなシステムが標準装備されている。技術の進歩はライディングテクニックさえも変えてしまう。つくづく凄いものだと感心してしまった。

 

どこをとっても完璧なドゥカティらしさ

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959に乗ってみて、あらためてドゥカティを代表するモデルであると実感した。スポーティかつ高性能でパッションがあり、それでいて扱いやすくライダーの要求にどこまでも応えてくれる懐の深さもある。

そして、車体に散りばめられた高品質なパーツと完璧なまでのデザインの美しさ・・・・・・。どこをとってもドゥカティらしさに満ち溢れたモデルである。

 
>>Webike 車種別情報:ドゥカティ 959Panigale [959パニガーレ]全年式

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